仕事に家事に忙しい毎日、食事の準備に苦労している人は少なくないはず。世の中には、そんな忙しい人々を助けるアイテムがいろいろと発売されている。"ミールキット"もその1つだ。

ミールキットとは、レシピと食材一式がセットになったもの。あらかじめ献立が決まっており、調理に必要な材料が必要な分量だけ入っている。肉や野菜もカットなど下ごしらえが済んだ状態(一部を除く)で梱包されているため、短時間で調理が可能だ。

そのミールキット の中で高い人気を誇るのがオイシックス・ラ・大地の「Kit Oisix」。2013年7月に発売以来、累計3,000万食を突破する大ヒット製品である。(2018年12月末時点)

KitOisixはレシピと食材だけではなく、楽しい料理"体験"をお客様に届けることをモットーにしているという。時に驚きや笑いを生むレシピはSNSで拡散され、話題になることも。

話題のこの商品はどのように生み出されているのか? KitOisixのサービス開発に携わった谷口悠子さんに、開発秘話やそのアイデアが生まれる仕事環境などについて話を聞いてみた。

お客様のことをとことん考え抜いた結果、生まれたレシピたち

谷口 悠子さん
オイシックス・ラ・大地
サービス進化室
商品・サービス・プライシング進化セクションマネージャー

以前は広告系の企業に勤務していたが、「もっとお客様と近い仕事がしたい」という思いで入社した転職組。育休・産休を経て働くママとして、数々のメニュー開発に携わっている

――Kit Oisixの特徴を教えてください。

全てのメニューに5種類以上の野菜が入っていることです。栄養バランスも考慮し、契約農家、メーカーの安心安全な食材のみを使用しています。副菜と主菜を20分でつくれることもポイントです。毎週20メニューを週替わりでご用意し、飽きずにご利用いただけるようにしています。

  • 「ジューシーそぼろと野菜のビビンバ」と「小ねぎとのり、豆腐の韓国風スープ」が20分以内で作れるキット。人参は手間を省くためにカットしたものが梱包されているが、葉物野菜などは、美味しさを長持ちさせるためカットしていない

サラダのトッピング用のナッツや、飾りに使う海苔など、ちょっとしたアクセントになる食材が入っているのも面白いですね。

料理は彩りや見た目も大切なので、仕上げに小口切りしたネギをかざったり、ナッツを散らしたりするだけでも、ぐっと変化が生まれます。

お客様からは「自分で買うと余らせてしまうけれど、使う分だけセットになっているから助かる」という声をいただくことも。"食卓に楽しみが生まれるメニュー"をめざしているので、珍しい食材を使ったり、自分ではなかなか買わないトッピングを使うことで、会話のきっかけにしていただけるとうれしいですね。

――レシピに子どもが手伝う際のポイントが記載されているのもその工夫でしょうか。

食育の一環として、お子様に料理のお手伝いをしてもらいたいと考えているお客様は少なくありません。それに、お子様も実際に「自分がお手伝いしたものはよく食べてくれる」というお声もよくいただきます。せっかくなら、面白い発見や体験に繋げて頂きたいと考えて工夫をしています。

  • 食材を加えることでどんな色に変わるか……子どもと共に楽しめるポイントが分かりやすいため、食育ができるという点でも人気が高い

――他にも、お客様の料理シーンを考えて作っている点はありますか?

作業の順番も、効率を考えて決めています。たとえば、肉や魚を切るのは極力野菜より後。肉や魚を先に切ると、包丁などを洗う手間が入ってしまうので。シーンを具体的に考え子どもがご飯ができるまで待ってられないお母さんに向けた「子どもにチーズをあげる」という工程を最初に入れたレシピもあります。

お客様がどんなシチュエーションでこのキットを開き、どんなふうに使えれば楽しい手助けとなるのか……「Oisix、わかってるじゃん!」そんな風に思っていただけるようにとことん考え抜いているのがKit Oisixなんです。

  • 思わずクスっとしながらも「ほんとにママのことよく分かってる!」とSNSで話題になったレシピ。子どもに料理を邪魔させないようオヤツで気をそらしておくという作戦が共感を呼んだ

育休復帰率96%。ママが多い職場は……お昼寝もOK!?

――谷口さんは育休・産休を経て働く現役ママだそうですが、御社にはママ社員が多いのでしょうか。

育休復帰率96%が自慢、というくらいに多いです。いま私は野菜が主役の食材セット「ベジごはん」という製品の開発に携わっていますが、チームメンバー6人のうち、4人が時短勤務中のママ。毎日17時前後になると、みんな慌ただしく帰宅しますね。

――子どもの体調不良など、突発的に休まなければいけないときはどうしていますか?

