桜の花咲き匂う春。今年は企業の情報収集を早めに始める就活生の方々も多いのではないでしょうか。そこで今回は、カシオで働く「人」にフォーカス。「ニュース」が付かない方のマイナビのお株を奪う勢いでインタビューをお送りします。ご紹介するのは、入社6年目の笠井由紀さん。わずか4年目から企画部署に配属、現在はレディースウォッチ「SHEEN」の商品企画を手掛けています。

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    カシオ計算機株式会社 事業戦略本部 時計BU 営業戦略部 第一企画室 笠井由紀さん

カシオだけが優しかった

---カシオに入社しようと思ったきっかけを教えてください。

笠井さん「もともと、自分が好きなものを人に薦めることが好きだったんです。それを仕事にしたいなと思って。そこで、愛着の持てる商材を扱っている会社を探しました。カシオを受けたのは、商品に他にはない強烈な個性があったから。たとえばG-SHOCKとか、オンリーワンな価値があるじゃないですか。あと、英語が使える仕事がいいなと思って、そういう会社を探して受けました。メーカーの海外営業職や広報を中心に受けましたね」

---他の時計メーカーは受けなかったのですか?

笠井さん「時計メーカーはカシオだけ。やっぱりG-SHOCKやBABY-Gが好きだったので。それに、当時はカシオ以外の時計メーカーってよく知らなかったんですよ(笑)。あと、実は私、大学を卒業するのに1年余計にかかってまして……。就活の面接でその(留年した)理由を必ず聞かれるんです。痛いところを突いてくるっていうか(笑)。でも、カシオだけは聞かれなかったんですよね。1次面接から最後まで。それがすごく嬉しくて、これもカシオを選んだ動機といえば動機ですね。

でも、内定をもらってから聞かれました。そういえば、どうして5年かかったの? って。うわぁ、内定を取り消されたらどうしよう、って心配しながら理由を正直に話しましたが、特に何もありませんでした」

---そんな些細なことより、人を見たということでしょうね。あ、ちなみに私も5年かかってますんで。理由は聞かないでください(笑)。と、与太話はさておき、就職して最初に配属されたのはどんな部署でしたか?

笠井さん「国内の営業部です。首都圏の営業所で、色々なイベントや量販店の店頭に立って商品の説明をしたりしていました。商材は時計ではなく、電子辞書や当時扱っていたデジタルカメラ(EXLIM)がメインでした」

---当時、どのような意気込みで仕事に当たっていましたか?

笠井さん「意気込みというより、毎日の仕事に付いていくだけで精一杯でしたね。あえて意気込みを挙げるなら、とにかく”怒られないように、怒られてもめげないように”って」

「時計の商品企画」という仕事

---意気込みの例としては、初めて聞く言葉ですね。

笠井さん「しょっちゅう怒られてましたから。立ち位置が悪い、声が小さい、もっと商談に繋げて、と……。じゃあどうすればいいのかと思っても、誰も教えてくれない。もちろん、聞けば教えてくれます。が、最初は何を聞けば良いのかもわからない。

自分で考えて行動して、工夫して、困ったら聞くの繰り返しです。まずは、自分で考えてやってみる。そうしないと何も解決しないし、その前に何も始まらないんです。それを徹底的に学びました。営業所は体育会系ノリでした。ただ、人柄がいい人が多かったので、良かったですね」

---営業所時代の印象深いエピソードはありますか?

笠井さん「店頭でのデジカメ販促として、私がイベントの企画を考えたことがありました。当時、当社の製品でオリジナルのスタンプが作れる『ポムリエ』というスタンプメーカーがあった(現在は生産終了)のですが、これを使ってデジカメで撮った写真をスタンプにするという企画です。

これにお客さんが想像以上に来てくださって、量販店さんもとても喜んでくださいました。その割に肝心の数字(売り上げ)はそれほどでもなかったんですけど……。でも、手応えは感じました。自分のアイディアや、やりたいことを形にする喜びというか。営業所時代の経験は、現在の部署でもとても役立っています」

