2020年のオリンピックに新種目として追加されるスポーツクライミング。施設も多く、初心者でも挑戦しやすいスポーツだ。

そしてこのスポーツクライミング、オリンピックのスポンサーでもある航空会社の日本航空(JAL)が、オフィシャルスポンサーとして競技の普及発展に向けサポートしていることをご存知だろうか。

始めやすいとは言っても、初挑戦でどのくらい登れるものなのだろうか? またなぜJALがスポーツクライミングをサポートしているのか? 今回、ライターのmegayaさんに、実際に初めてチャレンジしてもらいつつ、その理由を探ってもらった。

ルールや楽しみ方を知れば、2020年のオリンピック観戦がちょっと楽しくなるかも!?


こんにちは。スポーツクライミング経験は無い、ライターのmegayaです。

  • 今回スポーツクライミングに初挑戦する

2020年のオリンピックにスポーツクライミングが正式競技種目として採用される。この話を最初に聞いたときにまず「スポーツクライミングでどう勝負するのだろうか?」という疑問が沸いた。

スポーツクライミングと聞いて、身近なところではボルダリングが思い浮かぶが、ボルダリングは「仲間内でワイワイやるレジャー」的なイメージが僕にはあったからだ。SNSなどで「会社帰りに友達とボルダリングやってきました」というキラキラした人たちの写真が頭に浮かぶ。

そもそもなのであるが、オリンピックで採用される「スポーツクライミング」とは、ボルダリング・スピードクライミング・リードクライミングの3つの種目の総合点で競う種目だという。

それすら知らない僕・megayaだが、JALがオリンピックやスポーツクライミングの支援をしていると聞いて、人生初のスポーツクライミングにチャレンジすることになった。

小田先生、宜しくお願いします!

今回チャレンジするにあたり、教えてくれるのはROCKY新宿曙橋店スタッフであり、元日本代表選手の小田桃花さんだ。

▼小田桃花さん
1994年生まれ。7歳のときにボルダリングに出会い、高校生から本格的に競技として取り組み始める。18歳でワールドカップのリード部門にて日本人女性初の優勝を果たす。2015年に競技から離れるが、そのあと復帰し、今なお大会に出場している。現在はボルダリングジム「ロッキー」のスタッフとして勤務。

2010年 ワールドカップ(ボルダリング) 2位
2012年 ワールドカップ(リード) 1位
2013年 ワールドカップ年間(リード) 3位
2014年 ワールドカップ(オーバーオール) 3位
リードジャパンカップ 優勝 4回
ボルダリングジャパンカップ 準優勝 5回

初めてのスポーツクライミング体験で、いきなり世界大会優勝経験者に教えてもらえるなんて贅沢な機会だ。

小田さんは外見も声もかわいらしく、表参道あたりのカフェで働いてそうな雰囲気なのだが、クライミングの成績はまったくかわいいものじゃない。豪傑と呼ぶにふさわしい。鬼神がウサギの皮をかぶっているみたいなものだ。

また、今回はJAL宣伝部の佐々木さんにも来てもらい、JALのスポーツクライミングやオリンピックに関する取り組みについても話を聞いた。

  • JALでオリンピックやスポーツの支援を行っている佐々木さん

JAL宣伝部の佐々木さんはスポーツクライミングを担当しており、前日にも仕事としてクライミングの大会に行っているという。どっぷりスポーツクライミングのサポートに関わっている人なのだ。

  • 佐々木さんはスマホケースすらクライミング柄だ。ちなみこのケースはJALオリジナルの非売品

小田さん、佐々木さん、今日はよろしくお願いします!
初めて体験するのでわからないことだらけなんですけど、やっぱりスポーツクライミングって運動神経が大事なんですか?


それほど必要ないと思います! 実は私も運動神経は良くないほうで、クライミング以外はまったくできないくらいです……!


スポーツクライミングは誰でも気軽にできる競技なんですよね。JALでもスポーツクライミングが体験できるイベントを行っていますが、幅広い年齢の方がチャレンジされています。また、「登る」「壁を乗り越える」ことは、JALが目指す企業の姿勢とも近しい考え方なんです。


佐々木さんが言う通り、お子さんでもお年寄りの方でもできるスポーツですね。私がスポーツクライミングを始めたのは7歳の頃なのですが、その理由も、家の近くで体験教室をやっているときに「木登り好きだしやってみようかな」と思ったからなんです(笑)


ほんわかした見た目と違って、始めた理由は野生児っぽい……!


