1962年、国立高等専門学校第1期校として設立された長岡工業高等専門学校。次世代技術者の育成に取り組む同校は5つの学科、3つの専攻科で構成されており、長年に渡り各界へ人材を輩出している名門校である。

そんな同校は、将来の社会環境に大きな影響を与えるAI、ディープラーニングに関する新たな方針を決定。それに伴い、今回AI開発用パソコンを新規導入することになり、ユニットコム(パソコン工房)が選ばれたという。さっそくどのような取り組みなのか伺ってみよう。

社会に貢献できる優れた人材を輩出する長岡高専

独立行政法人国立高等専門学校機構 長岡工業高等専門学校(以降、長岡高専)は、新潟県長岡市にキャンパスを持つ高等専門学校だ。

今回お話を伺った、長岡工業高等専門学校 機械工学科 教授 池田 富士雄氏

機械工学科、電気電子システム工学科、電子制御工学科、物質工学科、環境都市工学科の学科と、電子機械システム工学専攻、物質工学専攻、環境都市工学専攻の専攻科を持ち、「人類の未来をきりひらく、感性ゆたかで実践力のある創造的技術者の育成」の教育理念どおり、社会に貢献できる優れた人材を輩出してきた。

「長岡高専の学校としての強みに『何事もまずはやってみる』という文化があると思っています。トライアンドエラーを繰り返しながら、最善の答えを導き出す。それを学生のうちから学べるのは、今後の社会においても重要だと考えています」

そんな同校は、2019年度より、次世代テクノロジーである、AI、IoT、RT(ロボット技術)の各分野を身近に感じられるよう、それぞれの頭文字を取り「AIR Tech」を合言葉に新たな教育プログラムを実施することを決定した。

  • 長岡高専「AIR Tech」の概要

「『AIR Tech』は長岡高専独自の取り組みになります。これらのテクノロジーは5年、10年先にも必須となることが予想できるので、学生達にはなるべく早い段階から学んでほしいということで企画されました。
この先、卒業生たちがエンジニアとして活躍する際に、AIR(空気)のように当たり前に使いこなせるようにする、という目的があります」

長岡高専ではこの取り組みの一環で、キャンパス内に専用の「AIルーム」を設置。そこでAI、ディープラーニングを学べるよう、開発用のパソコンを新規導入することになった。

  • 新規導入された「AIルーム」

1クラス全員が学べる環境づくり

AIR Techはすべての学科を対象にしている。つまり、プログラミングなどを行わない学科の学生も、AIについて学べるのが大きな特徴のひとつだ。

「全学科向けの取り組みですから、まずはAIについて理解し、リテラシーを植え付けるという部分から始めることになります。具体的には顔写真を撮影して、それをAIに学習させ、類似度を割り出させる、といった顔認識技術を実習に取り入れています」

基礎から学ぶことで、将来、自分の得意分野が見つかったときにも、特別に意識することなくAIやディープラーニングの考え方を取り込めるようにするのが狙いなのだ。

「そのためには1クラス40名分のパソコンが必要になります」と池田氏が語るように、まずは予算内で高度な演算がおこなえる、開発用のハイスペックパソコンが40台以上必要になることが要件となった。

そこで多くのベンダーやメーカーが回答を示すなか、注目されたのがユニットコム(パソコン工房)だった。

学生がAIを理解するための“チャレンジ”

「価格や要件を満たしていることはもちろんですが、やはり専用のディープラーニングモデルをすでに持っていたのが大きいですね。
また、企業や大学への導入事例も豊富と聞いていましたので、安心して任せられると考え、今回お願いすることにしました」

ユニットコムが提案したのは、パソコン工房ブランドがラインアップしているディープラーニング専用パソコン「DEEP-M039シリーズ」だ。コンパクトなミニタワー型筐体にIntel Coreプロセッサーと、GPUコンピューティングでは必須となるNVIDIA Geforceを搭載し、NVIDIAのDeeplearnig開発環境が動作検証済のモデルになる。

