キーワードはAI/ハイブリッドクラウド/統合管理  企業のビジネスを加速させる最先端ソリューション

デジタルトランスフォーメンション(DX)や働き方改革など、企業のビジネス構造から従業員のワークスタイルまでを変革するムーブメントが高まっている現在、多くの企業はリアルタイムに変化を続ける市場のニーズに対応し、業務効率や生産性を向上させるため、デジタルテクノロジーの活用を進めている。DXを推進するうえで、企業がまず着手すべきは、企業に蓄積される膨大な"データ"を効率的に利用するための屋台骨、すなわちITプラットフォームの構築/刷新といえる。現代のビジネスにおいて、業務で扱うデジタルデータの容量は加速度的に増加しており、その重要度も同様に向上し続けている。このため、データの保管・活用で大きな役割を果たすデータセンターやクラウドサービスなどのITインフラを整備することが必要となる。

本連載では、2018年12月11日に開催されたNetApp(ネットアップ)主催の年次イベント「NetApp Innovation 2019 Tokyo」のブース展示や、セッションの講演内容から、ビッグデータ活用が必須となるこれからのビジネスを支える、最先端のITインフラやAIソリューションについて確認していく。第1回となる本稿では、富士通ブースで展示されていたオンプレミス「FUJITSU AI Zinraiディープラーニング システム」と、効率的なデータ管理・活用を実現するハイブリッドクラウド環境を構築可能な「FUJITSU Cloud Service for OSS」、さらに複雑化したITインフラの管理を大幅に効率化できる統合管理ツール「Infrastructure Manager」をチェックする。

スモールスタートに対応した「FUJITSU AI Zinraiディープラーニング システム」

さまざまなシーンから収集した膨大なデータを活用してビジネスを加速させるための技術として、多くの企業が注目しているのがAI/ディープラーニングだ。一昔前は、AI/ディープラーニングといえばスーパーコンピュータなどのHPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)環境が必須で、学術系の研究機関が使うものといったイメージがあったが、高度な処理性能を持つハードウェアが低価格で利用できる現在では、一般企業におけるAI活用も一般的なものとなってきた。とはいえ、AI/ディープラーニングに高度な処理能力を持ったシステムが必要であることに違いはなく、多くの企業に取って導入のハードルは低いとはいえないのが現状だ。

今回、富士通ブースで展示されていた「Zinraiディープラーニング システム」は、AI導入のハードルを大幅に下げる"導入しやすく"、"学習効率の高い"AIソリューションとして、来場者の注目を集めていた。ブース内で解説していた富士通 システムプラットフォーム技術本部の石川和弘氏は、Zinraiディープラーニング システムの特徴をこう語ってくれた。
「Zinraiディープラーニング システムは、オンプレミス環境に構築できるディープラーニング基盤です。4Uのサーバに8枚のGPUを装着することが可能で、GPU1枚からのスモールスタートにも対応します」

GPU(Graphics Processing Unit)は、本来PCの画像処理を行うためのプロセッサだが、近年ではGPUの高度な演算能力を画像処理以外にも活用するようになった。特に画像認識など高度な処理を行うディープラーニングにおいてはGPUが大きな効果を発揮するため、積極的な活用が進められている。Zinraiディープラーニング システムでは、8枚のGPUを装着することで高速な処理を実現。まずはGPU1枚から始めて、必要に応じて増設することも可能だ。

富士通株式会社 システムプラットフォーム技術本部 クラウドインフラセンター AI/PCクラスタ商談担当
石川 和弘 氏

AI/ディープラーニングで扱われるデータ量は膨大なものとなるため、データの収集から分析・学習・活用までのワークロードを高速化するためには大容量で高速なストレージが必要となる。Zinraiディープラーニング システムでは、高性能オールフラッシュストレージ「ETERNUS NR1000 A300」シリーズとの性能検証を実施。スケールアウト拡張で性能向上も容易なNR1000とGPUカード1枚から運用可能なZinraiディープラーニング システムを組み合わせることで、スモールスタートで導入したい企業のニーズに応えられるようになったと石川氏は語る。サーバ/OS/ドライバ/フレームワークなどディープラーニングに必要なハードウェア・ソフトウェアをトータルで提供するため、導入にかかる時間と手間も大幅に軽減することが可能だ。

また、独自開発したDL-INT技術による省電力化で従来よりも電力性能比で約10倍を実現するディープラーニング専用プロセッサ「DLU(Deep Learning Unit)」を2019年度に提供開始する予定で、Zinraiディープラーニング システムは将来にわたり圧倒的な性能を発揮するプラットフォームとなっている。ブースを訪れた来場者の多くが石川氏の話に耳を傾けており、最先端のAIソリューションに対する関心の高さがうかがえた。

 

ディープラーニング専用AIプロセッサ「DLU」(左)とDLUを搭載したカード(右)

【特別連載】AI/ディープラーニングの活用を支えるソリューションと高性能ストレージの重要性

第2回 これからのビジネスに必須のAI/HPC最新ソリューションと
そこから見えてくる“AI社会”の到来

記事はこちら→ https://news.mynavi.jp/kikaku/20190129-753883/

第3回 Webアンケートと現場から聞こえる"生の声"から
『AI/ディープラーニング活用の現状』を確認

記事はこちら→ https://news.mynavi.jp/kikaku/20190325-783222/

オンプレミスシステムと密接に連携可能なクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service for OSS」

