NTTデータは1月25日、ANAインターコンチネンタルホテル東京において、プライベートカンファレンス「NTT DATA Innovation Conference 2019」を開催した。11回目を迎える本年度は「Accelerating Digital ~グローバルの英知で持続可能な社会へ」をテーマとして、各種講演やブース展示などを行った。今回はその中から、NTTデータ ビジネスソリューション事業本部 デジタルビジネスソリューション事業部 部長の遠藤由則氏が登壇したセッション「働き方改革を実現するデジタルワークスペース」および、関連する展示ブースの様子をレポートしよう。

企業に求められる働き方改革とサイバーセキュリティ対策

遠藤氏はまず、働き方改革の必要性と取り組みについて解説した。
同社では現在、仮想デスクトップを中心とした働き方改革の実現に向けたソリューションを手がけているが、その背景としては「要介護人口の増加」「労働者人口の不足」「若い世代の負担増加」など、将来日本が直面する課題の存在が挙げられる。また、仕事と家事・育児の両立や、優秀な人材の雇用を促進するためにも、働き方改革は必要不可欠。日本政府としての取り組みも積極化しており、「テレワーク・デイズ」の実施や関連法案の整備も行われている。NTTデータでは、日本に求められる「個人のライフスタイルとのバランスを考慮しつつも、最大のパフォーマンスを発揮できる働き方」を目指して、2008年から働き方改革の取り組みをさらに推進しているという。
具体的な取り組み内容の一環として、遠藤氏は「NTTデータではテレワーク、裁量労働、フレックスタイムなどの制度を導入・拡大するとともに、2015年から段階的に全社3万人の仮想デスクトップ環境を導入。シンクライアント端末化など環境の整備を積極的に進め、2017年度3月末に導入が完了しました」と語る。
これは「場所・デバイスを問わず、個人作業はもとより、チーム間のコミュニケーションが実現可能なセキュアなワークプレイス」を実現するための施策で、実際に総労働時間の短縮や労働生産性の向上として定量的な成果が見られているほか、海外を含めたテレワークやオンライン社内研修、VRを用いた会議なども行われているという。

続いて遠藤氏は、サイバーセキュリティの脅威について解説した。
ここでは2018年で特に目立った仮想通貨/ランサムウェア/クラウドサービスなど、グローバルにおけるサイバー攻撃の動向を紹介。こうした攻撃は、企業のビジネスに多大な影響を与えており、その対策が急務になっている警鐘を鳴らした。

NTTデータ
ビジネスソリューション事業本部
デジタルビジネスソリューション事業部
部長 遠藤 由則 氏

"3Any"を意識した「Digital Workspace」

働き方改革とサイバーセキュリティ対策が求められる一方で、企業のビジネス自体にも大きな改革の波が訪れており、遠藤氏は「デジタルトランスフォーメーションが進む現代社会では、アプリケーション、デバイス、ワークスタイルの多様化が加速しています。このデジタルトランスフォーメーションに対応し、"いつでも・どこでも・どんなデバイスからでも"、その時に必要なアプリケーションをセキュアに利用できる環境が『Digital Workplace』です」と語る。
同社が推進する「Digital Workspace」の基本は、"Any WHERE/Any DEVICES/Any APPS"の"3Any"を意識したソリューションづくりにある。これにより、選択幅の拡大、ユーザーの利便性向上、セキュリティリスクの低下という、現在の企業にとって必要なポイントが満たされるのだ。
「NTTデータが考える『Digital Workspace』は、ゼロトラストのアーキテクチャを導入し、セキュリティを守りつつユーザーの生産性・満足度を高めるプラットフォームです。CASBを活用し、社外のさまざまなSaaS等のクラウドサービスをセキュアにかつ自由に使える環境です。これによりユーザーはすばらしい機能を持ったクラウドサービスを存分に利用できるとともに、システム管理者はユーザーごとにきめ細かいアクセス制御・監視を行うことが可能になり、高いセキュリティを担保することができます」(遠藤氏)
その中心となる仮想デスクトップは、ワークスタイル変革だけでなく、セキュリティ対策や運用効率化といった観点でも、数多くの企業で導入が加速している。また、Windows 7からWindows 10へ移行するタイミングで、FAT端末から仮想デスクトップ環境への変更を行う企業も増えているそうだ。コスト面についても、新たにサービス利用料が発生するものの、端末自体や端末管理、ソフトウェアライセンスなどにかかるコストが抑えられるため、トータルで大きなコスト増にはならないという。