---その後、入社4年目にして時計の商品企画を担当されることになるわけですが、商品企画というお仕事について、簡単に教えてください。

笠井さん「当社は本社のほか羽村市に研究開発の拠点を持っています。このどちらにも商品企画を担当する部門があるのですが、その性格は異なります。具体的にいうと本社の商品企画はマーケティング寄りで、売り上げの推移やユーザーのニーズ、ブランディング、コラボレーションなどの視点から商品を企画することが多いです。一方、羽村の商品企画は新機能や技術などの側面から、商品の企画を行うことが多いですね。私の業務は前者になります。

ただ、あくまで企画提案の起点の話なので、日頃から双方で相談や情報交換を行っています。2つの異なる専門性を持つチームがお互いの知見を共有することで、新しい知識や技術を反映した”より優れた商品”が生まれるんです」

---時計の商品企画のワークフローを教えてください。

笠井さん「まずはデータ分析ですね。市場動向やユーザーニーズを把握して、現行モデルの実績なども見ながら戦略を立て、新商品の企画に落とし込みます。そのあとは関係各所にひたすらプレゼンと打ち合わせですね。デザイナー、プロモーション、営業推進部など、関係するメンバーがイメージを共有できるように心がけて企画の詳細を説明します。その後、各部署と連携を取りながら最適な施策を実行してもらう、というところまでがひとつのプロジェクトの流れです」

自分が企画を立てないと商品が出ない

---色々な部署が絡むので、コミュニケーションが重要ですね。意見が受け入れられないこともあるのでは?

笠井さん「コミュニケーション能力はどんな仕事でも求められるものではありますが、商品企画では特に重要だと思います。ダメ出しもされます。これで本当に売れるの? など身も蓋もないことを言われたり。それが分かれば苦労しませんよね(笑)。

他にも、商品のストーリーや販売見込みについてさらに詳しい説明を求められたり、営業から現場の声を反映した意見や指摘があったりとか……。でも、断られることはあまりないですね。どちらかというと、この商品ではこういったプロモーションをしてほしいなど企画をブラッシュアップして皆でいいものに作りあげていくイメージです」

---前向きだなぁ。さすがのコミュ力。ちなみに笠井さんは、どんなブランドを手掛けているのですか?

笠井さん「現在は『SHEEN』を中心にレディースウォッチを担当しています」

  • 笠井さんが企画に携わったSHEEN「SHS-D300」。12時のみローマ数字をあしらい、他はバーインデックスでシンプルに仕上げている。理性的なケースとダイヤルデザインに、ミラネーゼバンドが華やか

---どんなところに、お仕事のやりがいを感じますか?

笠井さん「時計の商品企画は、実は入社時に希望した職種でした。だから、やっぱり嬉しいですね。あと、カシオの製品って、G-SHOCKのような男性向けのイメージが強いんです。だから、会社としては女性向けの製品をもっと育てたい、伸ばしたい。そんなこともあり、SHEENの商品企画やプロモーションでも、色々なことにチャレンジするチャンスを与えてもらえます。G-SHOCKのような知名度やブランド力がまだまだ足りませんが、それだけ伸びしろもある。やりがいはありますね」

---カシオの製品って、古くは「ゲーム電卓」とか90年代のG-SHOCK、デジカメ「EXILIM」ではカード型の「EX-S1」、サクサク高速連写の「EX-ZR10」、中国で「自拍神機」と呼ばれて大人気となった「EX-TR100」など、爆発的なヒットやブームを起こしますよね。SHEENも、笠井さんの企画次第で大化けするかも。

笠井さん「その起爆剤を見つけるのが仕事ですね(笑)。SHEENは幅広い年齢層をターゲットにしていますが、ここ数年は新社会人、いわゆるフレッシャーズをメインターゲットに設定したラインを強化しています。これは私が考えた戦略なんですが、そのプレゼンは大変でした……。価格設定にしてもそう。フレッシャーズ層は就活や就職でちゃんとした金属の時計が欲しい、でも、服もバッグも必要だし、時計に使えるお金はこのくらいなんです、と」

---今の若者の感覚や懐事情は、上司の方々、それも男性にはなかなか伝わりにくいかもしれないですね。

笠井さん「そのイメージリーダーとして、私が最初に企画したのが「SHS-D200」です。これも説得が大変でした。営業会議でもシンプルすぎではないかとか、アラビアインデックスが普通だとか言われて。でも、私もマーケティングのデータやエンドユーザーの声をもとに考えた企画ですから、めげずにプレゼンして。立ち上げに2年近くもかかってしまいました」