チーム内のミーティングがすごく頻繁なので、いざというときはスムーズに引き継ぎができる協力体制があります。子育て中の社員が多いので、時短勤務で業務をまわすノウハウが蓄積されていたり、子どもがいない社員でも子育てに関する理解が深かったり。安心して業務のやり繰りができます。在宅でのリモートワークも可能です。

子どもが小さいと、夜泣きなどで昼間眠くなるときがありますが、そういうときはいっそ寝たほうが効率が良い! ということで、仮眠できるソファがあるんですよ。そこで寝ていても誰も何も言いません。他にも、立ったまま打ち合わせができる場所を使ってさっと打ち合わせしたり、気分転換にバランスボールに座って仕事したり……。

  • 今回取材で訪れたお昼過ぎの時間帯にも、大いに活用されていた仮眠席

――効率よく仕事をすることに力を注いでいるんですね。

子育て中で限られた勤務時間の社員もいるなか、会社としても“いかに効率よく業務をこなすか"ということに力を入れています。そのために大事なのがロジカルシンキング。商品企画のプレゼンでも重要なんです。社長や役員に企画をプレゼンする機会があるのですが、根拠になる数字や、筋の通ったストーリーなど、ロジカルな思考が求められます。だから、社員研修ではみっちり3カ月の間で20時間くらいかけてロジカルシンキングを叩きこまれるんですよ。修了試験に受からないと追試もあります(笑)。

  • 「ミーティングが頻繁」だという谷口さんの言葉通り、社内には打ち合わせスペースが多数。それぞれ経営者の名前がつけられており、ロジカルな会議になること間違いなし!?

――谷口さんのような転職組の方も、みっちり研修があるんですね。

実は自分と同じように、異業種からの転職や未経験者の転職も多い。それが多様な視点での製品開発に役立っているのかもしれません。オイシックス・ラ・大地では、中途社員だけでなく、アルバイトやパートなど、さまざまな勤務形態・職種で随時仲間を募集しています。会社が進化し続けるためには、常に新しい風が入って来ることも必要ではないでしょうか。

お客様に伝えたいのは「家事は完璧じゃなくていい、無理しなくていい」ということ

――対社員のお話をお伺いしてきましたが、対お客様への姿勢で驚いたことはありますか?

想像以上にお客様との接点があることです。商品開発のために、電話でのヒアリングやご自宅の訪問など、これまで私は200名以上のお客様からお話を伺う機会がありました。直接ご自宅にお伺いしたときは、冷蔵庫の中まで見せていただきます。商品やサービスを考える際、鮮明にお客様を想像できるのはそのおかげです。

――印象に残っている声はありますか?

ちゃんと作った料理を子どもに食べさせてあげたいけど、なかなか時間がなかった、というシングルマザーの方からいただいたお声ですね。当社製品を利用したことで栄養面にも考慮した食事を用意できるようになり、生活が変わったというお声をいただきました。開発メンバーみんなで本当に良かったね、と感激しましたね。

男性の方からお声をいただくこともあります。奥様が出産するけれど自分は料理ができない。でも、当社の製品なら自分にも作れそうだから購入したというご意見でした。男性の利用がもっと増えるといいな、と思っています。

  • 「楽してることに罪悪感を感じる」というお客様の気持ちを払拭したいと語る谷口さん。「私なんか包丁を出すのが面倒な時は、葉物野菜をハサミや手でちぎってしまう時があります。無理しないことが食事づくりのモチベーションになることってあると思う」

――最後に、料理に携わるすべてのママやパパへのメッセージをお願いします。

アンケートを見ていると「自分の親みたいに出来ない」「こんなに楽しちゃだめだ」というように罪悪感を持ってしまうという声が多いんです。でも、自分が子どもの頃とは時代が変わっています。忙しい毎日の中で、家事は完璧じゃなくていいし無理しなくてもいいんです。

家族の健康のために、栄養バランスの取れたおいしいものを作りたいという気持ちは多くの方が持っているのではないでしょうか。でも、だからこそいろいろ考えてしまって、疲れてしまうこともあると思います。

そんな時は当社の製品などの助けを借りて、肩の力を抜きながら料理や食事の楽しさを思い出してほしい。忙しいパパママの毎日のお手伝いができたらうれしいですね。

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「今日のご飯、何にしようか」そんな会話を、一体何回しているだろう。毎日の献立を考えるというのは結構大変だ。仕事で休憩をとるように、一週間のうち何度かKisOisixに献立を任せられる日があると気分がリフレッシュできるかもしれない。

  • 社員の誕生日をお祝いする光景も、頻繁に見られるという。ママにとっての”働きやすい”は、どんな社員にも当てはまる。オイシックス・ラ・大地にはお互いを尊重し合える環境がある

「KitOisix」はそんなあなたの味方だ。お客様のことをとことん考え抜いて作られたKitOisixを、作り手の顔を思い浮かべながら利用してみてほしい。

また谷口さんの話から「作り手側」に興味を持った方は、一度採用サイトを覗いてみてはいかがだろうか。

[PR]提供:オイシックス・ラ・大地