最後に遠藤氏は、同社が働き方改革の取り組みを支援するべく提供している、エンタープライズ向けクラウドサービス「BizXaaS Office」について紹介した。これは、仮想デスクトップからファイルサーバやメールサーバまで、ネットワーク経由で"いつものオフィス環境"が社内外のさまざまな端末からセキュアに利用できるというもの。ワークスタイル改革はもちろん、業務効率化やセキュリティ対策、運用管理の低減、BCP/DR対策としても大きな効果を発揮する。
遠藤氏は、金融業界と建設業界の事例を紹介したうえで、「働き方改革の具体的な取り組みに正解はありませんが、“やらないと出遅れる”のは確かです。新たな雇用に影響するだけでなく、社内の優秀な人材を手放さないためにも、考え続け、やり続けることが重要といえます」と語り、セッションを締めくくった。

セキュアな“どこでもワークスペース(WaaS)”を実現

会場内に設けられた展示コーナーでは、「BizXaaS Office」のブースも設置されていた。 NTTデータ ビジネスソリューション事業本部 デジタルビジネスソリューション事業部 営業統括部 営業担当 課長代理の高岡慧氏は「この『BizXaaS Office』は“どこでもワークスペース(WaaS:Workspace as a Service)”をコンセプトとしており、仮想デスクトップだけでなく、メールや会議システム、さらには最近注目度が高いGPU仮想化に至るまで、オフィス周りの環境を丸ごと提供することができます。世の中にある仮想デスクトップソリューションを一通り取り扱えることに加えて、お客様に最適な組み合わせを提案できるのも弊社の強みです」と語る。

また、仮想デスクトップはユーザーだけでなく、システムを管理する側にも大きなメリットをもたらしてくれる。たとえば数多くの支店を持つ企業では、工数的に大きな負担となる端末の個別セットアップ作業が不要に。セキュリティポリシーの観点から、バージョンアップしなければネットワークに接続できない場合も、管理者側で一括して行うことができる。 そのカバー範囲は幅広く、実際に官公庁や企業など業種を問わず導入されているほか、規模についても数百~数万アカウントまで対応している。現在使用している環境によっては、FAT端末と比べて仮想デスクトップのほうが処理が高速になった、というケースもあるそうだ。 「BizXaaS Office」の販売代理店である、NTTデータビジネスシステムズ 第一システム事業本部 ITソリューション事業部 ITソリューション営業部 課長代理の長沼寛篤氏は、「スピーディーに導入できるクラウド型から、情報を外部へ出せないお客様に最適なオンプレミス型、そして両タイプのメリットを備えたハイブリッド型と、ビジネス環境に合わせて選べる柔軟性の高いラインアップをご用意しています。既存システムとのシームレスな連携や、業種・規模に応じた個別のカスタマイズもお任せください」とアピールした。

【左】NTTデータ
ビジネスソリューション事業本部
デジタルビジネスソリューション事業部
営業統括部 営業担当 課長代理 高岡 慧 氏
【右】NTTデータビジネスシステムズ
第一システム事業本部 ITソリューション事業部
ITソリューション営業部 課長代理 長沼 寛篤 氏

「BizXaaS Office」の詳細を知りたい→

http://www.bizxaas.com/application/office/

求められるのは時間と場所からの解放!
――それを実現する「デジタルワークスペース」の未来とは?

記事はこちら→ https://news.mynavi.jp/kikaku/20190314-787494/

働き方改革を加速した全社3万人へのVDI環境導入
――事例で学ぶ新たな「デジタルワークスペース」の世界

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