家庭を取り巻く環境、働き方、家族との関係性で、子育ての仕方は変わるものです。 今回は、「ママが外で働き、パパは主夫」というご家庭にお話しを伺いました。 お話を聞いたのは、ブロガー・イラストレーターとして活躍する主夫の河内 瞬さん。河内さん一家の子育てとは?

今回お話を伺った人はコチラ
河内瞬さん(30代)
主夫ブロガー。SNSやブログ「主夫の日々」で主夫生活について発信。
著書「主婦をサラリーマンにたとえたら想像以上にヤバくなった件」が発売中。フルタイム勤務の奥さん(30代)と長女(小学校高学年)、次女(小学校低学年)の4人家族。

サラリーマンを経て主夫になった河内さんは、「働く側と"シュフ"」の育児における関係についてどう思うのでしょうか。いろいろと聞いてみました。

「サラリーマン」から「主夫」へ転身。その背景と大変さを知った現実

私が「主夫になろう」と考えはじめたのは、自分が転職を考え始めた時期と、奥さんが「働きたい」と言い出した時期が重なったことがきっかけです。最初は共働きで過ごしてみたのですが、忙しすぎて「これは無理だ」と。特に会話が減ったことが、「共働きを続けられない」と思った一番の理由かもしれません。私も奥さんも話すのが好きなので……(笑)

そこで話し合って、奥さんが働くことを優先し私が家事育児を請け負うことになりました。奥さんは働きたがっていたので、「ありがとう」と言ってくれましたし、子ども達も私との時間が増えることを喜んでいたと思います。主夫になることに対して、家族の反応は暖かく、また私もサラリーマン時代から家事育児に積極的に取り組んでいたので、不安は特にありませんでした。この時までは……。

実際、主夫になってみると、その大変さは想像をはるかに超えていました。家事の最中に子どもが泣き、子どもの相手をしていたら家事が疎かになる……。サラリーマン時代に私が行っていたのは、横に奥さんがいる状態での「家事」か「育児」。だから「家事も育児も」という慣れない状況に参ってしまいました。その姿を見かねた奥さんから「そのもやもやをブログに書いてみたら? 」と勧められました。奥さんも主婦時代、日々のフラストレーションをブログにぶつけていたようなので。このアドバイスが今の私の活動に繋がっているんですから、あの時の一言には本当に感謝しています(笑)

  • 子ども達が帰宅後は家事に育児と、やはり大変そう!

「今はすごく後悔している」サラリーマン時代に、奥さんにかけた言葉

主夫として生活し、今では家事・育児の大変さをSNSやブログで発信している私ですが、サラリーマン時代に奥さんに話した言葉でずっと後悔しているものがあります。

奥さんが長女を妊娠中の時、私は職場の上司や先輩・女性社員から「つわりは気の持ちよう」と聞きました。出産経験のある女性社員もそう言っていたので、無知な私はその言葉を鵜呑みにし、そのまま奥さんに言ってしまいました。 その後、奥さんから話を聞いたり、奥さんの状況を目の当たりにする中で、それが間違いであったことを知った時は心の底から申し訳ないと思い、謝りましたね。辛い時に寄り添ってあげられなかったことを今でも後悔しています。

また出産直後、仕事の合間をぬっては奥さんの見舞いに病院へ足を運んでいました。いつも帰り際に「休める時に休んで」と言っていたのですが、ある日奥さんが悲しそうに「休める時っていつ? 」と言ってきたんです。そこで初めて自分の言葉が奥さんを追い込んでいたことに気が付きました。出産直後はまとまった時間寝ることもできず、子どもの世話に追われる状態で休む時間などないのに、安全圏にいる私から「休める時に」と言われ続けたことが辛かったようです。少し考えればわかりそうなものを……と猛省しました。

  • 相手を想って発した言葉も環境や状況によっては、相手を追い詰めてしまうこともある

それから、自分ではわからない分野でも、話をすることで少しは理解できるはず……と奥さんと会話をして、その都度行動を修正しています。

それは主夫になってからも心がけていて、平日は夕食時や子ども達が寝た後、休日は子ども達が遊びに行ったりして育児から手を離せるタイミングで奥さんとゆっくり話をしています。「この時間に話し合いをする」と決めているのではなく、互いに聞いてほしいことがある時に相手に話しかけるという感じですね。聞けない状況の時は「少し待って」と言って待ってもらって、後でしっかり話をする時間をとっています。

話す内容は、家事・育児だけの話ではなく、子どもの話や学校行事の話、最近読んだ本や気になるネット記事といった雑談まで様々。でもやっぱり私から子どもの話をすることが多いです。働く奥さんはどう頑張っても子どもとの時間が少ないので、その空白を私の口から埋めるイメージでしょうか。そうすることで働く側が「子どものことがよく分からない」という状況を防げると思います。

