現状の仕事に飽き足らず、キャリアチェンジ、キャリアアップを考える人は多いだろう。まったく違う業界に飛び込んだり、思い切って独立・開業するなど選択肢はさまざまだが、自分が何をしたいのか、どうなりたいかを明らかにすることが第一歩。今後のビジョンを明確に描けることが成功の鍵となる。

今回紹介する「ル・コルドン・ブルー」は、フランス パリに本校がある、歴史と権威のある料理学校だ。その卒業生であるレストランオーナー 長 雄一氏と、オーナーパティシエ 加藤 久和氏は、もともと料理とは違う業界・職種で仕事をしていたが、夢を形にするために一念発起。仕事を続けながらル・コルドン・ブルー日本校で学び、独立開業して現在は第一線で活躍している。この業界を目指した理由、入学のきっかけから、同校で学んだこと、開業までの道のりについて聞いた。

Case1.東京都内でフレンチとイタリアンの2店舗を構えるオーナー

  • 都内にレストランを2店舗経営する長 雄一氏(ル・コルドン・ブルー東京校卒業生)

料理の経験がない中、決めた入学

長氏がル・コルドン・ブルーへ入学しようと思ったきっかけは、少し変わっている。シェフやパティシエになることを目指して入学する人が多い中、長氏の場合は自らのレストランを開業するにあたり、実際に厨房で仕事をするシェフの気持ちを理解するためだった。
都内の有名フレンチレストランでソムリエとして働いて人脈も得て、既に「食」という業界で活躍していた長氏だが、もっと自身の思いや考えを実現できる仕事がしたい、と経営者への道を考え始める。その第一歩として、料理の経験は全くなかったがル・コルドン・ブルーへの入学を決めた。同校を選んだ一番の理由は、短期間で本格的な実習が体験できること。また、一緒に学ぶ人たちを通じて、今レストランに何が求められているかを肌で感じることができるだろうと思ったからだ。

  • 麻布十番のフレンチレストラン「カラペティバトゥバ!」

  • 恵比寿のイタリアンレストラン「アルトロ!」

ル・コルドン・ブルーで学んだ、「上質な空間の創出」を自店で実現

料理人ではない長氏だが、ル・コルドン・ブルーで「簡単そうに見える料理でも緻密な準備の上に成り立っている」と学べたことは大きな収穫だという。同じ業界を志すかけがえのない仲間と出会えたことも財産だ。今も友人として長氏の店舗に足を運んでくれている。

卒業後は再び都内有名レストランで2年間ソムリエとして働き、新たな人脈を作りながら、自身の店の開店に備えた。そして満を持して開業、今では麻布十番と恵比寿に2店舗を構えるオーナーとして多忙な日々を送っている。
長氏には、在学中に強く感じ、今も心に留めていることがある。それは、料理だけ、あるいはワインだけではお客様が楽しめる時間は出来上がらないということ。だからこそ、上質な料理をリラックスして楽しんでもらうために何よりもサービスを大切にしている。現在経営している店舗は“上質な料理をカジュアルに”をコンセプトに、コの字型のカウンターを配置。お客様から「グルーブ感がある」と好評だが、これも長氏のサービス精神の表れだ。

  • 「上質な料理を、肩肘張らずにリラックスして楽しんでもらいたい」と長氏

開業にとって必要なことは? 長氏からのメッセージ

開業を考えている人へ、長氏は「しっかりした技術と向上心、創造力はもちろん大切だが、来店してくれるお客様を楽しませるために総合的に考えることが何より重要」と話す。 ル・コルドン・ブルーでは料理のレシピや作り方を学ぶだけでなく、「食」に関わる幅広い知識を深めることができる。例え料理経験が無くても、飲食の仕事に興味がある、独立・開業をめざしたいという方にはオススメの学校だ。

ル・コルドン・ブルー 東京校

代官山から徒歩すぐの場所にある東京校には、カフェ ル・コルドン・ブルーも併設。口コミでも高い評価を獲得しているパンやケーキを楽しみながら、ガラス張りの教室での授業を見ることもできるので、まずはカフェに足を運んでフランス パリから伝わる雰囲気を感じてみるのはいかがだろうか。

次ページでは、神戸校で学び、名古屋でフィナンシェ専門店を開業した加藤氏に話を聞いた。