なぜ、円形のスマートフォンがなかったのか?

その理由の1つは「円形の液晶ディスプレイを作る難しさ」にあると前編でご紹介しました。しかし、そんな常識を覆したのが、SHARPが開発したデザイン自由自在の液晶「フリーフォームディスプレイ(FFD)。FFD技術があれば、円形スマホが私たちの手元に届くことも、遠くない未来なのかもしれません。

ディスプレイが変わることで私たちの生活はどう変わっていくのか―。
後編では、FFDの開発秘話と可能性について迫ります。

FFDは技術者の遊び心が生んだ産物!?

今回お話をお聞きしたのは、FFD技術の企画段階から携わっている木村知洋さんと結城龍三さん。お二人ともSHARP入社以来、エンジニアとしてディスプレイ開発を手がけてきたエキスパートでもあります。

  • シャープ ディスプレイカンパニー 開発本部 技術企画部 課長の木村さん(左)と主任の結城さん(右)

どうして四角形以外のカタチのディスプレイを開発しようと思ったのか?質問をぶつけてみると、木村さんから意外な答えが返ってきました。

そもそもは異形ディスプレイを作ろうとしていたわけではなかったんです。スマートフォンでの表示部を最大化させるために額縁をできるだけ細くしようとしていた中で「外周部に配置され、画面内の各画素に映像信号を送信するゲートドライバを、画面内に分散させてはどうか」という意見があがりました。この方法論に挑戦したことがFFDの始まりです

  • ゲートドライバ=映像信号を制御する回路

ただ、これには致命的な欠陥もありました。

画面内にゲートドライバを配置するとその回路が表示領域に入り込み、パネルの透過率(光の利用効率)が下がって暗くなります。そのため、過去にも額縁を細くする方法論として似たような発想を思いついた技術者がいたかもしれませんが、画面内への配置は、いわゆる常識としてありえませんでした。当時の上司に相談してみても「狭額縁へのアプローチとして良くないだろう」と(笑)。でも、「おもしろそうだから、やってみれば」と背中を押してもらえたので、チャレンジすることにしました

「おもしろそうだから、やってみる」。SHARPならではの好奇心あふれる前向きな姿勢が、常識を覆すひらめきを呼びました

試算結果はやっぱり暗くなりました。けれど、ある技術者が画面内にゲートドライバを配置したディスプレイを自由にカットしても、つまり四角形ではない異形にしても正常に動くことに気付きました。「これはおもしろい!」となり、異形ディスプレイ開発に本腰を入れるようになりました

なんとFFDは、技術者の遊び心が生んだ産物だったのです。

「画面が暗くなる」との理由で却下されてきた方法論でしたが、こちらは優れた性能を持つIGZO液晶よって見事解決。IGZO技術で作られた液晶は光をたくさん透過させることが可能。画面を暗くすることなく、ゲートドライバの画面内分散配置に成功しました。ここまで半年ほどの短期間でこぎつけたそうです。

画面内に分散配置しなくても、四角形以外のディスプレイを作ることは技術的に可能です。しかし、そのカタチに合わせて外周部にゲートドライバを配置しなくてはならないので、形状が少しでも変われば新たに開発する必要が生じ、コストもかかります。その点、FFDではカタチを問わずカットするだけ。より安価に、よりスピーディーにニーズに応えられるのがFFDの強みです


四角形以外は存在しなったディスプレイの世界。仲間と共に壁を越える

クルクルと回る円形スマホ。デモ機を実際に目にすると、近未来感に興奮を覚えました。結城さんいわく「円形ディスプレイには初めての技術がたくさん詰まっている」のだとか。

  • 円形スマホのデモ動画

円形ディスプレイを作るには、液晶パネルだけではなく、光源のバックライトやタッチパネルをはじめ、何枚も重なったパネルやフィルムのすべてを丸くしなければなりません。しかも、回転角が1度でもずれると映像が乱れるので、円形に円形を重ねるだけでも実は大変で…

これまで四角形が常識だったディスプレイの世界。円形を作るマニュアル自体が無いため、結城さんたちはまさしくゼロから試行錯誤を続けました。

ディスプレイを均一に光らせるのは容易ではありません。学生時代から光学設計を専攻していた私は光源を担当し、いかに綺麗に表示させられるかLEDの並べ方などにも神経を注ぎました。また、タッチパネルやフィルムなどを担当するエンジニアたちも知恵を絞ってくれました

