• 中谷社長と大久保様の集合写真

船舶用電子機器の分野で世界最大手である古野電気のグループ会社として1984年10月に設立されたフルノシステムズ。以来35年にわたって無線通信技術を中核に、無線ハンディターミナルや業務用無線LAN機器といったワイヤレスソリューションを提供しています。

今やインフラとして我々の生活に欠かせない無線環境を提供し続けている同社。今回は、創業35周年の節目を迎えるにあたり、事業における志や思い、今後の展望などを同社代表取締役社長の中谷 聡志氏に伺いました。

インタビュアーは、『Nスタ』(TBS)のリポーターや『ウィークリーすみだ』(J:COM)のキャスターを務めるなどフリーアナウンサーとして多岐に活躍する大久保 涼香さんです。

  • 中谷社長と大久保様がお話ししている様子

大久保:中谷社長がフルノシステムズに入社されるまでのご経緯を教えて頂けますか?

中谷:フルノシステムズは、兵庫県西宮市に本社を置く古野電気のグループ会社の1つです。私は古野電気に今からちょうど34年前に入社し、技術職として開発を担当していました。古野電気は1948年に世界で初めて魚群探知機を実用化した会社です。その後も船舶用のソナーやレーダーなど、船にまつわる航海機器や通信機器を開発しています。学生時代にヨットをやっていた私は海が好きで、海に関わる仕事をしたいと思っていました。そして、その時に出会ったのが古野電気の製品です。ビデオプロッタという今でいうスマートフォンで見られる地図のようなものなのですが、ブラウン管の大きな画面に船の位置が表示されて航跡が映し出されるんです。それまでは紙の海図で確認しながらやっていたのが、『これはスゴイ、素晴らしいな』と。それで、自分自身で機械を作って船に乗せたいという思いに駆られて入社しました。

大久保:フルノシステムズは、日本で初めて無線ハンディターミナルを開発されたとのことですが、もともと船舶無線を開発されていたところから、物流業界や無線ハンディターミナルに注目されたきっかけは何ですか?

中谷:私自身が古野電気に入社したのは1985年なのですが、その半年前の1984年10月に陸上を舞台にした新規事業をやろうということで、フルノシステムズが設立されました。ハンディターミナルの開発は、工場の機械を手元の端末から制御したいというお客様からの要望があったことから始まりました。そして同じ頃、倉庫内で数多くの製品を扱う物流業界のお客様でも、機械を使って作業を改善できないかとの話がありました。当時の物流業界は、倉庫からの出庫や発送、棚卸といった業務をすべて紙ベースで行うのが主流で、それをもっと合理化したいというニーズです。初期の端末はもう少しサイズも大きくて、使うたびに事務所に戻ってケーブルをつないでいたのですが、弊社はもともと無線通信技術を持っていましたから、ある時、無線技術を入れたらどうだろうかと気付いたのです。無線化してしまえば使うたびに事務所に戻る必要もないので、手間も省けます。このように、最初はあるお客様の要望があって開発を始めたのですが、そこからいろいろなお客様のニーズを取り込み、同じような業界の会社にも売れないか、次にメーカーの出荷業務にも使えないだろうか……と動いていくうちに、次第に事業の幅と規模が大きくなっていきました。

  • 中谷社長とハンディターミナル

大久保:無線ハンディターミナルの事業において、中谷社長が思い入れのある案件やエピソードはありますか?

中谷:15年前まで、私は開発を担当していて、ハンディターミナルも作っていました。その時、従来の製品を重さは半分にして強度を2倍にしようということになりました。手頃な価格設定にしたところ、それまでの10倍ぐらい爆発的に売れました。競合メーカーの製品もその時に作った端末のスペックに追随し、当時は業界でのスタンダードになったんですよ。

大久保:今手元にあるハンディターミナルを持ってみるととても軽いのですが、当時、重さやサイズ感で言うと、具体的にはどれくらいだったのですか?

