「3DMark」でおおよその性能差を把握したところで、今度は実際のゲームにおいてどのくらいのフレームレート差が出るのかを試してみよう。

まずはエレクトロニック・アーツの「バトルフィールドV」。最高画質まで引き上げた際のGPU負荷はかなり高めで、さらにリアルタイムレイトレーシングにも対応する。リアルタイムレイトレーシングが出始めの頃と比べれば、最近はドライバの最適化などで速度が出るようになったが、それでも最高画質+リアルタイムレイトレーシングの負荷は相当高い。

先にリアルタイムレイトレーシングなしの、DirectX 12でのフレームレートから見ていこう。解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)と4K(3,840×2,160ドット)、画質設定はプリセットの「低」と「最高」で試した。なお、ベンチマークモードを搭載しないタイトルなので、実際にプレイした際のフレームレートを1分間取得し、その平均を算出している。

計測はキャンペーンの北極光の冒頭シーンで、キャラクターが登場しないので計測向きだが、その分フレームレートは高めとなる傾向だ。そのため、通常快適ラインである60fpsより十分余裕を持った数値が出やすい。

  • 「バトルフィールドV」DirectX 12の結果

    「バトルフィールドV」DirectX 12の結果

まず1,920×1,080ドットに関しては、3モデルとも最高画質であっても100fpsを軽く上回っており余裕がある。特に「NEXTGEAR i690GA5」は120fpsを上回っているので、120Hz対応のゲーミング液晶ディスプレイを組み合わせれば、よりスムーズな映像を楽しむことができるだろう。一方で3,840×2,160ドットの最高画質では、最上位の「MASTERPIECE i1640PA3-SMM」が唯一60fpsを上回ることができたくらいに負荷が高い。また、「NEXTGEAR-MICRO im610SA5-SMM」は最低限の30fpsを満たすのでプレイ自体は可能といえるが、多少映像に引っかかりを感じるところはあった。

  • 「バトルフィールドV」DirectX 12 DXR有効の結果

    「バトルフィールドV」DirectX 12 DXR有効の結果

次にリアルタイムレイトレーシングを有効にしてテストしてみたい。ゲームのメニューからオプションのビデオにある「DXR有効」という項目をONにすれば、リアルタイムレイトレーシングの効果を適用できる。今回はそのうえで最高画質と低画質の設定で計測してみた。解像度は1,920×1,080ドットとしている。

1,920×1,080ドット、DXR有効、低画質の設定では、どれも問題のないフレームレートが得られている。1,920×1,080ドット、DXR有効、最高画質の場合は、「NEXTGEAR-MICRO im610SA5-SMM」で60fpsをわずかに上回れた程度。先のDXRオフ時なら「NEXTGEAR-MICRO im610SA5-SMM」は120fps近く出ていたので、フレームレートが半分近くも低下した格好だ。やや負荷の軽いシーンで計測していることを考慮すれば、1,920×1,080ドット、DXR有効、最高画質が問題なくプレイできるのは「NEXTGEAR i690GA5」以上、「MASTERPIECE i1640PA3-SMM」なら余裕を持って楽しめるだろう。

ここでゲームを変えて、スクウェア・エニックスの「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」を試してみたい。最高画質における負荷は先の「バトルフィールドV」よりも高い。こちらのソフトはベンチマークモードを搭載しているので、今回はそれを利用して性能を測ってみたい。

「バトルフィールドV」の結果よりも正確なので、3つのPCの性能差を見るのに適しているだろう。

計測での解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)と4K(3,840×2,160ドット)、画質設定はプリセットの「低」と「最高」とした。このあたりは一応、先の「バトルフィールドV」に合わせている。

  • 「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」DirectX 12の結果

    「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」DirectX 12の結果

DirectX 12時のフレームレートを見ると、まず3,840×2,160ドット、最高画質ではどれも60fpsを満たすには至らなかった。この設定で60fpsを満たせるのは、今回テストしていないGeForce RTXの最上位モデルであるGeForce RTX 2080 Tiくらいではないだろうか。G-TuneのPCはBTOに対応しており、グラフィックスカード(GPU)をより性能の高いものに変更できるので、もっと上を目指そうという方はチャレンジしてほしい。

今回の3つのモデルに標準搭載されているカードでいえば、1,920×1,080ドットの最高画質、3,840×2,160ドットの低画質は十分なフレームレートを得ているので、その中間、2,560×1,440ドットの中~高画質は狙える範囲だ。もちろん、その中でもより高い画質設定を望むならば「MASTERPIECE i1640PA3-SMM」>「NEXTGEAR i690GA5」>「NEXTGEAR-MICRO im610SA5-SMM」の順となる。

  • 「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」DirectX 12 レイトレースシャドウ有効の結果

    「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」DirectX 12 レイトレースシャドウ有効の結果

続いてこちらもリアルタイムレイトレーシングのテストを行ったので見てみたい。厳密にいえば、リアルタイムレイトレーシングも、何に対してレイトレーシング処理を行うのかでいくつか種類があり、「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」の場合はシャドウ(影)の表現に対して用いられている。ここでは、解像度を1,920×1,080ドットとし、画質プリセットを最高と低、レイトレースシャドウクオリティも最高と低の場合に分けて、計測してみた。

1,920×1,080ドットであれば、「NEXTGEAR-MICRO im610SA5-SMM」でも最高画質、レイトレースシャドウ最高で60fpsを超えることができる。もちろん、このフレームレートは平均なので、「NEXTGEAR-MICRO im610SA5-SMM」の場合、最小フレームレート時には60fpsを下回ることもあった。60fps超を常に維持したいならば、やはり「NEXTGEAR i690GA5」以上、「MASTERPIECE i1640PA3-SMM」が理想といえるだろう。