働き方に対する社会の考えが大きく変わりつつある今、" 社員のモチベーションが中々高まらない" こんな悩みを抱える企業が増加しています。自らの能力がいかんなく発揮できる "やりがい" を仕事に求める人もいれば、子育てや介護と両立ができる " 柔軟な制度" を仕事に求める人もいる――働き方に関する意識や人材の多様化が進んだことで、モチベーションを左右する要因もまた多様化してきているのです。

画一的だった旧来型の制度・マネジメントは、社員 1 人ひとりに寄り添うものへと変わっていかなくてはなりません。日本初のモチベーション専門集団として 1993 年に組織を立ち上げた JTBコミュニケーションデザイン ( 旧、JTBモチベーションズ) は、こうした時代の変化に応じたサービスの下、企業内個人と組織のモチベーション向上やそのためのマネジメントを支援しています。

例えば同社の提供する「ES (Employer Satisfaction) 調査」と「MSQ (『やる気』分析システム : Motivation of Status Quo) 」では、社員 1 人ひとりのモチベーションを左右する要因と、それに影響をおよぼしている組織要素 (上司のマネジメントや制度など) を、見える化して明らかにすることが可能です。2018 年度には、「ES 調査」サービスのレポーティング環境をリニューアル。Power BI を用いた環境へと刷新することで、これまで以上に洞察を得やすく、戦略立案だけでなく現場での戦略実践まで支えることの可能なサービスへと昇華しています。

日本初のワーク・モチベーション専門集団として

JTBコミュニケーションデザインの HRコンサルティングチームは、25年 に亘って、モチベーションをテーマとする新規事業開発・研究開発・商品提供を続けてきたワーク・モチベーション専門集団です。

組織が立ち上がった 1993 年当時、モチベーションという言葉はまだ一般的ではなく、企業側もここを強くは意識していませんでした。年功序列の存在によって、" 同じ会社で働き続ける" ことが多くの労働者にとっての当たり前だったことが 1 つの理由でしょう。

「創立当時は、当社の他に組織モチベーションのコンサルティング サービスは存在しませんでした。だからこそ、当社には、日本初のワーク・モチベーションのコンサルティング専門集団として業界を作ってきた故の強みがあると考えています。」こう語るのは、株式会社JTBコミュニケーションデザイン HRソリューション事業部の大住 俊樹 氏です。大住 氏は、同社の用意する独自フレームワークを挙げてこのように述べます。

「当社のサービスでは "やる気" を左右する要因として 11のモチベータを設定し、各モチベータがどのようにモチベーションとパフォーマンスに影響を及ぼすのかをフレームワーク化しています。単にこうしたフレームワークがあるだけでは、それが本当に有用なのかどうかを証明できないでしょう。しかし、例えば『MSQ』で言えば、私たちは『MSQ』を提供開始した 1996 年以降 1,000 を超える組織でこれを利用いただいてきた実績を有しています。そして、実績の中でフレームワークが、自分自身及び部下のモチベーションのマネジメント上有用であることを示してきました。大学などの研究機関と共同して開発したフレームワーク、そしてこれを適用した豊富な実績、以上の存在が、当社サービスの強みだと考えています」(大住 氏)。

  • 株式会社JTBコミュニケーションデザイン HRソリューション事業部 HRコンサルティング局 チーフコンサルタント 大住 俊樹氏

「ES 調査」をはじめとする同社のサービスは、多くが「MSQ」と同様、独自フレームワークと豊富な実績を有しています。ここで注目すべきは、労働に対する社会の考え方が変化している中、それでもこれらのフレームワークは有用性を維持し続けているということです。

大住 氏によれば、同社のサービス実績を分析した結果、近年モチベータの傾向に変化が生じているといいます。ただ、"モチベータとモチベーション、パフォーマンスの相関関係" には大きな変化が無いとし、「私たちは、年月を経ても色褪せることのない有用なフレームワークを 20 数年前に開発したのだと今になって実感しています。」と自信を見せました。

  • ワーク モチベーション コンサルティングのパイオニアとして、JTBコミュニケーションデザインはあらゆる組織の働き方を支援している。画像は、同社のコーポレートサイト

    ワーク モチベーション コンサルティングのパイオニアとして、JTBコミュニケーションデザインはあらゆる組織の働き方を支援している。画像は、同社のコーポレートサイト

  • 「JTB コミュニケーションデザインの HRコンサルティング局では、「MSQ」や「ES調査」など、多様なサービスを提供している1
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Power BI でレポート基盤を刷新。フレームワークをもったアウトプットを、より適切な形で顧客へ届ける