スポーツクライミングのルールは?

  • スポーツクライミングのジムに初めて来たのだけれど、色とりどりの壁を見ただけでテンションがあがってくる。インスタ映えしそう。写真を撮ってSNSにあげたくなる気持ちもわかる

まず基本的なルールから小田さんに教えてもらった。

スポーツクライミングのルールは基本的に同じ色と同じ形のテープが貼られたホールド(突起物)だけを掴んで登っていきます。足で踏むのも、同じ色のホールドだけです。

ただ、ジムによってルールが変わることもあります。

  • 「S(スタート)」と書かれたテープのホールドからスタートして、そこから「G(ゴール)」のテープのホールドを掴んだらクリアとなる

  • テープの色によって難易度が変わる。ちなみに難易度が一番高い黒色をクリアするのはプロでも難しいらしい

これって、下から順番に掴んでいくルールですか?


自由に進んでいって大丈夫ですよ! スポーツクライミングは基本的に自由で、一気に飛ばしてゴールまでジャンプしてもいいんです。人によって進み方が違うから、自分に合ったやり方を見つけていくのもスポーツクライミングの楽しさの一つだと思います!


  • 両手両足をホールドにかけ、床から足を離したらスタートだ

やってみてすぐにわかったのだけれど、石を掴んで全体重を支えることになるので腕と指に思った以上に負荷がかかる。腕がすぐにパンパンになる……!!

しかし……余裕のクリア!!

思ったよりも簡単にスルスルと登っていくことができた。もしかして自分にはスポーツクライミングの才能があるんじゃないだろうか? と勘違いするくらいだ。

登っているときは、ジャングルジムとか登り棒とか昔に遊具で遊んでいた頃を思い出した。大人のアスレチックって感じで楽しい……!

  • スポーツクライミングでは登っている人に向けて「ガンバ!」や「ナイス!」というかけ声をよく使う

登り始めるときに小田さんが「ガンバ!」と声をかけてくれるのだけれど、これがものすごくやる気がでる。部活のマネージャーに応援されているような感覚だ。

大人になってからこんなに応援されながら何かに挑戦することなんてなかなかないから、心地いい緊張感もある。

すいません…喜んでるところ申し訳ないんですけど、ここまでは小学生でもクリアできるコースなんです……。


喜んでいたのが、ただただ恥ずかしい……。


ボルダリング・リード・スピードクライミングの違い

  • 登りながら取材に余裕で答える小田さん。この細い身体のどこにパワーがあるのか不思議だ

冒頭でも書いたが、オリンピックに追加されるのは「ボルダリング」「リード」「スピードクライミング」という3つの競技だ。オリンピックではこれら3つの競技を1人で行い、それらの総合で勝敗を決める。競技ごとの違いを聞いてみた。

「スピードクライミング」はルールも単純で、見ていて一番わかりやすいかもしれません。コースが決まっている壁を登る速度を競うので、陸上の100m走に近いと思います。オリンピックでも盛り上がりそうですね!


「ボルダリング」は、ルール上は何回でも挑戦できますが、実際の試合ではほぼ一回勝負に近い競技です。


コースが難しい「ボルダリング」は、一回登るだけでかなりの体力と筋力を消耗します。だから一回にすべてをかける気持ちで挑戦するんです。


たしかに今日やってみて、一回でかなり腕がパンパンになることがわかったので納得です。何十回も挑戦できる気がしないですね……! あと、「リードクライミング」はどう違うんですか?


「リードクライミング」は、持久力が必要になります。一般的なボルダリングの壁(5m程度)の3倍の高さ、つまり15mの壁を登るんです。


  • この壁の約3倍の高さを登る。高さ15mと言えば奈良の大仏くらいの高さだ

それから大会だと、ボルダリングは自分が登るときまでコースを見ることができないんです。登るルートを瞬時に頭の中で組み立てて、どこで体力を使うかで考えるんです。クライミングはそこが難しいけれど、おもしろい点でもあります!


