• TOP

インタビュイー

高添 修氏

日本マイクロソフト株式会社
パートナー技術統括本部 パートナー ソリューション プロフェッショナル
高添 修氏
南保 邦亮氏

華為技術日本株式会社
法人ビジネス事業本部
ソリューションマーケティングマネージャー
南保 邦亮氏
胡田 昌彦氏

日本ビジネスシステムズ株式会社
事業企画本部 パートナーアライアンス部
シニアエキスパート
胡田 昌彦氏

クラウドをオンプレミスへ持ち込むAzure Stackの魅力

── Azure Stackはどのような経緯で登場したのでしょうか

高添氏 企業の「パブリッククラウドを活用していこう」という意識はとても高まっています。インターネットを活用したビジネスが拡大していく中で、ビジネスに近いITを利用しようというのは自然な流れで、マイクロソフトの「Microsoft Azure」も高い評価を受け、ユーザー数が順調に伸びています。

もちろん、現時点で、すべてをパブリッククラウドへ移行すればよいというのは現実的とは言い切れません。クラウドへ移行することが難しいものや、適さないものもあるためです。そこで、オンプレミスシステムとパブリッククラウドを併用するハイブリッド環境が注目されています。

そして、パブリッククラウドに触れてみると、このメリットを手放したくなくなるのも事実で、オンプレミスでもパブリッククラウドの利便性や柔軟性を再現したいというお客様のニーズを具現化したのが「Microsoft Azure Stack」です。Azureの技術を場所に依らずに利用できるようになります。

── ファーウェイはAzure Stackを搭載したシステムをソリューションとして展開しています

南保氏 Azure Stackは、パブリッククラウドのAzureとまったく同じ操作で、アプリケーションもそのまま利用することができるという非常に強力なソリューションです。これまでエンタプープライズユーザーに向け、パートナー各社との強い連携により高付加価値サーバーを提供してきたファーウェイがAzure Stackを通じマイクロソフトと協業するのは必然だったといえるかと思います。

国内ではスマートフォンを中心としたモバイルデバイスでの知名度が高い当社ですが、エンタープライズ向けの製品も中核ビジネスとして注力しています。もともと私たちは、通信キャリア向けのネットワーク機器やサーバー、ストレージなどを長年にわたって提供してきました。その技術をキャリア以外の法人向けに本格的に提供し始めたのが2012年ごろのことです。

その後、キャリアグレード製品の開発・製造で培われた信頼性が評価され、2017年のグローバルシェア(出荷台数)はサーバー、ストレージともに第4位(※)のポジションを獲得しています。4ソケットサーバーにおいては、2017年第4四半期には第1位(※)のシェアを獲得しています。

※ともに2017年ガートナー調べ

当社の強みは、Kirinの名で知られるスマートフォン向けの高性能SoCを開発する半導体企業を傘下に持っており、その開発能力をエンタープライズ領域においても発揮し、ARM CPUやSSDコントローラ、BMC(システム管理コントローラ)など、サーバーの重要コンポーネントのチップを自社開発・製造している点にあります。これらのチップにより、Azure Stackのパフォーマンスを維持し安定的に運用するための機能を持たせ、ハードウェア全体で最適化を図っているからこそ、Azure Stackの性能や信頼性を高めることができるのです。また、OSから独立しての高度な障害解析や予測、さらには消費電力の最適化までそれらのチップにより実現しています。

サーバー、ネットワーク、キャッシュ用NVMe SSD、管理ツールと、AzureStack のすべてのハードウェアコンポーネントを自社製品で提供しており、一気通貫でサポートできるのも当社の強みといえるかと思います。

── 日本ビジネスシステムズはユーザーの視点に最も近いSIerという立場にありますが、その視点からみた、Azure Stackやファーウェイ・ソリューションの魅力について教えてください

胡田氏 従来のSIerは、システムを「どう作るか」という視点でユーザーと話し合ってきました。場合によってはシステムを作成するための土台となる共通基盤自体を何年もかけて、個々のニーズを満たしたオリジナルのシステムを作り上げるものでした。

しかしAzure Stackは、このビジネスを大きく変える存在です。Azureと一貫性のあるクラウド基盤を作るところはほぼ全自動であるためです。

ただし日本ビジネスシステムズにとって、これは悪いことではありません。当社の経験や知見をより高いレベルで生かせる「いかに使うか」という議題に集中できるからです。もともとユーザーは、システムを作りたいのではなく、システムを使いたいのです。

この意識改革は、パブリッククラウドの流行によって始まりましたが、その"よい風"がオンプレミスにも吹きはじめているといえるでしょう。

当社では、ファーウェイの製品を2015年ごろから取り扱っています。故障率が低く、コストパフォーマンスにすぐれたところが高く評価され、販売も上位製品に肉薄しています。品質を重視してファーウェイ製品を積極的に選んでいるユーザーもいます。ミッションクリティカル性の高いAzure Stack環境において、ハードウェアの信頼性は非常に重要だと考えています。