世の中にないものを作るとき、いかんなく発揮されるSHARPの底力。木村さんは「部署の垣根を越えて仲間がアイデアを考えてくれるので、本当に心強いです」と目を細めます。そんな木村さんは、技術者たちの情熱で完成した異形ディスプレイをどう広めていくか、頭を悩ませたそうです。

当時のディスプレイ業界は、斬新さよりも正常に進化した高性能なものが選ばれやすい傾向にありました。異形に対する理解は低かったため、提案活動には苦労しましたね(笑)。一方で、プロダクトデザイナーからの評価は高かったのですが…

ここでも助け船を出してくれたのが、同じSHARPで働く仲間でした。

社内のデザイナーが「グッドデザイン賞」に応募してみることを勧めてくれたんです。すると、4,000件近い応募の中から金賞を受賞。FFDがデザインの価値で認知が拡大し、それから引き合いが増えました

FFDは人と人とのつながりで誕生した技術」と木村さんと結城さんは声を揃えて断言しました。

デザインの制約から解放されたディスプレイをもっと身近に

角が丸みを帯びていたり、カメラ部分だけ切り抜かれていたり、昨今の“異形ディスプレイ”のトレンドを作った自負が木村さんと結城さんにはあります。

  • 異型ディスプレイの先がけとして開発された角丸やカメラ部分が切り抜かれた当時のFFDの開発品(左)と、発売中の商品(右)

現在、車載ディスプレイへのFFD採用も進んでおり、「自動車のインテリアデザインにマッチし、表示面のデッドスペースが無い」と好評を博しているそうです。“異形ディスプレイ”の先駆者として、お二人は「ディスプレイをもっと身近にしたい」と語ってくれました。

  • スピードメーターやナビ、サイドミラー機能なども兼ねる車載ディスプレイ

SHARPは「人に寄り添う」IoT企業を目指しています。例えば、身体の形状に沿った人にやさしいFFD形状は、服や腕時計などと同じように違和感なく人の身体や生活になじむのではないでしょうか

  • FFDならフォルムにそった曲面形状にも対応するため、身体にフィットするディスプレイも実現可能

ディスプレイに穴を開けて指を通せるようになればタブレットも持ち運びやすくなるので、レストランや医療現場などでも重宝されそうです。それぞれの環境に合わせた形状のディスプレイを普及させていきたいですね

また、円形が秘める可能性についても力を込めます。

円形ディスプレイでUIも変えていけると考えています。人は四角いと押しにいってしまいますが、円形だと直感的に回したり撫でたりするものです。例えば自動車の場合、円形ディスプレイを回すことでオーディオの音量やエアコンの温度調整が可能になれば、タッチパネルの特定箇所をタッチするより運転時の安全性はより高まるように思います

  • 画面を凝視することなく直感的な操作が期待できます

これからロボットの活躍が期待される中で、その表情は四角より丸い方が親しみを持てますよね。実際、FacebookやTwitter、LINEなどのSNSのアイコン表示は円形になっています。医療や介護、教育などのロボットが人と関わる分野においても円形ディスプレイは大いに貢献できるのはないでしょうか

  • こちらは楕円形のFFD。丸みがあることで親しみや温かさを感じます

常識を覆したのは、まだ見ぬ世界をおもしろがる好奇心

FFDの企画開発を振り返った木村さんは「制約があるからこそ、おもしろい」という思いを深めたそうです。

お客さまに届ける最終コストを抑えるためには時間や予算の制約はつきものです。でも、そんな制約があるからこそ生まれるアイデアもありますし、四苦八苦している姿を見て助けてくれる仲間も現れます

そして、結城さんは「SHARPの組織力を実感した」と言います。

優秀な人が多く、困ったときには知恵や力を貸してくれます。刺激を受けながら成長できる会社なんだと改めて感じました

ディスプレイの常識を覆した、まだ見ぬ世界をおもしろがる技術者たちの飽くなき好奇心。円形スマホを皮切りに、もう数年後には私たちをあっと驚かせるカタチのディスプレイが登場することでしょう。


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