それぞれの競技の違いはなんとなくわかったんですけど、「リード=長距離走」「ボルダリング=中距離走」「スピードクライミング=短距離走」をオリンピックだと一人ですべてやるんですよね? 使う筋力も違うし相当に過酷じゃないですか?


そうなんですよ、だからオリンピックの競技が発表されたとき、「全部一人でやるの?」って驚きました。私はリードクライミングを主にやってきていましたが、今まで選手ごとに得意な競技の大会に出場していたものが、オリンピックは3種目全部をするので、相当努力が必要だし、総合的に能力が高い人たちなんですよ。



JALの「中の人」に聞いたスポーツを支援する理由

オリンピックで言えば、JALもスポンサーとして関わっていますが、どういった取り組みをしているんですか? 航空会社とスポーツって、直接関係がなさそうですが……。


わかりやすいところだと、航空会社ができる一番の支援は選手の移動がスムーズにできるようにサポートすることですね。旅費の面はもちろん、試合やトレーニングに影響がでないように機内ではできるだけリラックスいただき、快適に移動してもらいたいと考えています。


たしかにスポーツ選手って海外や国内を飛び回るので飛行機はたくさん乗りますよね。


東京2020大会のオフィシャルスポンサーなので、スポーツクライミングをはじめ、まだ馴染みのないスポーツを盛り上げて普及していくことに貢献していきたいという想いもあります。


  • ボルダリング国内最高峰の大会「ボルダリングジャパンカップ」のスポンサードも行っている

またJALでは2020年に向けて「Fly for it! 一緒ならもっと飛べる」というスローガンを掲げて、スポーツ選手だけでなく、挑戦する人みんなを応援する取り組みもしています。「目標に向かって進む」という意味がある「Go for it」にJALらしさを取り入れた造語です。2020年にはオリンピックという節目があるので、そこに向かって新しいことに挑戦したいと思う空気が作れたらいいなと考えています。


たしかに2020年にオリンピックってちょうどいい節目ですね。実際に、JALとして挑戦されていることってありますか?


2020年を目標にみんなで一緒に何かを創っていきたいという想いがあるので、最近だと2020年4月にリニューアルする客室乗務員の制服デザインに関する意見を募集しました。1か月弱の応募期間で、5万通以上の熱いメッセージをいただいて驚きました。今後もこういった取り組みを通して、新しいことにチャレンジしたい人を応援して、一緒にオリンピックに向かって盛り上げていきたいですね。


JAL「Fly for it!」詳しくはこちら

2020年のオリンピックに向けて、JALの取り組みを発信するサイト。スポーツクライミングをはじめとしたJAL所属の選手のメッセージムービーや、スポーツ支援の内容を紹介している。



スポーツクライミングは筋力+考える力も必要


それじゃあ今度はもう少しむずかしいコースでやってみましょうか!


ここも余裕でクリアして才能があるところを見せてやる……!!


  • スタートの時点でいきなりつまづいた。足の踏み場がめちゃくちゃ小さい。スタートでこれに片足立ちをしないといけない。いきなり難易度高すぎる

  • 普段の動きではありえない体勢になるので、落ちないように力が入ってプルプル震える

壁に寄り添うように、自分の体重をかけるのがコツですよー!


む、無理……!!


そして余裕で落下……!!

普段の生活ではしない動きをするので、身体が思うように動かない。脳の指示に手足が言うことを聞かなくて、自分の身体じゃないみたいだ。

ここまでのコースは何も考えずに楽に進めたが、今やっているコースは「次はどう手を動かせばいいのか?」「先に右足を動かした方がいいのか?」ということをしっかりと考えないといけない。スポーツクライミングは身体だけじゃなくて、頭も使うスポーツなのだ……。

  • 試しに小田さんに同じコースをやってもらってみたら余裕でスルスルと登っていた

  • 登りきったあとも余裕の笑顔が眩しい

当たり前であるが世界大会で戦っていた人は動きがまったく違う。経験値が高いので身体の動かし方がわかっているし、頭の中で次にどう動けばいいのかはっきりと描けている感じがする。