JTBコミュニケーションデザインが用意するフレームワークは、大住 氏も述べたように、今なお色褪せることの無いものとして同社のサービスを支えています。しかし一方で、これを提供する仕組み・システムについては、まだまだ発展の猶予が残されていました。

1 つ挙げられるのが、調査結果をレポートするその在り方です。従来、「ES 調査」では、調査結果を製本、あるいは静的データである PDF ドキュメントの形式で顧客へ提供してきました。調査結果のドキュメントは場合により 1 案件で数千ページにも達します。調査に関するあらゆる情報がこの中には記されていますが、"何を見れば洞察が得られるのかが分からない" など、活用側の目線では課題があったといいます。

レポート作成を主に担当する株式会社JTBコミュニケーションデザインHRソリューション事業部の大平 祐輔 氏は、顧客がレポートを活用する際の有用性に加えてこの作成に要する工数負荷も深刻化していたとし、次のように述べます。

「レポートは案件ごとでほぼスクラッチに近い形で作成していました。アドイン ツールや Excel マクロを利用することで自動化してきたものの、それでも 1 つのレポート作成に要する時間は極めて膨大です。サービスの特性上、『ES 調査』は年度末に大きな需要が生まれます。社内リソースを理由に、こうした需要期にお客様の依頼をお断りせざるを得ないことがしばしば発生しており、また製本に要するコストも課題となっていました」(大平 氏)。

  • 株式会社JTBコミュニケーションデザイン HRソリューション事業部 HRコンサルティング局 リサーチャー 大平 祐輔氏

この課題を解消するために、 JTBコミュニケーションデザインではマイクロソフトの提供する Power BI を導入。顧客へ調査レポートを提供する在り方を、製本・PDF で提供するという従来の形から Power BI の管理画面で提供するものへと変更しました。

この狙いについて、大平 氏は「レポート作成に要する工数を削減することもそうですが、それだけではなく、お客様にとって調査結果がより有効活用できるにようしたいと考えました。BI ツールを採用して BI の管理権限をお客様へ提供することにより、"お客様がドリル ダウンしながら、独自の角度から洞察が得られる" といった動的なレポート環境を提供することができると考えたのです。社内の工数負荷を削減し、尚且つサービスとしての有用性も高めることができる。BI の導入は、当社サービスの発展において欠かせない選択でした。」と語ります。

世の中には数多くの BI サービスが存在しますが、その中から Power BI を選択したのはどのような理由があったのでしょうか。大平 氏は、先に述べた " 管理権限" に触れ、このように続けます。

「BI を介した形に変えることで、人事部門や経営部門が戦略立案に利用するだけでなく、戦略の実行主体となる事業部門でも調査結果を活用いただく形へと用途が拡大すると推測されます。そこでは、"人事や経営部門は全ての調査結果にアクセスしたい。でも事業部門は全体の統計結果と自部門の調査結果しか見られないようにしたい" といったリクエストを頂くことが容易に予想できます。こうした複雑な権限管理を実現できる仕組みを用意することが、サービス化にあたっては重要だったのです。数ある BI サービスを比較検討しましたが、Power BI はこの観点で最も優れていました」(大住 氏)。

Power BI では、マイクロソフトが提供する認証基盤の Azure Active Directory Premium (AADP) とシームレスに連携することができます。この AADP では、GUI ベースで権限を設定することが可能。案件単位で、ダッシュボードの構築から顧客の権限付与、ダッシュボード環境の提供することができるのです。

  • Power BI を介した仕組みのアーキテクチャ設計。Power BI Premium を利用して案件ごとでダッシュボードを作成し、ここに AADP で権限設定を行い Power BI Service を介して顧客へ閲覧環境を提供する仕組みを採っている

    Power BI を介した仕組みのアーキテクチャ設計。Power BI Premium を利用して案件ごとでダッシュボードを作成し、ここに AADP で権限設定を行い Power BI Service を介して顧客へ閲覧環境を提供する仕組みを採っている

Power BI の導入が、顧客の " 調査結果の活用の在り方" を変える

ここに加えて大住 氏は、マイクロソフトのクラウド サービスをレポート基盤に採用することそれ自体が、サービスの信頼性を向上させることにも繋がるとも述べます。従業員調査では社員 1 人ひとりの働く意識を問うという性質上、回答情報の取り扱いにあたって、高いセキュリティ水準が顧客から求められるといいます。

