デル株式会社(以下、デル)は、2020年2月19日、中堅企業向けのイベントを開催した。日本にある法人の多くを占める従業員100名~1000名の企業を対象に行う「中堅企業IT投資動向調査」の速報値を紹介するとともに、展示会場では製品やソリューション、サービスなどが披露された。

このイベントは調査結果に関するセッション、基調講演、オープンラボと呼ばれるデル株式会社に設置されたラボを見学するツアーなどが含まれ、IT投資だけではなく働き方改革や人材不足まで、いま企業が抱える課題を包括的にカバーするプログラムとなっていた。

中堅企業の課題解決のポイントは「導入~運用のシンプル化」

セミナーの講師を担当したのは広域営業統括本部の藤村 こなつ氏だ。デルによるIT投資動向調査は2019年度で3年目となる調査で初年度となる2017年度は約500社、2018年度は約800社、2019年度は約800社の企業を対象に企業の業績状況やセキュリティ、リスク対策、働き方改革への取り組み、IT資産、デジタル化への取り込みなどを調べた調査である。

  • デル株式会社
    広域営業統括本部 企画部
    藤村 こなつ氏

2019年度の調査の大きなトピックとして、3つのトレンドが紹介された。「ひとり情シスの退職が増加」「総務部門によるIT部門の兼任が急増」「シャドーITがデジタル化を加速」だ。

「ひとり情シス」はいわゆるIT担当者が1名で企業内のシステム部門を担うというもので、2019年度ではこれまで増加傾向にあった「ひとり情シス」が横ばいという傾向(※)がみられるものの、人材不足は依然として大きな課題となっており、中堅企業においては導入~運用に工数が掛からないことが求められていることを示している。それは総務部門がIT担当を兼任している割合が47%という数値からも明らかである。

(※)システム部門を1名または0名で担当しているという回答が約37%となり、前年より0.3ポイントアップに留まった。

これは先日サポートが終了したWindows 7の対応にも顕著にみられる状況で「Windows 10へのアップグレードが進まない理由の多くに「移行作業に対する人手が捻出できない」という回答があげられたことからも分かる傾向だ。

またサーバー資産の仮想化に関する設問には、未だに35.3%が未着手ということが明らかになっており、物理サーバーの運用管理からIT資源の有効活用を促進するサーバー仮想化に着手できていない実態も見えてきた。

加えて、ハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)についての設問では、まだ約半数の中堅企業がその存在を知らないという結果からもIT資源の統合とシンプル化を求めていながらも具体的なソリューションには辿り着いていない実情が明かされた。

事業継続計画の予算は増大傾向に

続いて、近年発生した地震や台風による自然災害への対応についても関心が高まっていることが裏付けられた。しかし、システムのバックアップの重要性を認めつつも、バックアップを戻せるか自信が無いという回答が54%という高い数値を示している。同時に事業継続計画費用の増加も多くの企業が行っており、システム自体を如何に持続させるのか?が総務部門を含む情報システム部門の課題となっていることを明らかにした。

中堅企業の48.8%がデジタル化に積極投資

デジタル化は増加の傾向にあり、ロボットやRPAの活用、IoT、人工知能などに高い関心が寄せられていることが分かった。RPAに関しては41%、IoTに関しては33%、AIに関しては26.8%が活用を期待しているとして中堅企業でも業務の自動化による省力化、人材不足への対応を検討していることが判明した。

ここからはデルが提案するソリューションについて個別に解説を行っていきたい。

実は中堅企業に向いているAzure Stack HCI

最初に紹介したいのはAzure Stack HCIだ。Azure Stackは発表当初、マイクロソフトのパブリッククラウドMicrosoft Azureを自社サーバーに展開するソリューションとして登場したが、HCIとして利用可能な製品ラインアップが拡がっている。Windowsサーバーをメインに利用しているユーザーにとって最もスムーズに移行できるプラットフォームとしてAzure Stack HCIは最小構成で2ノードから導入できることが中堅企業にとっては魅力だろう。さらにActive Directoryと連携することで、従来のユーザー認証基盤と連携した移行を実現し、移行コストの抑制にも貢献できる。