膨大なデータの管理・活用が必須となる現代のビジネスにおいて、クラウドサービスの利用はもはや当たり前のものとなった。効率的にITインフラを管理・運用するためには、オンプレミスのシステムとクラウドサービスの連携、すなわちハイブリッドIT環境でのデータマネジメントが重要となる。富士通ブースでは、富士通が提供するクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service for OSS」と、ETERNUS NR1000シリーズを採用したオンプレミスのシステムを連携させたハイブリッドIT環境の詳細が展示されていた。

「FUJITSU Cloud Service for OSSは、企業の基幹システムの要件にも対応する高性能なクラウド基盤です。単一AZ(AvailabilityZone)でのSLA99.99%を実現するなど高い可用性を実現し、国際基準に準じたセキュリティ規格に準拠し、各種認証を取得しています」
ブースで解説してくれた富士通 クラウドサービス事業本部 シニアマネージャーの浮田博文氏はFUJITSU Cloud Service for OSSの魅力をこう語り、さらに2019年第2四半期には、NetAppが開発したFabricPool技術を使って、NetApp製ストレージであるETERNUS NR1000を採用したオンプレミスのシステムとFUJITSU Cloud Service for OSS(NetApp製のStorageGRIDを採用)を連携させたハイブリッド環境を提供する予定と話してくれた。頻繁にアクセスされるホットデータはオンプレミス(ETERNUS NR1000)上に保存され、アクセスの少ないコールドデータはクラウドに自動でアーカイブされるため、運用の手間をかけることなくオンプレミスのデータ容量を削減することが可能。ハードウェアコストの削減を実現するという。

さらに、FUJITSU Cloud Service for OSSは、インターネットに接続する際の回線料金がイン/アウトともに無料で、コンテンツの配信サービスなどを行う場合はコスト的なアドバンテージもあると浮田氏。ハイブリッドIT環境にNetApp製ストレージを採用していれば、ライセンス無償で連携できるなどコストパフォーマンスは極めて高い。クラウドサービスとしての実力も十分、さらにETERNUS NR1000を採用したシステムとの効率的なハイブリッドIT環境を構築するための選択肢としても、FUJITSU Cloud Service for OSSの導入を検討する価値は大いにあるはずだ。

複雑化したICTインフラを一元管理できる「FUJITSU Software Infrastructure Manager」

目まぐるしく移り変わる市場のニーズに対応するため、部門ごと、業務内容ごとにデータセンターを構築・運用している企業もめずらしくない。複数のITインフラが混在する複雑な環境となり、管理者もバラバラで全体的な運用・管理ができない状況では、コスト的・人的な負担が大きくなってしまう。富士通ブースでは、こうしたITインフラ運用に問題を抱える企業の要望に応える統合管理ツール「FUJITSU Software Infrastructure Manager」(ISM)が展示されていた。

 

ICTインフラ管理を統合・可視化・自動化するツール「ISM」

富士通 データセンタプラットフォーム事業本部の関恭一氏は、ISMについて「ICTインフラを構成する機器の、導入から保守までのライフサイクルを管理するツールです」と語る。富士通製の機器はもちろん、対応する他社製の機器を含めてICTインフラのサーバ/ストレージ/スイッチを一元管理することが可能。データセンターの物理的な状況を3Dグラフィックスで再現する「3Dビュー」や、ネットワークの結線情報や、障害発生時の影響範囲を表示する「ネットワークマップ」など、物理的な情報を可視化できるのが大きな特長となる。さらに、設定した情報を複数の機器に適用させたり、特定のイベントに対し設定したスクリプトを自動実行させたりといった自動化のための機能も豊富に用意されており、複雑化したICTインフラ全体を効率的に管理できるようになる。ETERNUS NR1000との連携にも対応しており、ストレージの管理ツールだけでは行えない、きめ細かな運用・管理が実現できる。

富士通株式会社 データセンタプラットフォーム事業本部 データセンタ事業部 ISMビジネス推進部
関 恭一 氏

このように、NetApp Innovation 2019 Tokyoの富士通ブースでは、企業のビジネスを成長させるために必須のソリューションや統合管理ツールが展示されており、特に導入を検討する企業が急増しているAI/ディープラーニングソリューションは多くの来場者の視線を集めていた。
本連載第2回では、同イベントのセッション内容をレポートし、富士通のHPC、AI/ディープラーニングへの取り組みの歴史と、そこから誕生した「Zinraiディープラーニング システム」などのソリューションについて、より詳細に確認していきたい。

■FUJITSU AI Zinraiディープラーニング システム

FUJITSU Storage ETERNUS NR1000A series
増大するデータに対応した新時代のディープラーニング基盤

―ホワイトペーパー

■FUJITSU Software Infrastructure Manager

インフラ運用はもっと簡単になる!

■FUJITSU Cloud Service for OSS

オープン技術を採用した富士通クラウドサービスのメリットとは!?

【特別連載】AI/ディープラーニングの活用を支えるソリューションと高性能ストレージの重要性

第2回 これからのビジネスに必須のAI/HPC最新ソリューションと
そこから見えてくる“AI社会”の到来

記事はこちら→ https://news.mynavi.jp/kikaku/20190129-753883/

第3回 Webアンケートと現場から聞こえる"生の声"から
『AI/ディープラーニング活用の現状』を確認

記事はこちら→ https://news.mynavi.jp/kikaku/20190325-783222/

[PR]提供:富士通