Windows 7のサポート期間終了を来年1月に控え、Windows 10への移行が本格的に佳境を迎えている。ここ数年、パソコンの進化は以前ほど劇的に見えないこともあり、「ノートPCなんてどれでも同じだろうし、今使っているノートのOSをそのままアップグレードすればいいか」と思っている人も多いのではないだろうか。

しかし、パソコンを取り巻く環境はここ数年で劇的に進歩を遂げており、様々なコンポーネントが大幅に高速化している。スペックシート上ではあまり差がないように見えても、体感では劇的に性能が向上していることもあるのだ。

そこで今回は、2011年に発売された東芝(現Dynabook株式会社)の「dynabook Qosmio T750/T8B」と、同社が今年4月に発表した「dynabook T7」をピックアップし、パソコンの心臓部である「CPU」の性能を比較してみよう。8年間の間にどれだけパソコンは進化したのだろうか?

8年間の進化を検証する

まず2011年に登場した「dynabook Qosmio T750/T8B」だ。こちらは同時発表モデルの中では最上位に位置する、「ハイスタンダードAVモデル」という位置付けだ。15.6型のHDディスプレイ(1366x768ピクセル)、CPUにはCore iプロセッサシリーズとしては第1世代となるNehalemアーキテクチャを採用したCore i5-480M(2.66GHz、ターボブースト時2.93GHz)が搭載される。デュアルコア(スレッド数は4)で、内蔵GPUはインテルHDグラフィックスが搭載されている。

  • 『Qosmio』大画面のディスプレイとBDドライブなどを搭載し、音響面でもこだわりのある、AV視聴を重視したプレミアムモデルだ

  • 天板は1000層以上のフィルムを重ね、見る角度で青から緑へと色が変わる特殊な処理を施されている

  • 本体向かって左側には、左からVGA、eSATA兼USB 2.0、HDMI、USB 2.0の各ポートが用意されている

  • 向かって左側には左からヘッドフォン、マイク、USB2.0、BDドライブ、USB 2.0ポートがある。このほか正面にはメディアスロットが、背面にはアンテナ入力(地デジ対応)、LAN、電源が並ぶ

一方、最新モデルの「dynabook T7」は、15.6型のフルHDディスプレイ(1920x1080ピクセル)を搭載したプレミアムスタンダードノートPCだ。T9という上位モデルがあるが、違いはSSDの搭載などで、CPU周りなどの仕様はT9もT7も同じ。CPUは第8世代Core iアーキテクチャ「Whiskey Lake」を採用したCore i7−8565U(1.8GHz、ターボブースト時4.6GHz)を搭載。クアッドコア(スレッド数は8)で、内蔵グラフィックはインテルUHDグラフィック630を搭載する。

  • 同じく15.6型で、省スペースなデスクトップ機としても使えるほかホームモバイルにも適しているシリーズ。今時のPCとしては珍しくBDドライブも搭載しており、サウンド面も重視しているため、映像鑑賞にも向いている

  • 最近のトレンドを反映してシンプルにフラットな天板。成型時に金型の中に転写フィルムを挟み込む「成型同時加飾転写工法(IMR)」を採用している

  • 左側面は左から電源、セキュリティスロット、HDMI、USB Type-C(3.1)、USB 3.0ポートが並ぶ

  • 右側面にはマイク/ヘッドホン、USB 3.0x2、BDドライブ、イーサネットポートが用意される。前面にはブリッジメディアスロットを備える

新旧2台を比較すると、同じ15.6インチディスプレイでも、ピクセル数は2倍近くなり、CPUのコア数も倍増しているが、一方でクロック周波数は、ターボブースト時は2倍近いが、標準時はむしろ旧モデルの方が50%近くも高い。CPUの速度はクロック周波数だけで決まるものではないが、性能の指標になるのは事実だ。果たして新世代のCPUは、8年前のCPUと比べて、どれだけ進化しているのだろうか?

ベンチマークテストの差はここまで歴然!

それでは2つのCPUの性能が、実際にどの程度の開きがあるのかを、ベンチマークテストを通じて検証してみよう。まずはCPUの純粋な処理能力を比較するため、CPUを中心としたベンチマークアプリ「GeekBench 4」を使ってみよう。

GeekBenchはマルチプラットフォーム対応のベンチマークアプリで、Windows、Mac、iOS、Androidの各環境に対応。純粋な演算だけでなく画像処理、HTMLのレンダリングといった複数の処理を実行することで、プラットフォームやCPUの違いを超えて性能を比較できる。マルチコアCPUにも対応しており、シングルコア性能とマルチコアでの総合性能の両方を図れる点も便利だ。

早速ベンチマークテストを行ってみた結果が以下のグラフだ。

  • GeekBench 4結果

ご覧の通り、シングルコアの性能で2.6倍弱、マルチコア性能では3.7倍強の差が出た。T7のCPUは、シングルコアですらQosmioのマルチコア性能を1.3倍近くも上回っている。

続いて、実際のアプリケーションの挙動に近いベンチマークとして、3DCGアプリ「Cinema 4D」と同じエンジンを使っている「CineBench R20」を使用して、高度なレンダリング処理をCPUで実行したときの負荷を比較してみたのが以下のグラフだ。

  • CineBench R20結果

こちらもGeekBenchと同様に、T7のシングルコア性能がQosmioのマルチコア性能を上回っており、シングルコア比で約2.6倍、マルチコア比で3.2倍弱と、比率もGeekBenchとほぼ同等なので、2つのベンチマークテストの信頼性は高いと言っていいだろう。

2つのベンチマークテストを見て明らかなように、同じCore iプロセッサでも、世代が違えばこれだけ大きな処理速度の差が出る。こうした差が出るのは、単にCPUのクロック周波数だけでなく、データを読み書きするメモリの速度や、一時的にデータを置いておくキャッシュメモリの量、データの通り道であるバスの速度などが、大幅に拡張されているせいだ。

CPU速度の指標としてはクロック周波数が代表的だが、実際の処理になると、メモリ帯域やキャッシュメモリの量が大きく効いてくる。2つのCPUを比較すると、メモリ帯域の差は2倍、キャッシュメモリ(3次キャッシュ)は2.7倍近くにも達する。これはレンダリングや動画再生など、大きなデータを連続して処理する際に非常に有効なのだ。

また、今回は比較対象としていないが、CPUが内蔵するGPUの性能も大きく進化している。HDMI 1.4やDisplay Port 1.2などの最新インターフェースをサポートし、4Kディスプレイへの接続・表示にも対応。ゲーム用GPUと比較すると3D性能は見劣りするものの、一部の演算をCPUではなくGPUが行う「GPUコンピューティング」にも対応している。全体的な消費電力も抑えられており、最新のWindowsを快適に操作するに十分な性能がある。

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これほど大きな性能差があれば、実際に使用する上でも体感できるはずだ。また、デザイン的にも大幅にリフレッシュされている。特に厚さは大幅に薄くなっておりひと目で、その違いがわかるはずだ。そのほか拡張性なども大きくパワーアップしている。AIの導入や仮想/拡張現実など、さらに複雑化していくコンピューティング環境をより快適にし、高い生産性を維持し続けるためにも、そろそろPC丸ごと乗り換えてみてはいかがだろうか?

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