  • 何気ない会話が何事も相談できるほどの夫婦関係を作り上げるのかもしれない

子どものことがよく分からない」というのは、働く側が育児に積極的に参加できなくなる主な理由だと思うので、"シュフ"から沢山話をしてあげることが大切だと感じています。そうすることで働く側も間接的に育児に触れられ興味を持つようになり、自然と夫婦間の会話も増えるのではないでしょうか。

立場が変わっても、感謝の気持ちは忘れたくない

サラリーマンから主夫になり、一番感じた変化は、「当たり前」だと思っていたことが、「ありがたいこと」だったことに気づいた点です。例えば、私がサラリーマン時代、奥さんが毎晩温かいご飯を出してくれたこと。自分が主夫になってわかったのですが、毎日の料理は、買い物も調理も盛りつけも食器洗いも、全てが面倒。それを何時に帰るかもわからないのに、帰宅に合わせて温め直して出してくれる。これを毎日ただ享受している人は、料理は温かい時点で「美味しい」ということを理解して感謝するべきだと思います。

他にも毎日洗濯をして、家の掃除をして、子どもの世話をして、私が帰宅する頃にはそれらが全て終わっている。ずっと気づかなかったけれど、全て自分でやってみると、どれだけ大変なことかがわかりました。それを毎日継続してくれた奥さんには本当に感謝しています。

  • 「当たり前」の維持の裏側を考えて「ありがとう」と伝えることが大事

家事・育児は面倒ながらも、周りから「当たり前」だと思われがちで、そのありがたさに気づかれないことが多い。ゆえに、「お疲れ様」「ありがとう」と言われる回数さえも、多くありません。私もサラリーマン時代、奥さんに対し「ありがとう」と言葉にした回数は少なかったと思います。しかし主夫になり、普段の感謝の言葉がなによりも嬉しいということを知りました。だからこそ、働く側は、常に「ありがとう」「お疲れ様」という労いの言葉を、"シュフ"に投げかけてほしいと思います。私も、奥さんが主婦時代に言葉にできなかったぶん、働いて帰ってきた奥さんには「お疲れ様」を言う、家事育児に参加してくれる時は、「ありがとう」と必ず伝えるようになりました。

主夫から働く側のママ・パパに伝えたい「育児への関わり方」

主夫になった今思うことは、サラリーマン時代の家事・育児への協力は全然足りていなかったということです。しかし、正直仕方がないと思っています。働く側の主な役割はやはり働くことで、その上しっかりと家事育児をしろというのなら、代わりに同じくらい"シュフ"も働く必要が出てきます。しかしそれでは間違いなく夫婦は共倒れとなり、本末転倒です。

だからこそ、働く側は育児を「やれる範囲でやればいい」と思います。仕事で疲れて育児に参加する意欲が湧かないときは、ただ子どもを見ているだけでいい。一瞬でも育児を手伝ってもらえれば、その隙に"シュフ"は家事に専念できますから。"シュフ"が疲れてしまったときは、「疲れるよね」と受け入れ、必要があれば家事・育児に参加する。お互いに完璧を求めず、無理のない範囲で家事・育児に取り組み、補完し合うことで、円満な状態を維持できるのではないでしょうか。

奥さんも、帰宅後は真っ先に子どもと話をしてくれたり、寝る時に絵本を読み聞かせたり、休日は子ども達を連れて出かけてくれたりしますが、「自分が楽しめる、無理のない範囲で子どもの相手を全力でする」を心がけているようで、キャパシティを超えるほど頑張りすぎたりしません。それでも私はとても助かっていますし、奥さんもストレスを感じて爆発……ということもないので、うまく育児はまわっています。

これらのことに気づけたのは、私がサラリーマンと主夫、どちらも経験したからです。家事・育児の想像を絶する大変さを心から理解することは、男女問わず"シュフ"としてやらなければわかりません。外(働く側)から見えている光景は、中(シュフ)で見ている光景とは全然違うので、短期間でも誰しもが専業主婦・主夫を経験してみるといいと私は思っています。

河内さん、ありがとうございました。


河内さんご夫婦は、お二人とも外で働く大変さも、家で家事育児を担う大変さも理解しているからこそ、互いに自然と感謝の念が出てきているようでした。 本当の大変さはやってみないと分からないと河内さんは言いますが、実際に"シュフ"になることが難しい場合でも、夫婦間で話をする時間を持つことで、互いの大変さや状況を理解する手助けにはなりそうですね。

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