鮮やかな緑と、爽やかな香りが魅力の「お茶」。昔から日本で愛飲されている飲み物ですが、実は、シリコンバレーのIT企業では“クリエイティブサポートドリンク”として「集中力をあげる」「気分を切り替えられる」と注目されているそう。

なんとなく「お茶は健康によさそう」というイメージがありますが、具体的にどんな魅力があるのでしょうか。

そんな「お茶」をテーマに、飲料メーカー大手の「伊藤園」が、2019年5月23日「伊藤園健康フォーラム~お茶で人生100年時代を豊かに生きる知恵~」と題したフォーラムを開催しました。忙しい社会人でもすぐに取り入れられる、健康に関するヒントが満載のイベントレポートをお送りします。

「お茶と健康の関係」を研究する伊藤園

このフォーラムは、抹茶を味わうなどの「体験」コーナーと、食品と健康に関する研究を行なっている専門家による基調講演およびパネルディスカッションの「学び」のコーナーで構成されています。実際に体感しながらお茶の魅力を学べる会場に、お茶好きの社会人、医療関係者、伊藤園と協業する企業など450名近くが来場しました。

  • 「お茶」がテーマということで、和服姿で出迎える伊藤園の方も

伊藤園というと、ぺットボトル緑茶のイメージが強いですが、静岡県にある「中央研究所」で、お茶と健康に関する研究も行なっています。これまで、抹茶に含まれているテアニンが認知症に与える影響や、緑茶のカテキンが悪玉コレステロールに与える影響などの研究結果を発表しています。

開会に際し、伊藤園・中央研究所の衣笠所長は「“学びの場”でお茶と健康に関する知恵を取り入れ、“体験の場”でお茶の魅力を体感・体験をしてください。ここで知っていただくお茶をきっかけとして毎日楽しく健康に生きるための“知恵“を、家族や友人の方と共有して、ぜひ生活や仕事の中で活かしてほしいです。そしてこのイベントは、今後、健康と食に関するコミュニティーの場にしていきたいと考えています」と述べました。

  • 伊藤園・中央研究所の衣笠仁所長

  • 同研究所では「緑茶カテキンのコレステロール吸収抑制+LDLコレステロール低下作用」というトクホ緑茶開発のきっかけになる成果など、お茶と健康に関する研究を行なっている

続いて、「健康寿命を延ばすには」「茶道の先生はなぜ若々しいのか」といった、健康が気になる人には興味深いテーマの基調講演が行なわれました。

まずは、東京大学の阿部啓子氏による講演「健康寿命を延ばすには」。

  • 東京大学 名誉教授・大学院農学生命科学研究科 特任教授阿部啓子氏

「現在、高齢化で介護が必要な人の増加が問題になっていますが、健康な状態から急に介護が必要な状態になるのではなく、その間には”虚弱(フレイル)”という介護リスクが高い状態があります。 また、介護が必要となる原因のひとつに、脚や膝などの運動機能が低下する“ロコモティブシンドローム”があります」と阿部氏。

「この“ロコモティブシンドローム”の原因は、脚などの運動器だけではなく、司令塔である脳にあるります。そのため、健康であるためには“脳機能”をいかに保つかも課題となっているのです」と、最新の健康に関するトピックスを紹介。

この“虚弱(フレイル)“や”脳機能“の改善に「機能性食品」が役立つそう。お茶の成分の1つである「テアニン」を摂取したことで、脳の認知機能が改善した実験などを例に出しながら、活用を呼びかけました。

続いて、国立研究開発法人理化学研究所の片岡洋祐氏による「茶道の先生はなぜ若々しいのか」。脳科学に基づき、お茶の成分が脳を保護する効果を解説。さらに、お茶の文化による脳への効果にも言及しました。

  • 国立研究開発法人理化学研究所 生命機能科学研究センター 細胞機能科学センター 細胞機能評価研究チーム チームリーダーの片岡洋祐氏

「健康はさまざまな環境に影響されますが、五感を鍛えるなど、日常生活のなかで生活習慣病を防ぐことができます」と片岡氏。日常生活で取り入れるものの一つに「お茶」をあげました。

「お茶に多量に含まれるカテキンは動脈硬化の予防に、アミノ酸の一種・テアニンには脳の神経細胞死の抑制や再生促進といった効果の可能性があるそう。緑茶による脳の保護効果が認知症の予防につながる」と話し、テアニンを多く含む緑茶末2gを1年間、毎日摂取した結果、脳機能の改善が認められたことを解説した。

「また、お茶そのもの成分の影響だけでなく、お茶を入れるという文化を介して、人とコミュニケーションをとることが若々しさにつながるのです。これが、茶道の先生が若々しいという理由ですね」と片岡氏。

カフェインが多いお茶は水分補給に良い? 悪い?

