製品と取扱説明書を同じ箱に入れるなどの包装を行う生産機械を製造する大手メーカー・京都製作所では、顧客企業に納品した包装機械の保守・運用のサポートが最適化されていないという課題を抱えていた。納品した機械の修理が必要となった際、顧客の工場で起こっているトラブルの内容を把握し、技術者を派遣すべきか判断できるようにするため、同社ではSecomeaが提供する産業用IoTゲートウェイ「SiteManager」を導入した。

導入前の課題 導入後の効果
遠隔地でトラブルが発生したとき、どのようなトラブルが起きたかを把握し修理するためには、技術者が現地に赴かなければならない 顧客に納品した機械で起きたトラブルが画面上で把握できるようになり、技術者を派遣すべきか的確な判断を下せるようになった

顧客の"便利大工"に徹するがゆえの課題

私たちが日常的に使用するさまざまな製品は、基本的に「包装」されている。菓子・食品、医薬品をはじめ、多彩な製品をパッケージングする包装機械の開発・製造でトップクラスに位置しているのが、京都製作所だ。

包装機械は対象の製品によって仕様が異なる。つまり、同社が手がける包装機械は一つひとつが完全オーダーメイドだ。顧客の“便利大工”に徹するという理念のもと、さまざまなメーカーに包装機械を提供する京都製作所には、一体どのような課題があるのか。技術開発本部 田中氏は次のように解説する。

  • 株式会社京都製作所 技術開発本部 田中氏

    株式会社京都製作所 技術開発本部 田中氏

「お客様に納品した包装機械でトラブルが発生したとき、どういうトラブルか、原因は何かを把握するには、実際に現地に赴かなければなりません。近年は機械自体が複雑化し、納品先のオペレーターが状況を把握することも困難になっています。そのため当社の担当者が現地でチェックするまで、トラブルの深刻さが判明せず、結果的にどんなトラブルにも対応できる優秀な技術者を派遣せざるを得ない状況が続いています」

本社を置く京都の近郊ならいざ知らず、北海道など遠隔地の納品先でも当然トラブルは起きる。ときには海外から依頼がくることもある。そんなとき、対応力の高い技術者ばかりを派遣していたら、本来の設計業務に支障をきたしてしまう。また別の地域で発生したトラブルに派遣する人材を確保できない事態も起こり得る。顧客へのサービス品質の向上を追求し続けている京都製作所にとって、これは大きな問題だ。

IoTの普及とともにリモートアクセスの導入を推進

京都製作所が年間に製造する包装機械は約600台。そのほとんどがお客様向けにカスタマイズされた特注機である。まさに少量多品種で各地にちらばる。これらの機械のトラブル対応やメンテナンスを効率化するため、同社が選択した方法はリモートアクセスだ。つまり、顧客に納品した包装機械と京都の本社をネットワークで結び、機械にトラブルが起きた際は本社からリアルタイムに状況把握できるシステムを構築することである。

実は同社では10年ほど前、米国某社の製品を導入し、リモートアクセスを活用したトラブル予兆検知の取り組みを始めたことがある。ただ、当時は生産機械をインターネットにつなげる意義がまだ顧客に理解されておらず、社内の営業担当者もその効果に関する理解度が低かったため、結局は普及せず、使わずじまいになっていた。

同社ではその後、リモートアクセスへの関心が薄れていたが、田中氏はあきらめていなかった。近年、IoTが次第に浸透を始め、リモートアクセスに対する理解も進むなかで、田中氏は社内を説得しながら、再チャレンジの推進に着手した。

次のリモートアクセス導入にあたり、同社が重視したのは「セキュリティとユーザビリティ」だと田中氏は即答する。

「顧客の機密を扱うシステムにおいてセキュリティが最重要であることはいうまでもありません。それに加えて、10年前の導入では、当時採用した製品の使い勝手がよくなかったことも普及を阻んだ理由と考えているので、今回は使いやすさも重視しました」

顧客に信用されるセキュアな環境を簡単に実現

京都製作所が選んだのは、Secomeaが提供する産業用IoTゲートウェイ「SiteManager」だ。同製品は産業機械と社内ネットワークとのリモート接続機能のみを持った小さなハードウェアとして提供される。

  • 産業用IoTゲートウェイ「SiteManager」

    産業用IoTゲートウェイ「SiteManager」

接続できる機械はあらかじめ登録されたものに限られ、登録されていない機器はリモート接続の対象にならない。加えて、そもそもルーティング技術に依存しないため接続機器から社内ネットワーク以外の外部サイトなどにつなぐこともできない。これらより、アクセスできる端末が限られていることから一定の通信速度が担保されるうえに、セキュアな環境が実現されている。さらに、本製品は第三者の監視機関から安全性に関する認証を受けており、一段高い安心が得られる点も決め手だったと田中氏は語る。

また「ユーザビリティ」については、設定方法がきわめて簡単である点に加え、管理画面もブラウザを使い思うように設定できることがアドバンテージとなった。導入が簡単かつ独自の仕様で管理できるとなれば、納品する生産機械が増えたときも拡張しやすく、将来性が見込める。

また、比較対象とした米社製品は通信速度が遅く、社内ネットワーク構築や管理運用の手間、高めの維持コストもかかるのに比べ、「SiteManager」は高速接続を実現するうえ簡単に使用でき、価格も安い点が大きく響いたと田中氏は強調する。

  • 「SiteManager」は顧客の各工場に置かれ、<br>インターネットを通じて京都製作所の本社と繋がっている

    「SiteManager」は顧客の各工場に置かれ、
    インターネットを通じて京都製作所の本社と繋がっている

リモート保守実現に手応え 標準化に向け取り組みを進める

同社では、まずトラブルの頻度が少ない機械に「SiteManager」を設置し、トラブルの発生状況をリアルタイムで可視化する取り組みを進めている。

技術者が京都の本社にいながら顧客の工場にある機械で起きたトラブルを把握でき、かつ同システム用に設置したPCのサーバーに記録されるデータをチェックしてトラブル履歴も確認できるようになった。

田中氏は、取り組みの現状についてこのように語る。

「当社製機械にリモート機能を標準搭載するには、リモートを前提としたサービス保守体制を整えていく必要があります。まだまだ社内では技術者が出張してトラブルを確認するのがデフォルトになっていますし、お客様のなかにはリモートに対する抵抗感を持つ方もいらっしゃいます。いまは営業担当が端末を持参してお客様にシステムの説明を行い、実際に目の前で使用して理解を深めるなど、社内外を巻き込んだ取り組みを進めているところです」

顧客の"便利大工"として、トラブルが起こった際もすぐに駆け付けることを大切にしてきた京都製作所。自社製品と合わせてSecomeaの「SiteManager」を納品先に導入することで、トラブル発生時にただ技術者が現地に向かうだけではなく、まずはどのようなトラブルが起こっているかを把握することができるようになった。そのうえで、その場で対処できることはないか、もしくは誰を派遣すべきかを見極めることができるため、顧客の工場のシステムが止まる時間も短くなった。リモートアクセスの導入は、京都製作所がさらなるサービス品質の向上を目指し変化し続けているからこそ、推進されているのだ。

今後は、機種ごとにリモートメンテナンスサービスを標準搭載していく予定にしている。将来的にはIoTシステムとの連動で稼働状況を監視し、故障予知などトラブルの予防保全を行って"止まらない機械"を目指すという。

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[PR]提供: Secomea