  • Azure Stack HCIの説明を受ける筆者

また見落とされがちなのは、Azure Stack HCIはストレージとしても高い性能を発揮する製品であるということだ。2018年にインテルとマイクロソフトが達成した1,370万IOPSはIntel Optane Memoryとリモートダイレクトメモリーアクセスなどのテクノロジーを活用して専用ストレージアレイに負けない高性能を実現している。

Azureと連携することでバックアップやディザスターリカバリーなども容易に利用することができる点も事業継続を検討している企業にとっては魅力的だろう。

柔軟な構成を容易にするvSAN

Azure Stack HCIがWindows ServerをベースにITを構成している企業にとっては最適な選択肢であることは明白だが、すでにVMwareでサーバーを構成、運用している企業にとっては選択しづらいのも事実だろう。デルはエンタープライズストレージの”老舗”であるEMCとの連携により、VMwareの仮想化基盤をベースにしたHCIも製品ポートフォリオとして持っているのが強みだろう。

そのなかで、今回紹介されていたのはvSAN Ready Nodeだ。Azure Stack HCIがハイパーバイザーとしてHyper-V、ソフトウェアデファインドストレージとしてS2D(Storage Spaces Direct)をコンポーネントとして採用しているのに対し、vSAN Ready Nodeはハイパーバイザーとしては多くのインストールベースを持つvSphere、ストレージにはVMwareの仮想化基盤に最適化されたストレージであるvSANを組み合わせた構成となり、3ノードから64ノードまでの構成が自由に行えるのも魅力だろう。これまでの使い慣れたVMwareの管理コンソールからシームレスに管理ができる点もサーバー管理者にとって管理工数を減らすポイントだ。

IT部門の人材不足が顕著な中堅企業ではトラブル時にワンストップで対応するサポート体制も重要だ。オープンソースソフトウェアやコモディティハードウェアを活用したHCIの場合、ハードウェア、ネットワーク、ソフトウェアごとの担当者がサポートするかたちとなり、トラブル解決のために思ったよりも時間と労力が掛かってしまう場合がある。デルのProSupport Plusであれば専用窓口の担当者がサーバー、ネットワーク、ソフトウェアを包括的に対応する窓口となり、分野別のエンジニアにエスカレーションするワンストップでサポートを行うことができる。これはシステム管理担当者の負担を大幅に減らせるポイントだろう。

クラウド連携もできるスケールアウトストレージならIsilon

デルが推奨するストレージとしてIsilonも忘れてはならない存在だ。大容量のビデオコンテンツ配信のストレージとしても定評のあるスケールアウトストレージであるIsilonは、最新のモデルでより集積度を上げたことにより前世代の製品に比べて50%から75%のラックスペース削減が可能になった。無停止のアップグレードやノードを追加するだけで必要なストレージを構成できる容易な運用管理機能は多くの顧客事例でも確認できるが、管理に手間を掛けたくない中堅企業にとっては最適なストレージといえるだろう。クラウドとの連携ではゲートウェイを使うことなくAWSやAzureへのコールドデータの移動も可能となっており、Isilonのユーザーは従来の使い勝手のままクラウドの信頼性を手にすることができる。

推奨されるバックアップソリューションについても、EMCが誇るData Domainを使ったバックアップアプライアンスも用意されており、サーバー仮想化、HCI、スケールアウトストレージ、バックアップと中堅企業が悩む管理を省きながら、IT資源の事業継続性を向上させるトータルなソリューションが用意されていることをアピールしたイベントとなった。

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公開開始 : 2020年3月13日(金) 13:00

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    (スピーカーによるリアルタイムチャット有:公開日の15:00 - 18:00)
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