続いてパネリストに前出の阿部啓子氏、片岡洋祐氏、奈良女子大学教授の鷹股亮氏、茶研究・原事務所株式会社代表の原征彦氏、伊藤園中央研究所長の衣笠仁氏、モデレーターに三菱総合研究所の奥村隆一氏を迎えて、パネルディスカッションが行なわれました。

健康とお茶をテーマに興味深いトピックスが続く中、特に印象に残ったのは「水分補給にお茶が有効」という内容です。その内容を一部抜粋します。


  • 奈良女子大学 生活環境科学科 生活健康学領域 教授の鷹股亮氏

モデレーター:鷹股先生、改めて確認ですが、お茶にはカフェインが含まれています。でも、水分摂取の時にお茶を飲むと、カフェインにより脱水になってしまうという心配はありますか?

鷹股氏:カフェインを400mgとっても利尿作用はないというデータが出ています。このカフェイン量、お茶に換算すると、約2リットルです。お茶でカフェインを摂取することによる利尿作用の心配はほとんどないと考えられます。

モデレーター:なるほど。お茶を飲むと脱水になる、というのは誤解なんですね。

鷹股氏:皆さんよく誤解されているのですが、脱水状態の時にお茶を飲んでも、利尿作用で排出することはないんです。お茶を飲んで尿をした体験のある方もいると思いますが、水分補給をした際、体液の濃さが一定より薄くなった場合、身体は余分な水分を排泄するしくみになっています。これは、水でもお茶でも一緒で、カフェインは関係ありません。水が足りれば、自然に排出されます。


このほか、「水分補給のポイントは、糖や塩分と一緒に摂取すること。食事の時に意識して水分補給するのがいい」という話もありました。

また、伊藤園の研究で、「お茶の成分によって和食のうまみ成分の感じ方がアップする」という紹介もありました。これから暑くなる時期、お茶を飲みながら食事をすれば、水分補給をしつつ、さらに食のうまみもアップし食事が楽しくなるかもしれません。

体験コーナーで知る、お茶のある生活のはじめ方

パネルディスカッションの後は、体験コーナーでおいしいお茶を楽しみました。驚いたことに、抹茶の点て方を指導しているのも、お茶揉みの実演も伊藤園の社員だということ。中には、お茶の木を自宅で栽培している社員も!

お茶への深い愛情と、お茶を楽しむ文化を大切にしたいという伊藤園の心意気を感じる体験コーナーで、中でも印象的だったのは、「普段の生活に抹茶を取り入れるコツ」。

健康効果が期待できる抹茶の摂取量は1日約2g、ティースプーン1杯分程度とのこと。今回は、抹茶を点てて飲みましたが、ヨーグルトやグラノーラなどにかけて摂取する方法も良さそうです。保存は、冷蔵庫に入れれば「約半年もつ」とのこと。一気に使い切らなくてよいのでありがたい! と思いました。

  • 実際に抹茶を点てる体験も!

  • 2gの抹茶の量はこれくらい。ヨーグルトなどにかけて抹茶を楽しむのもいいですね

他にも、これからの季節にうれしい水出し緑茶体験や、ほうじ茶づくり体験コーナーなども。実際にお茶に触れ、説明を受けることで、よりお茶を楽しみたいと思えるコーナーばかりでした。

  • 氷を入れた急須で3分以上抽出するのがオススメ。冷たいと苦みが出ないので、長くおいても大丈夫とのこと

  • 温度と成分の違い。温度が低いと、苦みがおさえられて甘みがでてきます

  • お茶を抽出した茶葉の食べ方も紹介。ポン酢と混ぜた茶葉。軽い苦みがアクセントになり、お茶請けとしてぴったり

  • こちらはほうじ茶のコーナー。静岡から来た「焙煎士」が目の前で焙煎。煎り方によるほうじ茶の解説を受けました。コーナーには香ばしい香りが……

  • お茶を手揉みする実演も行なわれました

  • お茶を飲んでリフレッシュする、マインドフルネスのコーナー。リラックスできそうですね

気軽にとれるお茶を、自分のメンテナンスに活かす

仕事で慌ただしい時に気分転換にお茶を飲む方も多いと思いますが、飲むことで脳の健康効果も期待でき、さらにこれからの暑い時期は水分補給にもちょうどよい、社会人にとっては嬉しい効果ばかりのドリンク。タンブラーに入れて、オフィスや出先で飲む習慣をつけてはいかがでしょうか。長く健康に暮らすために、お茶をセルフメンテナンスのアイテムの1つとして活用していきたいですね。

なお、伊藤園ではお茶の楽しみ方や美味しい入れ方をWebサイト「お茶百科」で提案しています。ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

[PR]提供: 伊藤園