今、バスケットボール男子日本代表に注目が集まっていることを知っているだろうか。W杯アジア地区2次予選で現在6連勝中、ワールドカップ出場まであと一歩に迫っているのだ。その盛り上がりを受け、2月12日にバスケットボールファンミーティング「日本バスケ応宴NIGHT」第3回が都内で行われた。ゲストにレバンガ北海道の折茂武彦選手を迎え、来たる2月21日、24日のアジア最終予選に向けた話題が取り上げられた。
ワールドカップ2019まであと一歩、生放送も行われる注目の2戦
バスケットボールファンが集い、バスケットボール男子日本代表“AKATSUKI FIVE(アカツキ ファイブ)”について熱く語り合うファンミーティング「日本バスケ応宴NIGHT」。2月12日に開催された第3回には、ゲストとして「レバンガ北海道」の代表であり、48歳の今も選手として第一線に立つ日本バスケ界のレジェンド折茂武彦選手、元日本代表ヘッドコーチで解説者の倉石平氏、元女子日本代表で解説者・リポーターの中川聴乃氏の3名が登壇。バスケ情報専門サイト「バスケットボールキング」編集長の入江美紀雄氏がMCをつとめ、熱いトークが繰り広げられた。
話題の焦点は、なんといってもFIBAワールドカップ2019(以下、W杯2019)出場権をかけた2月21日のイラン戦、24日のカタール戦。この2試合はそれぞれBSフジ、地上波(フジテレビ系列)での生放送が予定されている。
日本代表、アジア最終予選までの道のり
2017年11月からスタートしたバスケットボール男子日本代表のW杯2019への挑戦。それは、東京2020五輪の開催国枠獲得に繋がるものだ。しかし日本は1次予選のスタートから4連敗を喫し、窮地に追い込まれる。だが、ニック・ファジーカス選手、八村塁選手という新戦力の活躍によって強豪オーストラリアを相手に79-78という劇的な勝利を収め、次のチャイニーズ・タイペイ戦にも勝ち越し。なんとかB組3位に入ることに成功し、2次予選へと駒を進める。
チーム力を底上げして臨んだ2次予選では、渡邊雄太選手が代表に復帰。カザフスタン戦を勝利で飾り、勢いに乗った日本はその後破竹の勢いで4連勝。1次予選から計6連勝を達成し、2次予選での順位を3位にまで上げた。そして迎える、2月21日のイラン戦、2月24日のカタール戦という、アウェーでの最後の2連戦。崖っぷちから始まった日本の挑戦は、苦境を乗り越え、届かなかった世界への壁にいま手をかけようとしている。
倉石氏はここまでの日本代表の流れを、「第1ゲームからの4連敗は、ヘッドコーチがフリオ・ラマス氏に変わり、日本のバスケのシステムが大きく変革したことが要因でしょう。選手がその変化についていけておらず、十分な練習時間も確保できていませんでした。ですが数戦を経てチームが形となり、選手の役割が明確化されてきたことが、現在の連勝につながっていると思います」と解説。
現地でリポーターを担当していた中川氏は「ラマスコーチは、最初からポイントごとに的確な指示を与えている印象がありました。ですが倉石さんがおっしゃったとおり、選手たちは最初システムを理解できず、やろうとしていることもできないという状況で、その不安は表情にも表れていたと思います。しかし、ここにきて選手たちもシステムを理解し、表情も明るくなりました。一生懸命盛り上げようとしているところから、余裕に変わってきていると感じるところはありますね」と日本代表の空気を語る。
折茂選手は「連勝してチームの雰囲気もいいと思いますし、新戦力が入ってチームも大きく変わりましたから、期待しています」と後輩たちの活躍を称え、応援のメッセージを送る。さらに自身が代表として試合に臨んだ際のエピソードを疲労し、海外戦の難しさを述べた。
折茂選手らとファンが贈る代表へのエール
日本がW杯2019出場権を獲得するためには、まず21日のイラン戦勝利が欠かせない。22日のフィリピン、ヨルダンの結果次第ではここでW杯2019出場が決定する可能性もあるが、そんな甘い見通しで勝ち残ることはできないだろう。24日のカタール戦も勝利をおさめ、盤石な結果で出場権を獲得したいところ。ゲストの3名はイラン戦に向けて選手にエールを送る。
「イランは格上となり、難しいゲームになると思いますが、挑戦者の気持ちで出だしから勢いをつけて頑張ってほしいと思いますね。自分が得点を決めてやる!という選手たちの気持ちが勝利を産むと思っています」(中川氏)
「今持てる力を集約して120%の力で挑んでほしいと思います。そうすれば結果は後からついてくるでしょう」(倉石氏)
「昔だったら、日本代表のファンミーティングを開催してもこれだけの人は集まりませんでした。それだけ多くの方が応援しているということを日本代表の彼らは忘れてはいけない。その責任をしっかり背負って頑張ってもらいたいと思います」(折茂選手)
肌寒さがこたえる2月の夜ながらも、バスケットボールファンの熱気で会場の温度は急上昇。最後は、会場全員で代表に向けてニッポンコールが行われ、ファンミーティングは幕を閉じた。
バスケットボール、生放送の見どころとは?
W杯2019、そして東京2020オリンピックに向け、盛り上がりを見せるバスケットボール。だが、これまでバスケの試合をあまりみたことがないという方も多いだろう。そんな視聴者に向け、折茂選手と倉石氏はバスケの試合の魅力と見どころを語ってくれた。
「バスケはスコアが0対0で終わることがありません。点数がたくさん入る競技なので、みんなで盛り上がれるところが多いスポーツだと思います。まずはボールの動きを追ってもらえれば面白い展開がみられるでしょう。慣れてくればボールを持っていない人の駆け引きもわかるようになって、どんどん面白くなります」(折茂選手)
「学校教育を受けた人で、バスケをやらなかった人はいないでしょう。言葉が通じなくとも、世界中の人とプレイで通じ合えるのがバスケです。ゴールが空中にある唯一の競技であり、力づくでゴールを決めるなんて単純なことはできません。シュートが最後にリングをくぐるまで見逃さないでください」(倉石氏)
FIBAバスケットボールW杯アジア最終予選
日本vsイラン
2月21日(木) 午後11時00分〜深夜2時00分【BSフジ】生中継
日本vsカタール
2月24日(日) 午後11時15分〜深夜1時30分【地上波 (フジテレビ系列)】
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