2製品の構成を確認したうえで、ここからはベンチマークで計測し、パフォーマンスを比較していこう。

  • CINEBENCH R20

CPU性能を3Dレンダリングによって計測するのが、CINEBENCH R20ベンチマーク。CPUテストはすべてのコア/スレッドを用いて計算するため、純粋なCPU性能を見るのに適している。あらかじめCPU仕様を紹介しておくと、Ryzen 5 3600は6コア12スレッド、Core i5-9400は6コア6スレッド。同じ6コアでもスレッド数はRyzen 5 3600が2倍ある。

結果、CPUスコアはRyzen 5 3600のほうが1.5倍ほど高かった。ここからわかることは、マルチスレッドに対応したアプリケーションを中心に利用するなら、AMD Ryzen 5 3600搭載モデルのほうがよいだろうという点。3Dレンダリングのほか、動画編集、RAW現像といったアプリケーションもマルチスレッド性能を重視したいアプリケーションだ。

また、CPU(Single Core)はシングルスレッド(1スレッド)時のパフォーマンスを見るテストだ。ここも、ターボ時に若干高クロックなRyzen 5 3600搭載モデルのほうがリードしている。

  • PCMark 10

アプリケーション性能、つまり普段PCを使う際の快適さをアプリケーションの組み合わせでテストするのがPCMark 10だ。PCMark 10のスコアを見ると、総合スコア、3つの個別シナリオ、すべてAMD Ryzen搭載モデルが勝っている。

特に開きが大きかったのはProductivity。ビジネスでのシチュエーションを想定したシナリオで、表計算や文書作成を中心に計測するテストだが、3つのシナリオの中でもCPU性能の影響が表面化しやすい。

  • 3DMark

一方で3D性能となるとCPUよりもGPU、グラフィックスカードの性能が中心になるため性能差は小さいかほとんど変わらないこともある。3DMarkに関しては、例えばSky DiverでAMD Ryzen搭載モデルのリードが大きいが、これはフレームレートが120fpsに近い軽量なテストであることが影響している。GPUへの負荷が低い場合、CPUにより多くの処理がまわってくるため、CPU性能が高いほうがよい。

一方、実際のプレイで求められる設定に近い60fps前後~少し割り込むようなFire Strikeになると、まだAMD Ryzen搭載モデルがリードしているものの、ほとんど誤差の範囲まで縮小してしまう。

  • 3DMark Graphics Score

例えば総合スコアはGPU性能中心のGraphics、CPU性能中心のPhysics、CPU&GPUともに負荷をかけるCombinedと3つのスコアから算出するが、Graphicsスコアのみで比較をすると、例えばFire StrikeではIntel Core搭載モデルのほうが高く、フレームレートでも0.5fpsも差がなかった。

CPUのマルチスレッド性能では、AMD搭載モデルの「LUV MACHINES AG400BN-M2S2」がより高速となったが、2つの製品の消費電力には差があるのだろうか。

  • 消費電力

電源ユニットは出力500Wで80PLUS BRONZEという点で同じだ。あとはメモリやグラフィックスカードなども共通、残るはCPUを中心とした基幹部品の消費電力差ということになる。そこで、アイドル時、CINEBENCH R20 CPUテスト時、3DMark Fire Strike時で消費電力を計測した。

2つを比べると、AMD Ryzen搭載モデルのほうが消費電力が大きい。アイドル時で14.1W、ほぼ負荷がCPUのみのCINEBENCH R20時で31.6W、3D中心にややCPU負荷もかかる3DMarkで20.5Wだった。つまり、ほぼCPUの消費電力差となる。

消費電力の目安になるTDP値を見ると、2つのCPUは同じ65Wだが、CPU負荷がかかる状況で、より高いピーク性能を発揮するAMD Ryzen搭載モデルの方が消費電力が大きい。消費電力の大きさは、わずかだが電気代にも動作音にも現れる。エコ度でいえば、ややIntel Core搭載モデルが勝っているといえるだろう。

人気ゲームタイトルでベンチマークしてみると……

先の3DMarkで、軽量でフレームレートの出るゲーム設定ではCPU性能差が現れると紹介した。その例をいくつか見てみよう。

  • World of Tanks Encore

まず「World of Tanks enCore」。用意されている3つのプリセットを計測した。最低プリセットはグラフィック品質:最低、解像度:1,366×768ドット、アンチエイリアス:なし、というごく軽いテストだ。この最低プリセットでは、3DMarkのSky Diver同様にAMD Ryzen搭載モデルが大きくリードしている。一方、ここでも中プリセット以上は差がつかない。

  • Tom Clancy's Rainbow Six Siege

もうひとつは「Tom Clancy's Rainbow Six Siege」。こちらはFPSでeスポーツタイトルとしても人気があり、ゲーマーには高リフレッシュレートのゲーミングディスプレイと組み合わせ、120fpsの環境でプレイする人も多い。検証では、最高画質、1,920×1,080ドットの場合で120fps前後が得られているが、この場合、どちらも同じ程度のフレームレートだ。つまり、プレイ環境レベルではどちらのCPUのPCも同じ性能が得られる。

  • APEX Legends

軽量な設定というだけではなく、ゲームタイトルによってはCPU負荷の高いものもある。まずは、人気バトルロイヤルゲームの「APEX Legends」。各画質設定を「高」中心に選択した際のフレームレートを2つの解像度(1,920×1,080ドットと2,560×1,440ドット)で測定した。ややAMD Ryzen搭載モデルのほうが高めに出るが、ベンチマークモードを搭載していないため、手動計測となり、平均化してはいるが最大2fps程度の違いで、どちらが優位とはいい切れない。

  • Battlefield V

最後は「Battlefield V」。かなり重いタイトルなので、DirectX 11、低めの画質、低めの解像度でテストしている。こちらも2つのCPUで決定的な差は見られない。GPU負荷が高ければ高いほど、CPU性能差は見えにくくなる。もちろん、GPUに対してあまりにもCPU性能が低いというように、バランスが壊れれば別だが、スタンダードな「5」グレードのCPUではこうした結果になると思えばよい。