中谷:当時の標準は500グラム程度から600グラム弱でした。そこから一気に軽量化し、だいたい300グラムぐらいにしました。今は軽いものだと150グラムを下回る端末もあるのですが、従来の物だとサイズも大きくて、女性が持つには大変な大きさだったんですよ。

  • 中谷社長と無線LANアクセスポイント

大久保:もう1つの主力事業である業務用無線LAN製品に注目し、開発を始めたきっかけや販売に至るまでの経緯を教えて頂けますか?

中谷:もともとはハンディターミナルのアクセスポイントとして開発していました。物流現場においても当時からアクセスポイントの機器自体はもちろん存在しており、海外製品を調達していたのですが、なにか問題が起こってもなかなか対応してもらえず、それならば自社で作ろうということになりました。その後、ハンディターミナルの無線規格もWi-Fiに変わり、2006年にアクセスポイントを単独の製品として販売する無線LANの事業を開始しました。大きな物流センターでは、200~300台のハンディターミナルを使っているのですが、始業時に一斉に電源を入れると、つながらないといった事態が発生しました。そこでそれだけの多台数でも支障なくつながるような製品が欲しいという物流業界のニーズがあり、私たちはそれに応えられるよう開発・製造をしていました。そのため、多台数同時接続がスムーズに行えるのは、私たちの製品の強みでもあります。昨今、ICT教育で学校現場にも無線LANとPC、タブレットなどの端末が導入されるようになり、同じように多台数の端末を無線接続したいという声が多く聞かれるようになりました。多台数同時接続というのは物流の世界では既に当たり前のことだったのですが、それが実はすごくニーズがあることだと後からわかったのです。

大久保:一般的な業務用とハンディターミナル用の無線LANアクセスポイントは、まったく同じものではないのですか?

中谷:基本的には同じものです。しかし、物流センター向けの時にはデザイン性を意識することがあまりなかったのに対して、本格的に無線LANの事業を始めてからはデザイン性にもこだわって開発しています。

大久保:確かに、いかにも業務用という感じがせず、日常空間にあっても自然に馴染んでいますよね。

中谷:そうなんですよ。以前は、製品の真ん中に自社のロゴが大きく入っていたのですが、それをホテルの壁に取り付けるとなるとやはり少し違和感がありますよね(笑)

  • 大久保様と無線LANアクセスポイント

大久保:フルノシステムズでは、災害時に開放されるフリーWi-Fiに関するソリューションの提供にも注力しているとのことですが、それに至った経緯について教えて頂けますか?

中谷:最初のきっかけは2011年の東日本大震災です。通信インフラがなかなか復旧せず、安否の連絡ができないという状態をどうにかできないかという課題に直面しました。そこで、当社も加盟する「一般社団法人 無線LANビジネス推進連絡会(通称:Wi-Biz)」の「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」という、災害時に開放して誰でも無料で使うことのできる公衆Wi-Fiの普及に取り組みました。先日の台風19号の際にも開放されたことでご記憶に新しいかと思います。当初はアクセスポイントを管理するシステムの中に、通常の設定と災害時の設定を事前に入れておき、緊急時に切り替えられるような仕組みだったのですが、現場で設定を変えるのは大変だという声を受け、カギを回すだけでWi-Fiの設定を切り替えられる「Wi-Fiモードセレクター」という製品を開発しました。これにより、学校など避難所ごとに簡単に設定を変えることができます。「00000JAPAN」が初めて使われたのは、2016年の熊本地震の時でしたが、2018年の大阪北部地震の時には「Wi-Fiモードセレクター」も初めて使われました。

  • カギを回す操作ひとつで「00000JAPAN」にWi-Fi設定を切り替えられる装置「Wi-Fiモードセレクター」

    カギを回す操作ひとつで「00000JAPAN」にWi-Fi設定を切り替えられる装置「Wi-Fiモードセレクター」

大久保:私は東日本大震災の時に東北のテレビ局に勤めていたので、実際に岩手県で被災して、1週間後に避難所にも行きました。当時はまだスマートフォンが出始めの頃で、固定電話が並んでいるところに人が行列を作っているという見たことのない光景でした。私もロケで岩手県の沿岸部に行くことが多かったので、家族が安否をとても心配をしていて、それまで当たり前にできていたことですが、どれだけ連絡を取ることが大切なのかというのを実感しました。あの時よりも8年経った今のほうがよりスマートフォンに頼っている人たちがずっと増えていると思うので、避難所ですぐに対応してもらえるのは、いつ被災するかわからないですし、心強いですね。

