新聞折り込みやフリーペーパー、Webサイトなどの自社メディアを通して、求人・求職を支援する総合人材情報サービス企業、株式会社アイデム。同社では、昨年2019年1月に「Salesforce」が推奨する新しいプラットフォーム「Lightning Experience(以下、Lightning)」にユーザーインターフェースを完全移行した。Salesforceをデータ収集のツールから、生産性を向上させるアプリケーションへ進化させるためだ。既に全国の営業部門約600名がLightningを使用しているが、使い慣れたUIを変更するには、それなりの苦労を伴った。この移行プロジェクトで重要な役割を持っていたのが、同時期に利用を開始したグループウェアの「mitoco」だ。

同社営業部の東日本事業本部 インサイドセールスグループ マネージャー 鵜沢 英介氏と、同本部 Webメディア管理グループ 大木 友彦氏に、mitocoを導入した理由や、僅か2か月間でLightningとmitocoを利用させるに至った経緯を聞いた。

顧客にかける時間を確保するためにSalesforceを採用

株式会社アイデム 東日本事業本部 インサイドセールスグループ マネージャー 鵜沢 英介氏

株式会社アイデム 東日本事業本部 インサイドセールスグループ マネージャー 鵜沢 英介氏

昨今の人手不足によって、同社の求人広告への需要は伸びを見せている。特に伸び率が著しいWebサービスにおいては、自社商品だけでなく多種多様なメニュー・プランが誕生し続けているため、営業スタッフは担当する顧客企業のための最適なプラン作りに今まで以上に時間がかかる状況となっていた。アイデムでは、1企業に対して1人の営業スタッフを固定することで、顧客とのコミュニケーションを重視し、顧客に寄り添った提案を行っている。

「『枠売り』だった紙媒体の営業に比べ、Webサービスでは商品メニューも多く、お客様との商談や提案書の作成には多くの専門性を要します。このため、1人の営業スタッフだけではなく、マネージャーやWeb販売に特化した専門スタッフなどと、効率的に資料や情報を共有し、複数人で対応していく必要が出てきたのです」(鵜沢氏)

同社では、原則的に朝・夕に必ず会社に立ち寄ることになっているが、日中は当然不在が多い。そのような中でも営業力強化のために、10人超が所属する営業チームのチームミーティングを重視し、Salesforceに組み込まれたスケジュールをカスタマイズして効率的にスケジュール調整をしていた。

Lightning Experience移行で見えてきた課題の解決にmitocoを選定

実はアイデムでは、一度Lightning移行を試みたものの本格的な移行に踏み切れなかった経験がある。Lightning移行計画を進める中で課題となったのが、スケジュール機能の仕様変更だ。

「Lightningの試行期間中は旧インターフェースである『Classic』と併用していたこともあり、現場から新しいUIについて『見やすい』といった好意的な意見も出ていました。 しかし、スケジュール機能においては、従来の方法に慣れていたせいか、関係者を会議に招集するまでの時間が逆に増えてしまったのです」(鵜沢氏)

限られた時間を縫ってスケジュールを調整する現場としては、チームや別部署との会議、顧客への訪問日時の調整などは、これまでと同様の機能を利用する必要があったのだ。

「そのため、まずは今までやっていたことを、Lightningでも利用できるようにする必要がありました。ベンダーに依頼してSalesforceの機能を追加開発することも検討しましたが、また何か仕様変更があった場合には開発コストがかかってしまうため、Salesforceと連携できるツールを探すことにしたのです」(鵜沢氏)

グループウェアやスケジューラーの候補となるツールはいくつかあったが、その中から同社が選んだのがmitocoだった。mitocoは「カレンダー」以外にも、「掲示板」「トーク」「ToDo」「文書管理」など多彩な機能を搭載していることから、開発元の株式会社テラスカイでは「コミュニケーション・プラットフォーム」と位置づけている。

また、Salesforceを基盤に開発しているため、Salesforceとのデータ連携を柔軟に行えるのも特長だ。選定にあたってはmitocoの機能の豊富さと、スタッフの顔写真を載せるといった視認性の高さなど、旧UI以上の機能が決め手となったという。

