Dell Technologies日本最高技術責任者(CTO) 黒田 晴彦氏が徹底解明

  • Dell Technologies
    日本最高技術責任者(CTO)
    黒田 晴彦氏

私たちが、毎日便利に使うPCやスマートフォン。その中には無数の半導体や電子部品が使われています。さまざまな病気を未然に解析するための医療用機器、また安全な生活を送るための多種多様なインフラを支えるあらゆる測定機器など、目にはつきにくいですが、多くの産業用機器が稼働しているからこそ、私たちの豊かな生活が支えられているといえます。特にこの分野では、日本企業がグローバル市場でもトップシェアを取るなど、日本のものづくりの技術が脈々と続いています。

そのような産業装置は、いまではIT機器やIoTデバイスを駆使した大規模なコンピュータを活用した装置といえます。そのなかで、 静かにDell Technologies(以下デル)のサーバーPowerEdgeは動き続けています。実は、産業用システムを構築するときに、 デルのPowerEdgeを指定していただくことがとても多いです。デルというとパソコンを大量に販売するイメージがあり、そのような産業用装置の中で動いているサーバーまで販売しているとは想像されない方もいらっしゃると思いますが、多くの技術者に指示される理由があります。半導体製造・検査装置、計測装置、医療用機器などの産業機器を市場に投入しているお客様が、PowerEdgeサーバーを採用するポイントを探っていきます。

質問をするのは、Dell Technologies日本最高技術責任者(CTO)を務める黒田 晴彦氏です。黒田氏は、36年間にわたり、三井物産の国内外のIT担当部署で活躍後、Dell Japan CTOを経て、現職に就いています。ユーザー側と提供側の双方の経験を通して、Dell Technologiesがご提供する幅広い製品群に対して、常にお客様の価値を最優先に考えて、業務に取り組んでいます。今回は、産業用機器を支えるPowerEdgeの技術についての黒田氏の探求ポイントを、Dell Technologiesインフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部&プランニング部 部長 渡辺 浩二氏が解説しました。

  • 写真左) Dell Technologies インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括
    製品本部&プランニング部 部長
    渡辺 浩二氏

1.グローバルに組めるパートナーとは? サービスタグによるグローバル一元管理

黒田:国境を越えて移動するIT機器を継続的にサポートすることは、容易ではありません。これを実現する仕組みについて解説して頂けますか。

渡辺:デルのPowerEdgeサーバーにはサービスタグというタグが付いており、その情報を使いサービスが提供されます。たとえば、日本で購入し利用していた製品をドイツに移動する場合も、タグ情報の移管手続きを行い、ドイツでもすぐに日本と同様なサービスが受けられます。サポートサービスを新規に購入する必要はありません。単純な仕組みですが、実はこの仕組みをグローバルで提供できているベンダーは多くはありません。

黒田:今や、日本の産業機器も多く海外に展開しています。その中で稼働するPowerEdgeサーバーもスムーズに各国での対応が求められます。

渡辺:最近経済成長が著しいミャンマーに進出したお客様からは、「デルはグローバルに組めるパートナー』だとお褒めの言葉をいただき、グローバルで同じ仕組みでサーバーを導入できる仕組みをご評価いただきました。デルのこのメリットをもっとご活用いただき、日本のお客様の海外進出をお手伝いしたいです。

2.中国展開を含めたグローバルのビジネス展開に必須な認証にも対応

黒田:日本企業は巨大な中国市場を無視できません。中国でビジネスを展開する際、法制度などの観点から日本から製品を輸出する際の認証対応や、暗号化チップの規制に関する対応など、さまざまなチャレンジがありますよね。

渡辺:デルは中国でも幅広くビジネスを展開している強みを生かし、CCC(中国強制製品認証制度)など、中国でビジネスを展開するのに必要な認証系のサポートなどがお客様に評価いただくことが多いですね。日本から機器を輸出し現地に持ち込む場合でも、現地でご購入頂く場合でも、どちらのケースにもお客様にとって一貫したPowerEdgeの管理ツールとサービスを提供できるのはメリットだと思います。

3.専任の担当者によるサポート

黒田:デルはサポート体制の強化に努めていますが、改めてPowerEdgeサーバーのサポート状況の確認をさせてください。

渡辺:法人のお客様向けにサポートの状況と監視を行うデルの川崎にあるグローバルコマンドセンター、すでに14年の歴史がある宮崎カスタマーセンター含め、デルは、国内で約500名の正社員によるきめ細かいサポートを提供しています。

黒田:産業機器のお客様にとって、サポート担当者が頻繁に変わるのは困るので、専任のサポート担当者をつけて欲しいと言われることがありますよね。

渡辺:はい。そのような場合、標準のサービスメニューのなかから、ProSupport Plus (プロサポートプラス)サービスをご選択いただければ、テクニカルサービスマネージャー(TSM)を配置させることができます。製品ライフサイクルを通じて産業用システムのお客様をしっかりサポートします。

4.7年保守オプションを標準で選択可能―製品ライフサイクルの長さ

黒田:産業システム系は長期間に渡り運用されます。その点から、利用されるサーバーも長期に渡り、安心して稼働できるものでないといけません。PowerEdgeサーバーのユニークな点を教えてください。

渡辺:確かに、産業用システムでは、長期間の利用が必要です。多くのサーバーベンダーのサポート期間は5年間が標準のなか、デルではサーバーで最大7年のサポート期間を標準メニューから選択できます。一括で7年保守をお客様が購入できる点も魅力ではないかと思います。デルのグローバルの調達力を活かして、SSDやCPUの手配でも融通が利くというお客様の声もあります。是非、ご相談を頂きたいです。