「当社サービスを利用いただくにあたり、お客様からセキュリティに関する文書提出を求められることは少なくありません。マイクロソフトは ISO 27001 などのセキュリティ認証を取得している他、こうした文書提出時に記載が必要な項目を明確に公表しています。世界的企業であるマイクロソフトというブランドもあり、文書提出を求められてもすぐに対応でき、お客様にも納得いただくことができるのです」(大住 氏)。

実際に、JTBコミュニケーションデザインでは 2019 年 1 月にレポート提供の在り方を刷新して以降、わずか 2 か月で利用ユーザー数を 600 以上増やしています。調査結果がこれまで以上に有用に活用できること、そしてサービス基盤が堅牢な環境で守られていることが、高い支持を得ている理由と言えるでしょう。

  • 2019 年 1 月より「ES調査」の調査レポートは Power BI を利用した形へと刷新された。ユーザー側で "仮説に基づき洞察を得る” “深い分析を行う” といった事ができるようになり、より有用性の高いサービスへと発展した。

    2019 年 1 月より「ES調査」の調査レポートは Power BI を利用した形へと刷新された。ユーザーはダッシュボード上の各項目をクリックしてドリル ダウンしていくだけで直感的に必要な情報へアクセスすることが可能。独自の視点からクロス集計を行うこともできる。ユーザー側で "仮説に基づき洞察を得る” “深い分析を行う” といった事ができるようになり、より有用性の高いサービスへと発展した。

"600 人というのは調査対象の数ではなく、調査結果を閲覧する Power BI Service のユーザー数となります。これまで PDF で提供していた頃と比べて、調査結果を活用する 1 社辺りの人数、部門数は大きく増えています。PowerBI の導入によってお客様の "調査結果の活用の在り方" も発展させることができたのだと感じます"

-大住 俊樹 氏 : HRソリューション事業部
HRコンサルティング局 チーフコンサルタント
株式会社JTBコミュニケーションデザイン

Power BI の導入により、JTBコミュニケーションデザインが提供するサービス価値は大幅に向上したといえます。では、同社内で課題化していた工数負荷についてはどうでしょう。大平 氏は、従来比で 4 割程の工数削減が実現できたとし、その理由をこう述べます。

「これまで何が一番時間を要していたかというと、作成途中で一部入力情報に差し替えがあったりお客様からの要望で設定に変更が生じたりする場合、その都度またイチから集計してデザインして、という作業をせねばならなかった点です。Power BI の場合は元データを一部修正してデータを更新するだけで済むため、従来あった手戻りの煩雑さが解消されました。もちろん、導入当初は Power BI 独自の関数などを学ぶ必要がありました。ですが、Power BI はプログラム レスにダッシュボード構築が可能です。新たにツールを導入する場合にありがちなハードルが低く、マイクロソフトの手厚いサポートもあったおかげですぐに使いこなせるようになりました」(大平 氏)。

マイクロソフトのサービスと支援の下、社員のエンゲージメントを高める仕組みも実装していく

JTBコミュニケーションデザインが進めるサービス提供の仕組み・システムの発展は、レポート基盤の刷新だけに留まりません。同社では今回の成功を受けて、マイクロソフトの各種サービスを活用してさらなるサービス刷新を果たすべく新たな取り組みに着手しています。

大平 氏は、AI 活用をキーワードに挙げてこう述べます。

「私たちは、四半世紀に近い実績で得た膨大なデータを資産として持っています。AI 等を活用すれば、これまで以上に高度な分析を行う、他サービスに無い機能を実装していくことができるでしょう。マイクロソフトはAI に関しても有用なサービスを提供していますから、これを上手く活用し、高いスピード感でサービスを発展させていきたいと考えています」(大平 氏)。

"社会の働き方への意識が驚くべき速度で変化しています。ここに有効なサービ スを早期に提供することは、当社の今後のプレゼンスを大きく左右すると考えています。Power BI の導入にあたっては、マイクロソフトの支援もあり決定からわずか 2 か月で環境を用意できました。今後もこの支援を頂くことで、迅速に、お客様にとって最良のものへと当社サービスを発展させてまいります。"

-大平 祐輔 氏 : HRソリューション事業部
HRコンサルティング局 リサーチャー
株式会社JTBコミュニケーションデザイン

記述の通り、画一的だった旧来型の制度・マネジメントを社員 1 人ひとりに寄り添うものへと変えていくことが、今求められています。社会の変化を見定めて発展を続ける JTBコミュニケーションデザインのサービスは、今後、あらゆる組織のワーク・モチベーションを、あるべき姿へと変えていくことでしょう。

  • 株式会社JTBコミュニケーションデザイン 大住 俊樹氏、大平 祐輔氏

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