はじめての出産は、未経験だからこそ書籍やネットの情報を参考に環境を整える人も多いでしょう。「実家に頼るべき」「子どもを常に優先するべき」様々な情報が溢れる情報社会。でも実際、自分に合った子育ての環境は「自分で気づくもの」なのかもしれません。

今回話を聞いたのは、出産前に 「初産だけど、不安はない」と話していたKさんMさんご夫妻。 今年の8月に元気な女の子を迎えたお二人。予定日よりも1週間お産が早まったそうですが、あらかじめ入院の準備をしていたので入院が決まった際も慌てることはなかったそう。 しかし、そんなお二人でも、「産後最初の3週間はとても辛かった」といいます。

「産後の実家からのサポート」が予想外の展開に……

―今日はよろしくお願いいたします。早速ですが、出産後はどのように過ごされていたのですか?

私の体調が万全ではないことと、夫が働いていることを考慮して、3週間ほど実家に戻りました。でも、ちょうど私が出産した頃、母が体調を崩してしまったんです。それまでは母が「赤ちゃんもあなたのことも面倒みてあげるからね」と言ってくれていたのですが、母自身が病気になったことで、育児のサポートどころではなくなってしまいました。

また、私自身も乳腺炎になってしまい、子どもの世話にも慣れていなかったため、帰省中は心身ともに辛かったですね。

—産前に考えていた環境と随分変わってしまったんですね。期待していたご実家のサポートが得られないとなると、特にどのようなことが大変でしたか。

眠れないことです。子どもが寝つくまで抱っこしていても、布団に置くとまた起きてしまうため、結局ずっと抱っこしていました。

また、産前に収集した情報から「理想の母親」に近づこうと「自分が子どもの面倒を見なくては」と思い込みすぎてしまいました。結果、子どものことが気になって私自身の睡眠が浅くなってしまい、1~2時間くらいしか睡眠がとれない日が続いたと思います。眠れないとメンタルの状態も悪化してしまいますよね。

  • 「母だけでなく父も病気に……」実家には育児を頼める相手がおらず、毎日が辛かったというMさん

—その状態からどうやって抜け出しましたか。

私が「自宅に戻ってきたら」と言ったんです。夏の休暇と有休を使い、子どもの世話ができるよう仕事の調整を行うことができたので。


実家にいるのは辛かったのですが、「昼間に誰もいない環境が不安」という孤独感の怖さから、なかなか実家を出る気になれなかったんです。ネットでも、「実家に頼れる人は頼った方がいい」といった内容を多く目にしていて、迷いもありました。 でも、いざ自宅でパパと2人で子どもの世話をしてみたらそっちの方が楽で、もっと早くこうすればよかったって思いました。寝かしつけなんかはパパの方が上手なんですよ。

お互いに学び合う、初めての子育て

—そうなのですね! Kさんはどのように寝かしつけを行っているのですか?

パパは子どもが起きても構わず様子を見るんです。そうすると子どもがそのまま寝ちゃいます。私は子どもを布団に寝かせた時に起きたらすぐに抱っこしちゃっていたので、構いすぎも良くないと、その時思いました。

―なるほど! それは新たな発見ですね。「赤ちゃんとどう接したらいいか分からなくて怖かった」というような話を他のパパからよく聞く中、Kさんはそういう怖さなどは感じないのですか?

はじめは寝かしつけも怖かったですし、全てのことが下手でしたよ。とくに沐浴は大変でした。ママに教わって初めて沐浴をしたときに「自分がしっかりしないと、子どもに“お風呂って気持ちいいんだ”と思わせることすらできないんだ」と思いましたね。

  • 「子どもの抱っこさえも怖かった」というKさん。今では抱っこもお手のもの

うまくいかなかった時は、後からメールで「こういう理由で泣いてしまったと思うので、次からはここに気をつけます」というように、傾向と対策を書いてくれるんです。それに対して私もこういう方法もあるよと、一緒に考えています。

―それはすごいですね。赤ちゃんに泣かれて、そこで「やっぱり自分には無理」とは思わずにいられるのはどうしてなんですか。

自分はこれまで、努力していろいろなことができるようになってきたんです。最初は人よりも下手なのですが、何度かやっていくと人と同じ位になって、さらに努力することで人よりも少し上手くなっていく。そういった経験もあって、子どもの世話もめげずに努力しています。

育児全般を全力でさらに丁寧に行ってくれるので、安心して任せられます。ほんとによく手伝ってくれるんです。


うーん、今「手伝ってくれる」と言われたのですが、「手伝ってくれる」と言われるのは正直少しショックなんですよ。父親だから、「やるのが当たり前」だと私は思っています。それに今の時代、父親が働いて母親が子どもを面倒みるという時代じゃないと思うんです。