---2年も!? SHS-D200の製品化が叶ったときは、さぞ嬉しかったでしょう。

笠井さん「発売日に自分で買いに行きましたもん。もちろん自腹で(笑)。自分の企画が商品化された嬉しさもありましたが、それよりも一本でも多く売れてほしかったんです。多くの部署の多くの方々に助けてもらってここまで来たので、とにかく売れてもらわないと困る! と思いました。それと、新製品は初動が肝心なので、やっぱり発売日に買わなくちゃと思って」

---先ほどもちょっとお話が出ましたが、SHS-D200は完全アラビアインデックスなんですね。確かに、レディースウォッチとしては珍しいと思います。レディースウォッチって、モノによっては12時、3時、6時、9時にしかインデックスがなかったりしますよね。

笠井さん「ファッションウォッチにはそういう時計があります。でも、SHEENはファッションウォッチブランドではありません。デザイン性はもちろん押さえつつ、時計としての精度や視認性にもこだわっています。そして、カシオのお客様もまたそこを求めるんですよ。秒針を搭載するのも同じ理由です。

そんなSHS-D200も、今ではSHEENのなかでも定番商品になりました。ちなみに、近頃はアラビアインデックスのモデルがよく売れるんです。 調べてみたら、私たちの狙いとはまた別の理由があるらしいんです。ちょうどSHEENのターゲットであるフレッシャーズの方々って、完全にスマホに慣れた世代なんですね。だから、ローマ数字よりアラビア数字の方が見やすいって言うんです。これはなるほどと思いましたね」

  • 笠井さんが最初に企画した「SHS-D200」。フレッシャーズをターゲットに見やすいアラビアインデックス、フェミニンな細身のバンドが特徴の人気モデル

企画担当として長い視点でブランドを育てる

---それは興味深いお話ですね。ところで海外出張などもありますか?

笠井さん「海外への市場調査はあります。私の場合、担当商品が海外では中国やアジアが重点地域になるので、中国を中心にアジア方面が多いですね。特に女性は、国や地域によってトレンドや好みが異なるので、現地に行って市場や時計の店頭を見たり、現地の人たちにヒアリングをすることはとても重要です。

---では、一番苦労されることは?

笠井さん「企画担当としては、目の前の数字や売上を追いかけながら、長い視点でブランドを育てるためにはどうすればいいのか、そのバランスを取るのが難しいですね。短期的には売上規模の拡大には繋がらなくても、ブランディングをしていくうえで良いスパイスになっていたり、アイキャッチになっていたり。広くは売れないけどコアのターゲット層には直球で響くような、ブランドとしてファンを育てる役割をもった商品も必要だと思って仕事に取り組んでいます。

また、営業所時代の件でもお話ししましたが、とにかく”自分から考えて動かないと何も始まらない”ということです。自分が企画を立て続けなければ、商品が出なくなってしまう。これは結構なプレッシャーです。自分から積極的にやりたいことを見つけたり、関心分野を探し出せない人にとっては、カシオは居心地の悪い会社かもしれません」

---正直な話、私もお仕事でご一緒させていただくたびに、そんな社風を感じます。それにしても、入社4年目でこれだけのお仕事を任されるとは大抜擢じゃないですか。大学時代の同級生にも驚かれたのでは?

笠井さん「この年齢で時計の企画を任せられるんだねと驚かれることはあります。でも、当社では決して大抜擢というほどのケースではありません。商品企画にも若い社員は多いですよ。若手の感覚が重要な部署だと、会社もわかっているんだと思います」

  • 笠井さんはスタンダードなレディースウォッチも手掛ける。こちらは女性に流行りのくすみ系カラーを採用した「LA670WFL」※WEB流通限定モデル


今回は、カシオ計算機株式会社 企画部署で活躍する笠井由紀さんにお話を伺いました。就活生のみなさん、ぜひ一度カシオ計算機の門を叩いてみてはいかがでしょうか。


●今回お話を伺った方
カシオ計算機株式会社
事業戦略本部 時計BU 営業戦略部 第一企画室
笠井由紀さん

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