中谷:昨年は「00000JAPAN」の取り組みが総務大臣から表彰を受け、認知も高まってきました。もちろん、災害が起こらず使われないほうがいいのですが、災害時には非常に有効な取り組みです。

  • 大久保様の写真

大久保:業務用無線LAN製品の事業において、中谷社長が思い入れのある案件やエピソードはありますか?

中谷:2016年の熊本地震の際に、弊社の製品を納品していた学校が被災して、製品も壊れてしまいました。そこで代替の製品を送ったところ、生徒さんから直筆のお手紙を頂きました。「また授業ができるようになった」と書いてあって、弊社の製品が使われているんだな、役に立っているんだなと実感ができて大変うれしかったです。頂いた手紙は今でも本社で大切に保管しており、九州の事業所にはコピーが貼ってあります。

大久保:2020年の春には次世代ネットワーク「5G」の提供が開始されます。5Gの普及によって、近い将来、Wi-Fiの在り方にも変化が予想されますが、それを踏まえたうえでの業務用無線LAN製品事業の展望をお聞かせください。

中谷:5Gが普及すると、Wi-Fiが不要になるのではないかと言われる方もいますが、それぞれにメリット・デメリットがあるので共存していくものだと考えています。5Gが始まると、むしろ無線自体の利用が広がって、Wi-Fiを含む全体としてのマーケットや需要は広がっていくと思います。5Gでは大容量、低遅延、多台数接続が可能になると言われており、救急車の中から病院に患者の画像を送って診断するといったようなユースケースが出てくると言われています。つまり、Wi-Fiが今まで使えていなかった領域で5Gが伸びていくことも考えられます。ゆえにWi-Fi自体はそれほど影響を受けないのではないかと思います。今も、LTEでやっているけれど、Wi-Fiのほうがよかったねというものがあったりして、両者の最適な棲み分けを選択できているとは言い切れませんし、状況は少しずつ変わっていくのではないでしょうか。その時に弊社が無線マーケットでどのようなポジションを取れるかが重要だと思っています。

  • 中谷社長の写真

大久保:フルノシステムズが掲げる35周年の先の構想や計画、将来展望をお聞かせください。

中谷:無線LANというのは、水や電気と同じように普段は気にすることのないインフラです。また、IoTの普及など、ますます無線LANの需要が拡大します。人々が当たり前のように使っていて、止まったときに初めて不便さを実感しますし、無線LANなしでは仕事や生活が成り立たなくなります。したがって、より安定した製品を出す必要があると思っていますし、さらに、いかに簡単に管理ができるか、あるいは手間をかけずに利用できるかも重要になってきます。これからはそのような部分を満たした製品が選ばれていくと思います。古野電気グループは昨年12月に創立70周年を迎え、2030年に向かってグループ目標を策定しています。そのなかで、我々フルノシステムズとしてどのように展開していくかも定めています。まずは現在の2つの柱の事業は拡大し、さらに新しい事業にも挑戦していく意向ですが、無線を中心とする核は変わりません。「快適無線」をコンセプトに、社会のお役に立てる製品やサービスをご提供していきたいと思っています。

フルノシステムズのご紹介


フルノシステムズは、1984年に、船舶用電子機器では世界最大手の古野電気株式会社のグループ会社として設立。あらゆる産業や公共施設の無線通信の進展を、35年にわたり支え続けている。


株式会社フルノシステムズ http://www.furunosystems.co.jp/

フルノシステムズ35周年サイト https://www.furunosystems35.jp/

フルノシステムズの製品

無線LANアクセスポイント「ACERA」
http://www.furunosystems.co.jp/product/musenlan/index.html

無線LANの導入事例
http://www.furunosystems.co.jp/jirei/

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