PCの「メモリ」を選ぶときにコストを優先して「できるだけ安く」済ませていないだろうか。価格を重視する考え方にも一理あるが、メモリにこだわることでPCはもっと個性的になるし性能もアップする。

今回はメモリの重要性についてシリコンパワーのゲーミングメモリ「XPOWER Turbine RGB」で紹介していこう。

これを読めば、一つ上のメモリを買ってみようかな、メモリを交換してみようかなと思えるようになるかもしれない。

まず少しシリコンパワーについて説明しておこう

シリコンパワーと言えば、メモリモジュール、USBフラッシュメモリ、SSDなどを手がける台湾メーカーで、製造量、出荷数とも、有数のメーカーだ。同社の取扱製品の中でもスタンダードなメモリモジュールは、売れ筋ランキング上位の常連。そのほかの製品も、お求めやすい価格でユーザーに優しいメーカーという印象があるだろう。



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XPOWER Turbine RGBは性能も見た目もアップしてくれる特別なメモリ

最初にPCパーツにおけるメモリの役割りを説明しておこう。メモリ選びにおいてポイントとなるのが容量と動作クロックだ。乱暴にまとめてしまうと容量はデータを格納できるスペースの広さ、動作クロックはメモリが動作するスピードを表している。

多くの方は、容量をより重視しているだろう。よく言われるとおり、使用するアプリケーションに対してメモリ容量が足りないと、PCの性能が低下する。

▼メモリ容量

一般的にメモリのデータ転送速度は、SSDやHDDに対してかなり高速だ。Windowsではメモリからあふれたデータは、SSDやHDDを一時的な仮置き場とする。すると例えばCPUがSSDやHDDに仮置きされたデータを読み込む場合、メモリのそれと比べるとかなり遅くなってしまう。ここがシステム全体のボトルネックとなることが多い。そのためデータがあふれないようにメモリ容量に十分な余裕があるといいだろう。

▼動作クロック
動作クロックは、メモリが動作するスピード。この数字が大きいほど、より早くデータが転送できるというわけだが、前述したとおり、メモリの転送速度は、SSDやHDDと比べてかなり早いので、一般的な速度のメモリを使っていても動作が遅くなるというわけではない。

しかし、非常に高いクロックのメモリを使うと、CPUの性能をより引き出すことができる。CPUがサポートするクロックを超えて動作するメモリは、オーバークロックメモリ(※以下OCメモリ)とも呼ばれている。

OCメモリ? ゲーミングメモリ? ってなに?

現行のIntel CPUはDDR4-2666、AMD CPUはDDR4-2933に対応している。この「DDR4」はメモリの規格、後ろの数字は動作クロックを表す。DDR4-2666といった場合、DRAMチップレベルで2666MHz動作を標準でサポートしている。

この標準のクロック以上で動作するのがOCメモリなのだが、どうやって高クロックを実現するのか。それは高クロックで動作するチップを選んで使っているからだ。激安焼き肉店と高級焼き肉店とでは提供している肉の品質が違うように、高い基準で選ばれたチップを使用しているOCメモリの方が一般的なメモリより高品質なのは間違いない。

今回紹介するXPOWER Turbine RGBは、シリコンパワーのメモリの中では、ゲームを意識した「XPOWER Gaming」としてブランディングされている特別なモデルだ。今回テストした「XPOWER Turbine RGB」の型番「SP016GXLZU320BDB」モデルはDDR4-3200なので、3200MHzで動作する。

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    XPOWER Turbine RGBの製品パッケージ
    ここで紹介する型番「SP016GXLZU320BDB」は8GB×2枚(計16GB)セットの製品だ
    ※製品パッケージにはデュアルパック型番としてSP016GXLZU320BDBと記載されているが、
    製品本体にはシングル型番のSP008GXLZU320BSBが記載されている

  • 動作クロックはパッケージにも記載されているが、モジュール上にもシールで記載されている。

ゲーミングメモリは、ゲーミングPCをオーバークロックするのに最適なOCメモリで、熱分散に優れたヒートシンクを備えている。もちろん、OC対応マザーボードを備えたPCのカスタマイズにもおすすめだ。

XPOWER Turbine RGBはOCメモリとしての高い性能は当然だが、放熱性に優れたヒートシンクの造形と発光が美しいLED機能の2点がゲーミングメモリとしてのポイントになる。搭載されたLEDは発光色を変更できる。どのように切り換えるかというと、マザーボード側のユーティリティを用いる。

  • 黒い基板とグレーのヒートシンクで、最近の黒いゲーミングマザーボードにぴったり。LEDバーもありPC使用中はLEDの発光も楽しめる

自作PCにおける主要なマザーボードメーカーと言うと、ASRock、ASUS、GIGABYTE、MSIと複数あるが、この4メーカーのユーティリティならどれも対応しているとのことだ。ちなみに、LEDは一つではなく乳白色のバーの中にずらりと並んでいて、一つ一つ異なる色で光らせることもできる。

光り方①

光り方②

ゲーミングメモリ最大の特徴 七色のハデな発光で、インパクトはバッチリ

ではASRock製マザーボード「Z390 Taichi」に挿して光り方の一例を紹介しよう。

まず、マザーボードのユーティリティをインストールしていない状態では、メモリ内にプリセットされたパターンで光る。七色のかなりハデな発光で、インパクトはバッチリだ。

Windows上からASRockマザーボード用のLEDユーティリティ「Polychrome Sync」をインストールし起動すると、LED発光色やパターンが設定可能になる。もちろん問題なく認識された。Polychrome Syncには2つのタブ、Onboard LEDとComponentがあるが、SP008GXLZU320BSBはComponent側で認識されていた。

画面上にDRAMのアイコンがあるが、そこが白く表示されていれば認識されている証拠だ。マザーボード上のLEDと動機させるためには「Syncronize」をクリックしてONにしておく。あとは画面上右にあるカラーホイールやスライダーをグリグリ動かして好みの色を選ぼう。なお、カラーホイールの下のスライドスイッチはLEDのON/OFF、さらに下のStyleは点滅など発光パターンの指定だ。

さて、次からは実践編として、OCメモリを使える条件、メモリの挿し方、設定の仕方を紹介していこう。