▼家事や育児、他の家族はどうしてる?
家事育児は「できる方がやる!」

―夫婦で一緒に子育てを行っているのですね。しかし仕事をする傍ら子育てを行うのはかなり大変だと思うのですが、子育てを頑張ることができるモチベーションは何なのでしょうか。

子どもが癒しになっているので、子育てがむしろ仕事を頑張るモチベーションになっています。子育てをはじめた当初は、赤ちゃんを抱っこしながらスマホを触る時もありましたが、ある日子どもの顔見たらこっちを見てるんですよ。それ以来、子どもの様々な表情を見ることが楽しみです。

  • この日もKさんが子どもを抱っこ。子どもの顔を覗き込む場面も見受けられた

週末に、パパが子どもを外に連れ出してくれる間、私が自宅で休むこともあるのですが、パパは帰宅すると「今日スーパーで、知らないおばあちゃんに可愛いお子さんですねって言われた! 」と、嬉しそうに報告してくれるんです。子どもとの時間を楽しんでいるんだなと思うと、私も「世話をお願いしちゃって悪いな」と思わずにいられます。

—楽しそうに育児をしてくれると嬉しいですね。しかし、平日はママと子どもで過ごすと思うのですが、ご実家にいるときに心配されていた、孤独感についてはどうですか。

近隣の子育て支援施設などを利用して、いろいろな人と話をしたり、本を読み聞かせしたり、外出して子どもに刺激を与えるようにしています。ずっと外に出ることをためらっていたのですが、子どもの成長とそれに対して自分が何ができるのかを考えた結果、思い切って外に出てみました。すると様々な体験ができ、孤独感も薄れていきましたね。

子どもがしんどいときこそ支えてあげる親になりたい

―外出が子供の成長にもMさんの孤独感の解消にも繋がったのですね。しかし、Kさんも、Mさんも、努力する、頑張るというお話を沢山してくださいますよね。ちょっと意地悪な質問になるんですが、そんなにいろいろ頑張って疲れませんか。

「親って疲れるものなんだ」と思っています。私たちの親もそうやって育ててくれたわけですから。


逆に私は妻が「疲れるもの」と考えてしまっているのがちょっと心配です。子育ても人生もフルマラソンのように長く続けるものだから、ペース配分が大事ですよね。頑張るといっても余裕を残しておくことが大切だと思います。

  • 「子育ては大変なもの」というMさんと、それを心配するKさん。二人の考え方の違いが、お互いを補い合っているのかもしれない

余裕がないと人には優しくできないと思うので、パパの言う通りだと思います。「子どもがしんどいときこそ優しくなれる親」になりたいので。

―その考え方は妊娠中お二人がおっしゃっていた「家族が子どもにとって安心できる場所でありたい」という話に繋がっている気がするのですが、いかがでしょうか。

そうですね。親が子どもを支えることができると、子どもが帰ってきたいと思える家庭になるのかなと。いいことがあっても嫌なことがあっても、早く家族に話したいって思えるようにしたいですね。私自身、実家がそんな場所だったので!

それから、親の考えを押し付けないで子どもの意見をしっかり聞くことも大切だと思っています。そうすることで子どもから信頼される親になれるのではないでしょうか。

  • 「この子のために何ができるだろう」と常に考えているKさんMさん。その想いに応えるように、すくすくと育ってほしい

―やはりお二人の頑張る想いは、理想の家族像に繋がっているのですね。最後にこれから出産を迎えるプレママプレパパに対してアドバイスをお願いします。

私が実家から自宅に場所を変えたら楽になったように、大変だと思ったらやり方を変えてみるというのも大事だと思います。世間一般的に言われる情報よりも、自分自身が「合う」と感じる方法が、正しい育児の方法だと思うので。

出産の時に、陣痛で痛がっている妻に「こうした方がいい」「ああしたほうが良い」と言ってしまったのですが、「痛いよね、大変だよね」と共感することが大事だったんだと今となっては思います。男性のコミニケーションだと解決法を探ることが多いんですが、女性に対しては共感することも大事だとプレパパには伝えたいです。

▼パパになる準備、どうしよう
産前からパパになる意識を高めてもらった!

―お二人ともありがとうございました!

  • 最後は家族でカメラ目線

今回は、「○○するべき」という一般論から抜け出し、お互いに支え合って子育てを行う夫婦にお話を伺いました。「自分達はどのような子育てが向いているのか」子育ての過程で試行錯誤することこそ、それぞれの夫婦に合う子育てができる一歩なのかもしれません。

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