あなたは貴重な美術品を細部までじっくり見たいと思ったことはありませんか?

そんなわけで今回は、「ICOM Kyoto 2019」に出展しているSHARPのブースにやってきました!なんでも貴重な美術品をあたかも目の前で、しかもあらゆる角度から鑑賞しているような感覚を体験できるとの話です。

  • こちらがSHARPのブース「8Kインタラクティブミュージアム」

大画面の70V型8Kタッチディスプレイを活用し、絵画や陶磁器などの美術品、植物や昆虫といった生物の超高精細画像が映し出されています。

  • 8Kは人間の視覚能力で識別できる画素数の限界とも言われる超高精細な映像規格

表示された画像は、拡大・回転も自由自在。緻密な絵画の描写や筆のタッチが実物を見る以上に分かり、本当なら肉眼では目にする機会のない文化財の内側や裏までをじっくりと鑑賞することができるのです。

  • 拡大・回転の様子が分かる当日の動画

なお、これだけの画像を再生し、スムーズに拡大縮小・回転できるのは、SHARPの技術力があってこそ。パソコン本体やグラフィックボードの性能の高さは言うまでもなく、タッチディスプレイを自社で作り、データ処理の方法を工夫することで成し得ています。

そもそもSHARPは、なぜ8K技術を美術分野に活用しようと思ったのでしょうか?ビジネスソリューション事業本部の本山雅さんに聞いてみました。

  • ビジネスソリューション事業本部 ソリューション開発センター ソリューション事業推進部 部長補佐の本山さん

8K×教育に困惑。「8Kインタラクティブミュージアム」誕生秘話

本山さんは、液晶テレビ「AQUOS」の地上デジタルチューナー内蔵モデルの立ち上げにも携わったソフトウェアエンジニア。世の中に8Kを発展・普及させていくSHARPの戦略「8K+5Gエコシステムの一環として、「8K×教育」における新規事業のリーダーに任命されています。


最初は、8K技術を教育に活かすということについてピンと来ませんでした。社内で相談してみても、教育現場で導入してもらうにはコストがネックになるだろう、と。どうしようか困りましたね


そんな中、美術品を8K映像コンテンツとして制作している事例を知ります。

美術館や博物館で展示されている文化財を8K技術で再現し、場所を問わずに鑑賞できるようになれば、教育の姿は様変わりするのではないかと考えたんです


しかし、前途は多難でした。当時、美術館や博物館にいわゆる“コネ”はなく、アプローチは難しい状況だったといいます。

8Kの凄さは言葉では伝えにくく、まず実物を見て実際に体感してもらう必要があったのですが、コンタクトをとる術がありませんでした


誰かの目に留まってさえくれれば……。独自で撮影・制作した昆虫や植物の映像を主に展示し、地道に社内外のフェアに出展を続ける日々。あるとき、光が差しました。

昨年、超スマート社会Society5.0の実現を目指す総合展「CEATEC」で、国立博物館が属する国立文化財機構の文化財活用センターの方から声をかけてもらったのです。この出会いがきっかけで、2020年3月までに東京国立博物館で展示することを目指して共同プロジェクトを始めました。ICOMではその中間成果のものをお見せしています

  • 2018年に開催された「CEATEC」での展示

本山さんは、SHARPが誇る技術力とブランド力を改めて再認識したそうです。3DCGを作るために国宝級の文化財を撮影したくても、そう簡単に許可が下りるわけではありません。8Kという最先端の技術を手がけている実績と長年積み重ねてきた信頼性が、文化財活用センターとの共同研究プロジェクト発足の要因になったと言います。

リアルが生み出す没入感は、妥協ないこだわりの産物

文化財活用センターと東京国立博物館の指導・監修のもと、絵画や重要美術品「大井戸茶碗 銘 有楽」などの文化財を数百枚の写真に収めて3DCGを制作していきましたが、ひとつの作品を作り終えるのに3か月ほどかかったそうです。

撮影自体は1日で終了しましたが、ディスプレイで見た際の”本物感”を追及して、色味や輝きはICOM開催のギリギリまで微調整を続けました

  • こちらがその「大井戸茶碗 銘 有楽」。本物さながらのリアリティがあります

本山さんいわく、作品をディスプレイ上でリアルに表現するには、光の加減が非常に重要なポイントになるとのこと。

どのように光を当てれば美しく見えるのか、東京国立博物館の休館日に見学に伺って観察もしました。あるものをあるように忠実に再現することはもちろん大切ですが、展示物としていかに美しく魅せるかも必要なんだと勉強させていただきました


文化財を直接触ることなんて絶対にできません。けれど、8Kインタラクティブミュージアムで展示されている3DCGにはまるで本物の立体感があり、自由に動かすことで、さも手に取っているかのような感覚を味わえます。

細かいひび割れやこびり付いた土の風合いに感じる歴史の深さ―。リアルが生み出す没入感は、本山さんたちの妥協ないこだわりの産物なのです。

世界中の子どもたちが美術品を鑑賞できるように。挑戦は続く

「今後は、8Kインタラクティブミュージアムを学校や図書館といった教育現場に導入したい」と本山さんはビジョンを語ってくれました。特に地方や海外に対する思いがあふれています。


都会に比べて地方では、美術品に触れる機会が多くありません。鑑賞すれば世界観が広がると思いますので、8Kインタラクティブミュージアムを通して地方や離島、そして海外で暮らす子どもたちにも見てもらいたいですね。8K映像によって子どもたちの興味・関心を引くことができれば、より主体的な学びにもつながります。感動体験を世界中でシェアできるように、みんなで使えるプラットフォーム化を実現したいと思います


高い技術力とブランド力に加えて「チャレンジングな風土」をSHARPの強みに挙げた本山さん。「AQUOS」の地上デジタルチューナー内蔵モデルの立ち上げ時には、他社が複数人で開発しているところ、たったひとりで「字幕機能」を作ったそうです。

SHARPは挑戦させてくれる気運がある会社。最先端の技術で先頭に立って事業を動かす醍醐味があります。少人数でやらなければいけないケースも多く責任は大きいですが、任せてもらえるのはエンジニア冥利に尽きますね


教育に8Kを普及させていこうと取り組むSHARP。学校の教室で8K映像の「モナ・リザ」を鑑賞しながら子どもたちが歴史を学ぶ。そんな未来の鑑賞は、そう遠くない日に現実となるかもしれません。

Photo : hiroshi tokioka

[PR]提供: SHARP