5.オープンソースへのコミットメントに基づき上流からサポート

黒田:産業用システムはオープンソースのOSやソフトを使用してシステムが構築されていることが多いですよね。オープンソースに対する取り組みについてご紹介をお願いします。

渡辺:多くのオープンソースのコンソーシアムや団体に人を出し、最初にオープンソースを開発するエンジニアにデルのサーバーを使ってもらい、動かなければそのサーバー上で”バグ取り”も行っているからです。たとえば、エッジIoTコンピューティングの相互運用性を目指すオープンプロジェクトEdgeX Foundryなどにも、多くデルのエンジニアがコードの提供含め、情熱を持って取り組んでいます。
また、最新のインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー を搭載したPowerEdgeサーバーでは、Ubuntu含めた幅広いLinux OSへの対応にも力を入れています。お客様より、「デルのサーバーではオープンソースがちゃんと動く」とのお褒めの言葉も戴くことが多いです。

黒田:なるほど。たまたまオープンソースが動くのではなく、”動かす”ために上流からしっかりとしたサポートが必要なのですね。

6.BIOSレベルから強化されたセキュリティ

黒田:IoTの時代にオープンソースを活用しさまざまな製品の相互運用性が高くなるのは良いのですが、産業機器だとシビアなセキュリティが要求されます。

渡辺:ご指摘の通り、社会インフラを支える産業用システムでは、防御・検知・復旧の3つの観点かセキュリティへの対策を求められます。x86サーバーを中核に据えるデルは、Unixサーバーやメインフレームを提供する他社と異なり、x86サーバーであるPowerEdgeに惜しげもなく高いセキュリティ技術をつぎ込んでいます。

黒田:具体例を挙げて頂けますか。

渡辺: BIOSレベルでの悪意ある変更や意図しない変更からシステムを保護する「System Lockdown」(システムロックダウン)や、BIOSが意図しない変更を受けたとき、元のイメージに自動的に戻す「BIOS Recovery」機能などがあります。これらの機能によりPowerEdgeは高いセキュリティを実現しています。

7.お客様の環境に最適なモデルを選択可能/PC・ワークステーションからサーバーまで

黒田:産業機器を汎用的なIT機器ベースで開発する場合、用途や規模に応じて、通常のPCやワークステーションを基盤にするか、サーバーを基盤にするか悩まれるお客様も多いですよね。

渡辺:デルの強みは、産業装置向けプラットフォームとして、サーバーだけでなく、PCやワークステーションまで、サーバーの枠を超え、松・竹・梅のようなかたちで幅広いポートフォリオでお客様のビジネスの支援可能なことです。もちろん、PowerEdgeサーバー自体のモデルラインアップやCPU/SSDの選択肢も豊富で、最適なスペックが選択可能です。

8.手間暇掛からずの工場インストールサービス

黒田:規模が大きいとサーバーの初期設定にも多くの工数が掛かります。

渡辺:デルは、導入規模の大きいお客様向けに、導入時の労力・時間・コストを大幅に削減するCustom Factory Integration (CFI)という工場インストールサービスを提供しています。同一仕様のカスタマイズマシンを一括提供する場合の煩雑な作業から解放されます。お客様の導入を迅速化することを支援したいです。

9.世界中の多くの産業用システムで採用

黒田:安心稼働を考えるうえで、稼働実績は気になるところです。グローバルでの産業機器の採用状況はいかがですか?

渡辺:ビジネス誌『フォーチュン』が発表するフォーチュン100企業(急成長企業100社)の1つ航空宇宙・ビル・産業向け電子制御システムや自動化機器を提供しているHoneywell社でPowerEdgeサーバーをご採用いただいています。国内でも有数のトップベンダーであるビル・工場用機器の計測機器メーカー、医療・衛星画像システムサービス事業者、放射線治療用医療機器メーカー、歯科向けの組込み装置メーカーなど、多種多様な産業用システムでPowerEdgeはご採用いただいていますので、安心してお使いいただけるのか、と考えています。

10.シードプログラムにより製品試作をスムーズに支援

黒田:初めてのハードウェアは、やはり取り扱いに慣れることが必要です。何か特別な支援プログラムはありますか?

渡辺:デルではサーバーのシード(SEED)プログラムを提供しています。シードプログラムは、文字通りSEEDの「種」としてお客様のビジネスを市場投入され大きく成長できるようなきっかけをご提供します。

黒田:デルは、今でも世界最大のベンチャーと言われているように、新しいビジネスには積極的に進んでいく姿勢があり、お客様のお役に立ちたいですね。


今後、IoT/5Gの時代に向けて、産業用システムにますます最新のIT技術が取り込まれていくことが予測されます。上記のような産業システムのニーズにも応えることができるPowerEdgeサーバーをご活用頂ければ、半導体製造・検査装置や、計測装置、医療用機器などの産業用システムのビジネスの改善・強化にも繋がるのではないでしょうか?

Intel、インテル、Intelロゴ、Xeon、Xeon Insideは、アメリカ合衆国および/またはその他の国におけるIntel Corporationまたはその子会社の商標です。

アンケートご協力のお願い

本稿をお読みいただいた読者の方へ記事の感想についてアンケートを実施しています。抽選でデル社より御礼を進呈致します。

>>アンケートのご回答はこちら

[PR]提供:Dell Technologies