医療機関に医薬品を届ける医薬品卸企業。その日本国内19社が中心となり2012年に設立されたのがエンサイス株式会社だ。世界でも例を見ないビジネスモデルを展開する同社は、医薬品流通情報や院外処方箋の動きを収集・検証し、精度の高いデータを提供している。
同社では、医療に関わるデータの需要が高まるにともない、新たな人材を募集している。本記事では、日本における医薬品業界の未来と、それに立ち向かうために必要な人物像について、エンサイス株式会社代表取締役CEO 木村仁氏にお話を伺った。
日本の医療・介護に必要な
「データ・テクノロジーの活用による生産性向上」
現在の日本における最大の課題、それは少子高齢化にともなう労働生産人口の減少だ。この課題は、医療や介護の現場ではさらに大きく、かつ早急に対応しなければならないものだ。
「これまでの日本経済を成長させてきた大きな要因は、人口が増え続けてきたことにあります。特に医療保険については、人口が増え続けることが前提で組み立てられた仕組みです。人口が減れば、当然ですが財政面でも、関わる人材のリソースも厳しくなります」(木村氏)
医療・介護従事者の労働生産性を向上させる。これは、早急に手をつけなければならない喫緊の課題だ。でなければ日本の医療は立ちゆかなくなってしまう。
「人の手が足りないのなら、テクノロジーを使って生産性を向上させるしかありません。例えばクラウドやモバイルを使い医療事務の効率を上げたり、IoTやAIを利用して一部の業務を自動化したりする。ただし、これらのテクノロジーを活用するには、医薬品流通の情報をはじめ大量のデータが必要となります」(木村氏)
特にAIは、データの量が多ければ多いほど精度も上がり、その能力も向上する。日々大量のデータが生み出される医薬品産業だからこそ、国内19社の医薬品卸企業が持つ情報を収集・分析するエンサイスは、業界内で注目されているのだ。
課題が山積みの医療・介護の世界、だからこそチャレンジできることは多い
2019年4月より適用される「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン(GL)」(*1)では、医療用医薬品の適正使用を確保することを目的として、医薬品販売における「販売情報提供活動」がより厳格になる。
「日本の医薬品は価格の3割が販管費と言われてきました。それが、このガイドラインの適用によって、この部分の予算は大幅な削減を余儀なくされます。では、使えなくなった販管費を何に使うのかというと、より患者さんの健康に役立つような仕組み作りに使われるべき、と私たちは考えています」(木村氏)
(*1)リンク:医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインについて
医薬品卸業界の役割は、その人が必要としている薬を、必要な時に必要な量で正確に届けることにある。そのためには、必要な薬が「いつ、どこに、どれだけ」あるのかがわからなければならない。エンサイスは、そのトラッキング情報をリアルタイムかつ、ほぼ100%のカバー率で保持している。これを分析し活用することができれば、医薬品産業のみならず医療・介護の分野においても生産性を向上させることが可能となるはずだ。
「現在の医療・介護の世界は人材の確保をはじめ、課題が山積みの状況です。これを解決していかなければ、日本の医療や介護の未来はありません。非常に大変な状況ではありますが、言い換えれば課題が明確である分、チャレンジできることもまた山積みであるとも言えるのです。エンサイスは膨大なデータを通して、これらの課題解決の一助となれると考えています」(木村氏)
医療分野の生産性向上の鍵は? エンサイスが求める人材像
自社が保持するビッグデータを活用して「医療・医薬品業界の生産性向上に貢献する」。そのミッションを実現するために、エンサイスでは、「アナリティクス」「データの見える化」の2つの領域で新たな人材を募集している。では具体的に、それぞれの領域について業務の内容を紹介しよう。
●アナリティクス
集められたデータを分析し、課題を解決するための施策を探求する。
ある医薬品の売上が上がった場合、その要因は無数に考えられる。単純に、薬の効果が高いからかもしれない。価格が下がったからかもしれない。もしかしたら、国の制度が変わったからかもしれない。それらの要素も考慮した上で分析を行い、要因を探っていく役目を担う。
●データの見える化
分析によって得られた情報を、人に伝わるようにわかりやすくデザイン・レイアウトをする。
どんなに素晴らしい分析ができたとしても、それが伝わらなければ活用は進まない。人に伝えるためには、デザイン力とともに伝えるストーリーの構成力も必要となる。
なお、この2つの領域で成果を出すには、日本の医療や医薬品流通の現状、そしてそれぞれが持つデータについての知見が欠かせない。しかし医療・医薬品産業の未経験者でも活躍できるよう、エンサイスでは少なくとも入社後1年間は、医療や医薬品について学ぶ機会を設けている。
「医薬品がどのような流れで患者さんに届くのか。医療関係の方々が現場でどのように動き、どのように活躍をしているのか。それらが想像できないと、適切な分析モデルを築くことはできません。医療社会や医薬品産業に関する知識の下地ができて、はじめて強いアナリティクスや見える化が可能となります。新卒や医療以外の業界から志望していただく方は、最初はわからないことばかりで大変なかもしれません。ですが、知見さえ備われば、次にはいろいろなことにチャレンジができるようになります。そのチャレンジが、日本の医療や介護の現場に、明るい未来をもたらすと信じています」(木村氏)
現在、エンサイスではともに働く仲間を募集している。今は医薬品産業ではなくとも、データを通して持続可能な医療社会・医薬品産業の将来にかかわっていきたいと思われる方は、ぜひ採用ページをチェックしてみてはいかがだろうか。
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