  • ディープラーニング専用パソコン「DEEP-M039シリーズ(カスタム品)」
    卓上にはIoT実習用のマイコンボードが置かれており、こちらもリテラシー教育で利用されている

  • ※現在は後継モデル「DEEP-M040」シリーズが発売中

「導入にあたり、AI実習を行う環境はローカルで動作させたいと思っていました。クラウドの場合、意図しないバージョンアップや拡張時の柔軟性に不安がありました。また、予算的にも月額払いがそぐわない部分もあります」

そのため、今回のAI実習環境はイントラネット内で構築されている。

「また、リテラシー向上のためのカリキュラムとはいえ、一定のレベルまでは体験してもらいたいので、AIプログラムの動作がコマンドベースで理解できるLinuxをOSにした点もチャレンジでした」

導入したコンピューターのOSにはLinux(Ubuntu)が採用されている。これは教員チームで話し合い、「GUIではなく、あえてコマンドベースでのカリキュラムにしたほうがよい」と決まったのだという。

「コマンドを覚え、自分で入力して結果を出すという過程を見せていくことで、AIの基本がより深く学べます。楽しみながらすべての学生を巻き込んでいけるのがメリットですね」と池田氏はその狙いを語る。

学生ならではの視点がAIをさらに身近に

パソコンの仕様が決まり、準備を終えた長岡高専は、2019年3月、同校のAIルームに44台のAI開発用パソコンを設置完了。同年7月より授業が開始された。教室内のラックにずらりとパソコンが並ぶ様子は実に壮観だ。

「自分たちが使っているパソコンを学生たちに見せたいという思いがあり、このようなレイアウトにしました。
AIルームは長岡高専としても初めての取り組みとなりますので、今回の導入がどのような形で実を結ぶのか、結果が出るのはもう少し後になると思います。ただ、最初の授業を行った感じでは、学生たちの表情はとても明るかったです」

学生たちが行ったのは、犬と猫の画像をインターネット上からランダムに採取し、AIに学習させ、それとは別に用意した画像の対象物が犬か猫か、類似度で判断するという授業だ。

「大抵の学生は動物としての犬や猫の写真を使うのですが、中には某アニメで有名なバス型のネコを認識させようとした学生もいました(笑)」

もちろん、その時点のAIは判断できようもないが、池田氏ら教員は「ではAIが認識できるようにするためには、何を学ばせればよいか」という問いかけに変えていったのだという。

「学生ならではの視点だからこそ、その問いかけができたわけです。私たち大人では考えもつかない題材ですが、こうした視点がこれからは必要になってくるのでしょうね」

これに先んじて、長岡高専は「全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト 2019」で最優秀賞を受賞したチームを輩出している。

「彼らの功績は実に大きく、今回のAIR Techを後押ししてくれたことは確かです。彼らは独学で学んだ上級生ですが、そうしたAIが得意な学生だけでなく、全員にAIを体験して欲しいと思ったのが始まりになっているのです。

まずはみんなに興味を持ってもらうところから始め、やがて彼らのようにもっと学びたいと思ってくれる学生が少しでも増えてくれればよいと考えています。もし高い技術を学ぶことができれば、在学中からベンチャーとして起業する人が出てくるかもしれませんね」
と池田氏は展望を語る。

「日々の授業で40台以上のパソコンを一斉に動かしているので、何かしらトラブルは発生します。やむを得ないことですが、授業に与える影響は最小限にしなければいけません。ユニットコム(パソコン工房)さんは、仮にトラブルがあっても、すぐに対応してくれるのでとてもありがたいですし、ユニットコムさんには、これからも信頼できるサポートをお願いしたいですね」と池田氏は最後に語ってくれた。

ユニットコムは長岡高専のAIR Techへの取り組みを陰で支えるべく、今後もサポートを続けていく。

独立行政法人 国立高等専門学校機構
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