世界的なスポーツ・アウトドアファッションブランドであるHelly Hansen(ヘリーハンセン)は、2017年にモバイルファーストビジネスへの変革を遂げましたが、その中で、コンテンツ管理システムに大きな問題があることが判明。それを解決するために白羽の矢が立ったのが、アドビシステムズの「Adobe Experience Manager」だ。ここでは、その選定の理由や効果、今後の動向について紹介する。

モバイルファーストの世界へ

1877年に防水のオイルスキンジャケットやズボン、防水シートを生産する事業を立ち上げたHelly Hansen。現在、同社のスポーツウェアは、世界最高峰の山々に挑戦する登山家や世界中の現場労働者に愛用され、ファッションアイコンへと成長。また、5万5,000人以上のプロスポーツ選手に最も愛される衣料ブランドの一つだ。

そんな同社は、2016年新たにeコマースプラットフォームを立ち上げ、2017年には事業のモバイルファースト化を開始。メディアキャンペーンやクリエイティブ、コマースやデータ、さらには意思決定に関する部分まで、「すべてをモバイル化することにした」と、同社でチーフデジタルオフィサーを務めるクリス ハモンド(Chris Hammond)氏は説明する。

  • Helly Hansen チーフデジタルオフィサー クリス ハモンド(Chris Hammond)氏

    Helly Hansen チーフデジタルオフィサー クリス ハモンド(Chris Hammond)氏

「今日では、サイト訪問件数の60%近くがモバイル経由です。しかも、モバイル端末の質やスピードが向上するにつれて、モバイル経由のアクセスは増加する一方。今やモバイルが出発点となる時代に突入したといえるでしょう。デザインからUXまで何においても、当社内ではモバイルを起点にしています」

このモバイルファーストを進める中で、Helly Hansenが利用していたコンテンツ管理システム(CMS)には大きな問題があることが判明したという。

「多言語に展開する世界的ブランドにとって、従来のCMSでは規模を拡大しづらいという問題がありました。物事を大きな規模で迅速かつ華麗に成し遂げるためのソリューションとしては不十分だったのです」(ハモンド氏)

ブランド体験と認知の向上に「Adobe Experience Manager」を採用

2019年、Helly Hansenはより堅牢なコンテンツ管理システムに移行することを決定した。そこで選ばれたのが、アドビシステムズ(以下、アドビ)が提供する「Adobe Experience Manager」だ。

Adobe Experience Managerは、デジタルアセット管理とコンテンツ管理システムの機能を組み合わせたソリューションで、サイトに訪れたユーザーへの、「顧客体験管理(CXM: customer experience management)」をするものだ。

「マーケティングキャンペーンやロイヤルティプログラムなどを単一のプラットフォームで提供したかったのです。当社にとっての大きなメリットは、個々のページの調整や各言語への対応を考慮しなくてもいいということです。Adobe Experience Managerなら、ボタンをクリックするだけで、適切な時間に、適切な場所にコンテンツを配置してくれます」(ハモンド氏)

さらに、これはデザインに関する決断でもあったとハモンド氏は補足する。

「当社では、デザインシステムとして『Adobe XD』を使っています。当社のニーズを踏まえると、このシステムとの適合性が一番高いのは、Adobe Experience Managerです。これまでは、リッチコンテンツを活用した独立型のブランド体験の創出に時間をかけ、認知度を上げるために従来のCMSを使っていましたが、その結果、大幅にROI(投資利益率)を落としてしまいました。Adobe Experience Managerに移行することで、収益はもちろん、ブランド認知の向上や、購入を検討する方の増加にもつながると思ったのです」

45%以上の収益増を実現

Helly Hansenでは2016年よりeコマースのプラットフォームに「Magento 2.0 Enterprise Cloud Edition」を採用していたが、2019年にアドビが「Adobe Commerce Cloud)」として統合。それまで別々だった一連のアプリケーションシステムやサービスが、今や非常によく統合され、幅広い機能を備えたプラットフォームとして提供されている。

そして、顧客体験の創出を目的としてAdobe Experience Managerに移行することで、時間と労力を大幅に節約でき、同時に、消費者中心主義を守りつつ、集中してWebページやコンテンツを制作できるようになったのだ。

Helly Hansen コンシューマービジネスディレクターのテオドール トレフセン(Theodor Tollefsen)氏は、「新しいソリューションを作り上げたことで、新しい市場にもすんなり飛び込めるようになりました。今は50以上ものウェブサイトを運営しており、7つの言語に対応、店舗当たり3万5千点の製品を販売している。他にも、サイトごとに独自の支払い方法やコンテンツ、発送ルールを提供しています」と語る。

サイトを立ち上げて間もなく、トラフィックは全体で24%増、モバイル端末からのトラフィックに関しては48%増を達成し、全体の収益も45%以上伸びたという。

コンテンツとコマースの融合

今ではHelly Hansenは、季節の変わり目や新製品の発表のたびに、従来よりも大がかりな体験を提供するページを作り、最新のテクノロジーを披露している。世界で最も過酷な環境にも耐えられるように特別に作られた、防風・防水のタフな外層生地、「HELLY TECH®」も、そうしたテクノロジーの一つだという。「コンテンツとコマースを本当の意味で融合させ、驚くようなコンテンツ体験を提供できます」と誇らしげに語るハモンド氏。

「当社は、顧客体験を最優先に考えています。実店舗に行けば、雪崩が起きたときの安全対策について説明を受けられます。また、遭難者捜索システムのRECCOが搭載された製品に加え、NASAの技術とPrimaLoftを活用して開発されたLife Pocket付きの製品を手に入れることも可能です。このLife Pocketは、マイナス30度の環境でも携帯電話を凍結から守り、電源オフになるのを防ぎます。これこそ、当社の取り組みの核となる部分です。1877年の創業以来、すべての人の安全を守り、その命を支えてきました」(ハモンド氏)

Helly Hansenが目指すもの

これまでの成果について、今も誇りに感じているというハモンド氏は、「成長率がマイナスだった2016年から出発し、2020年の今、事業規模は3倍以上に拡大しました」という。

「わが社には、非常に優秀なチームがいます。当初はたった4名だったeコマースチームも成長を遂げ、今では46名を抱えるデジタル グループになりました。当社がデジタル変革を始めた当初は、世界の顧客にリーチする手段としてのコマースの変革に力を入れていましたが、今は顧客が当社の心臓ともいうべきものとなっています」(ハモンド氏)

Adobe Experience Managerで事業変革を成し遂げたHelly Hansen。次の改革は、"販売チャネルから消費者第一主義を徹底するデータドリブンな事業に重点をシフトすること"とハモンド氏は予測する。

「当社は2022年ごろまでに、プラットフォームに依存しない消費者のためのブランドになります。これまでの143年間で、当社は大きな進歩を遂げてきましたが、やるべきことはまだまだあるのです」

アドビ システムズ 株式会社

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※本記事は、「Helly Hansen、コマースとコンテンツを融合」を再編集した内容になります

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