テスト運用で現場スタッフの意見を吸い上げ、改良要望はテラスカイが対応

一度とん挫しかけたLightningへの移行だが、カレンダーはmitocoを利用するという前提のもと、再度プロジェクトを開始した。mitocoのインストールは大木氏が行い、2018年11月にはスタッフ20人ほどを対象にmitocoのアカウントを発行してテスト運用を実施した。この20人は、所属する営業所はばらばらだが、営業あるいは営業マネージャーという立場から意見を出してもらうために、東日本事業本部が集めたプロジェクトチームのメンバーだ。

「とにかく実際の現場で使ってもらって、使いにくい点や要望をあげてもらいました」(鵜沢氏)

そして同氏は、その要望の一つとしてあがってきた、「他のスタッフのスケジュール表示に“時間”だけでなく“訪問先”も見られるようする」といった内容をテラスカイに提示。

「営業スタッフがどこの顧客を訪問しているか、といった情報は特にチームを管理する立場にとっては重要です。2018年11月にこの要望を出したところ、2019年1月のバージョンアップで反映されました」(鵜沢氏)

株式会社アイデム 東日本事業本部 Webメディア管理グループ 大木 友彦氏

株式会社アイデム 東日本事業本部 Webメディア管理グループ 大木 友彦氏

「このようなバージョンアップや、きめ細かいサポートを受けられることが、mitocoの利点でもあります。質問を投げると、サポートからは直ぐに回答が得られましたし、更に営業担当者から補足をいただくこともありました。おかげで内製によるカスタマイズもスムーズに行うことができました」(大木氏)

テラスカイによると、mitocoでは、年に3回バージョンアップを行い、ユーザーのニーズに合わせた改善を行っている。今回の要望については、アイデム以外のユーザー企業からも要望があったことから、早く実現ができたという。

約1か月のテスト運用でこうしたニーズの吸い上げや画面修正などを行い、12月には全営業スタッフおよび営業アシスタントにmitocoのアカウントを付与。1月末にはClassic併用から完全に「Lightning + mitoco」の運用体制に切り替えたが、大きな混乱や社内からの不満の声は上がらなかったという。

「移行期間中には、とにかく使ってほしいとアピールしました。Classicのカレンダーに慣れていたスタッフも、実際にmitocoを触ってみると、その使い勝手の良さを分かってくれ、浸透させるのにあまり苦労はしませんでした。また『mitocoでこんなことができた』というコメントを掲示板に投稿してくれるスタッフが出てくるなど、利用者自らが積極的に声をあげてくれたことも、浸透に結びついたのだと思います」(鵜沢氏)

  • カレンダー画面

    mitocoカレンダー画面

続けて大木氏は、「ビューやスケジュールの作り方のような基本的な操作はマニュアルにして、mitocoの掲示板に載せています。またテラスカイのブログ(※)には操作方法や活用方法など、いろいろと重要な情報が掲載されているので、それを掲示板で紹介するという方法も採りました」と言う。

バックオフィスまで含めた“1対ALL”の営業実現へ

現在では「カレンダー」だけでなく、幅広く情報共有ができる「掲示板」、話題を限定できる「トーク」など、幅広くmitocoを活用しているという同社だが、最後にmitoco導入の効果と展望を、鵜沢氏は次のように語る。

「当社の営業は、基本的にお客様1社に対し担当するスタッフは1名、つまり“1対1”の構造です。mitocoの『カレンダー』により、営業会議や複数社員との客先訪問といった調整が捗るようになりました。さらに『掲示板』や『トーク』で簡単にスタッフ間のコミュニケーションが取れるようになり、バックオフィスのスタッフまで含めた“1対ALL”のお客様対応が、タイムリーにできるようになりました。今後はLightning + mitocoでさらに営業活動を効率化させて、お客様との接点を増やし、売上アップにもつなげていきたいと考えています」

  • 鵜沢 英介氏(左)大木 友彦氏(右)

※TerraSky Base:https://base.terrasky.co.jp/category/services

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