壁に登り続けて身体と頭がしっかりと連動しているからこそ、スムーズに登っていけるのだろう。

  • スポーツクライミングをしたあとに小田さんに話を聞いたのだけれど、腕はパンパンだし指は痛いしでメモをとるのすら辛かった

  • 指が震えていてメモの字もめちゃくちゃ汚かった。解読するのに時間がかかった

スポーツクライミングは気軽に楽しめる

小田さんはフリークライマーとして活動しつつ、ボルダリングジムのスタッフとして働いているが、過去にはクライミング選手として挫折した経験がある。

女子として日本人初の世界大会優勝など華やかな経歴もあるが、その裏では自分をひたすら追い込むような毎日を過ごしていたという。そういった生活が続いたことで2015年に燃え尽き症候群にかかり、スポーツクライミングから一度引退してしまった。

一度引退されていますが、復帰したきっかけはありますか?


少しクライミングから離れて自由にのんびり過ごしていたときに、友人から「簡単なクライミングをやらない?」と連絡がきたことがきっかけでした。


その誘いはすぐにOKしたんですか?


しばらく登らないつもりでいたので、また始める事に不安はありました。でも「遊びで気軽にやってみようよ」と誘われて、久しぶりに初心者コースからやってみるとやっぱり楽しくて。そこで「トレーニングしなくてもクライミングって気軽に続けていいんだ」ということに気がついたんです。


  • 「トレーニングしなくてもやっていい」という言葉は、普通の人からしたら当たり前のことかもしれない。しかし、小田さんがそれだけクライミングという競技に対して真剣に向き合ってきたのかがわかる一言だった

それからやっぱり大会の空気が私は好きなんです。すごく集中する瞬間があって、頭で考えていることや身体の動きがピタッとハマって登れるときがあるんです。そのときの快感は他では味わうことができないですね。今は勝ちたいという気持ちよりも「とにかく楽しく登りたい!」と思って挑戦しています。


今日お二人の話を聞いたり、スポーツクライミングをする中で感じたんですが、新しいことに挑戦するのって楽しいですね。


スポーツなどを通して、ちょっとでも前向きに、何かに挑戦する人が増えたらうれしいですね。この記事を読んで「スポーツクライミングをやってみようかな」と思ってもらえることも、そういった活動の成果の一つなのかなと思います。


「これから挑戦する人」に向けて小田さんからなにかアドバイスをいただけますか?


挑戦していると挫折することもあると思いますが、好きなことは気軽に続けていいものだと私は考えています。そこに楽しさがあれば、続ける意味は必ずあります。


ありがとうございます! オリンピックもスポーツクライミングも、盛り上がるといいですね!


スポーツクライミングはみなさんからの声援が力になるので、興味を持ったらオリンピックで応援してくれるとうれしいです!


最後にもう一度挑戦しよう……!

元日本代表小田さんとJAL佐々木さんの話を聞いていると「自分も2020年に向けて何かを挑戦したい」という前向きな気持ちがふつふつと湧いてきた。今できることはなにか……さっき失敗したスポーツクライミングのコースに、最後に挑戦してクリアしたいと思った。

先ほどは手も足も出なかったコースであるが、小田さんにアドバイスをもらったことによって、足を入れ替えるテクニックなども身につけた。短い時間ながらも確実に成長している。これはイケる……!!

しかし、現実はそんなに甘くはない……!!
気持ちがあっても練習しなければクリアできない壁も当然あるのだ。

でも、全力で挑戦した上での失敗なので気持ちがいい。できない動きが少しずつわかるようになっていく楽しさがスポーツクライミングにはある。

今日は取材で来ていたが、個人的にまたこのコースに挑戦してクリアを目指したい。悔しい。今回初めてスポーツクライミングに挑戦したが、2020年のオリンピックの前に自分にも一つ小さな目標が見つかった。


今回、megayaさんにスポーツクライミングに初挑戦してもらったが、スポーツでも、今までやってみたかったことでも、チャレンジするきっかけは身近にあるもの。あなたも2020年に向けて、目標を見つけてみてはいかがだろうか。

東京2020大会に向けたコミュニケーションスローガン
JAL「Fly for it! ~一緒ならもっと飛べる~」詳しくはこちら


東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、JALの取り組みを発信するサイト。イベントや取り組みの案内や、嵐が出演するCM「みんなの2020」のメイキング、所属選手のメッセージといったムービーも見ることができる。



[PR]提供: 日本航空