広範なキャッシュレスニーズへの対応、次代を見据えた取り組みを加速

野口 :業界のリーディングカンパニーである三菱UFJニコスでは、このような環境の下でどのような取り組みをなされていますか。

井上:足元では、クラウド型決済端末の推進などによるキャッシュレス環境の整備を進めています。決済手段の多様化や昨年6月の改正割賦販売法施行に伴うセキュリティ強化などを背景に、加盟店での安全・安心な決済端末の需要が一層高まっております。こうした需要にお応えするために、新たなPOS連動型専用のクラウド端末の取り扱いを今年1月に開始いたしました。

地方や観光地へのキャッシュレス化の推進では、地域金融機関やフランチャイジー各社さまにご協力いただきながら、デビットカードの受託業務や観光地へのグローバルATMの設置などで支援させていただいております。

また、次代への取り組みも加速させております。昨年5月に三菱UFJフィナンシャル・グループがアカマイ・テクノロジーズ社と共に新型ブロックチェーン開発の発表を行いました。当社はこの開発に構想段階から中心メンバーとして参画しております。これは、IoT時代の決済に対応した「小額決済」や「シェアリング・エコノミー」などの様々な決済シーンを支えるための取引速度と処理容量を備えた新たなペイメントネットワークサービスを目指すものであり、2020年の提供に向け準備を進めております。加えて、昨年8月には、東京大学と当社を含む民間企業4社共同で「次世代個人認証・行動解析技術社会連携講座」を開設し、スマートフォンの位置情報やWi-Fi情報など個人の複数の行動データを組み合わせることで個人認証を行う「ライフスタイル認証」の実用化に向けた取り組みにも注力しております。

いずれも弊社のみならず、ビジネスパートナーさまの協力も得ながら、次代を担うキャッシュレスインフラの整備を進めていくことで、安全・安心、快適なキャッシュレス社会の実現に寄与していきたいと考えております。