厳しすぎるハードウェア要件をクリア、ファーウェイのAzure Stackソリューション

  • 対談の模様①

── Azure Stackにはどのような活用方法がありますか

高添氏 第一に、ディスコネクテッドモデルでの採用が挙げられます。端的に言うと、インターネットに接続することなくAzureの技術を利用するパターンです。

例えば船舶の事例があります。船舶は陸から離れるとインターネットへの安定的な接続が難しくなりますが、アプリケーションは船の運用にも必要です。またアプリケーションは、クラウド上のPaaSを使って開発するほうが効率的です。そこで、Azureで開発したアプリケーションを、Azure Stackによって船内に持ち込めば、インターネットがなくともそのまま利用できるというわけです。

次に、外部にデータを持ち出せないケースのニーズです。当社もさまざまな地域にAzureを提供していますが、すべての国に設置できているわけではありません。そこで、Azure Stackが活躍します。

日本国内においても、厳しいデータ管理ポリシーが課せられている自治体や教育機関の関心が高く、クラウド技術を採り入れたいというニーズへ応えています。

また「Azure IoT Edge」に注目する製造業ユーザーも多いです。Azure Stack上でクラウドネイティブなIoTシステムを実行できるようになれば、工場などでの活用が促進されると期待しています。

── Azure Stackの導入における注意点などを教えてください

高添氏 Azure Stackは、ファーウェイのハイブリッドクラウドソリューションのような"統合システム"としての提供に限られています。アプライアンスの形をとることで、Azureと同様「すぐに使える」ことをめざしていて、購入を検討される際には意識をしておくべき点のひとつです。

それから、Azure Stackは、Azureと同様に急速に進化していくシステムであり、"触らないこと"で安定的に運用してきた従来のオンプレミスシステムとは大きく異なります。情報システム担当者は、Azureの進化をしっかり追いかけて、どのようなメリットを事業部門へ提供できるのか、示し続けていく必要があると考えています。

南保氏 ファーウェイのMicrosoft Azure Stack向けハイブリッドクラウドソリューションでは、マイクロソフトが指定する厳しい要件をクリアしたハードウェアを提供しています。BIOSレベルから細かに検証し、確実に利用できるものとして開発しているため、いわゆるバッドノウハウは不要だと思ってください。

胡田氏 そうした厳しい要件に耐えうるモデルを要件に合わせて選ぶだけですから、ヒアリングや選定の時間を短縮できるというメリットがありますね。

最も重要な点は、意識改革の必要性かもしれません。オンプレミスからパブリッククラウドへ移行するときには、システムに対する考え方や態度を変える必要がありました。Azure Stackは、手元にありながらクラウドサービスなので、同じように意識の変革が必要なのです。

そこで私たちは、「ハイブリッドクラウド研究会」を立ち上げました。日本ビジネスシステムズが主幹事を務め、ファーウェイやIIJ(インターネットイニシアティブ)ほか10社が幹事として参加し、マイクロソフトが事務局を務めています。方法論を検討したり、クラウドネイティブなアプリケーション実装について考えたり、仮想マシンを中心とした移行や運用のためのシナリオを考えたりしています。ファーウェイには、4ノード構成のMicrosoft Azure Stack向けハイブリッドクラウドソリューションを無償で提供していただき、IIJ様に提供いただいたデータセンタースペースにて実際にAzure StackとAzureがExpress Routeで接続されたハイブリッド環境上でPoCを実施できる場も設けています。マイナビニュースでも記事を連載しているため、ぜひご覧になってください。

悩める日本企業を世界規模のクラウド・ワールドへ

  • 対談の模様②

── 将来の展望や3社の協力体制などについて教えてください

高添氏 この3年で私は、ファーウェイや日本ビジネスシステムズなど、パートナーとの連係強化に努めてきました。今後は利用者にも参画してもらえるような動きをしていきたいと考えています。

そういう観点からみても、ファーウェイは強い推進力を持ったメーカーで、スピーディにビジネスを展開していくパワーがあります。このスピード感を、Azure Stackのビジネスにも採り入れてほしいと思っています。日本ビジネスシステムズは、よいものに積極的な投資を惜しまないベンダーで、しっかり任せられる安心感があります。今後もいっしょにAzure Stackビジネスを推進しつつ、コミュニティなどの新しいアプローチも活用していきたいですね。

南保氏 Azure Stackは、高い信頼性や性能にこだわって開発されたファーウェイのハードウェアのメリットが最大限に発揮出来るシステムだと考えています。ぜひ研究会などで試して実感していただき、選択肢の一つとしてご検討いただきたいですね。

日本ビジネスシステムズは、新しいものへのチャレンジ精神にあふれ、フットワークが軽いのが特長です。その点で、当社とは相性のよいベンダーだと思います。 マイクロソフトには、今後もAIやIoTなどAzureStackの新しい価値を届けてほしいと期待しています。

胡田氏 私たちもフットワークの軽さを生かして、世界の技術や先進事例を届けつつ、日本企業の持つ悩みをスピーディに解決していきたいですね。当社のトップからも我が社ではなく業界のために、日本と世界とのギャップを埋める”つなぐ役割”のために動けと指示を受けています。

マイクロソフトは、ぜひAzureとAzure Stackを進化させつづけてほしいと思います。そして新しくても優れたものを選ぶユーザーのために、ファーウェイには新しい製品や新しいサービスを提供し続けてほしいと期待しています。

Azure Stackは、クラウドです。世界共通のスピード感とノウハウが詰まった技術であり、世界規模のプラットフォームです。この世界に入る価値は、決して小さいものではありません。

  • 集合写真

本記事で取りあげたAzure Stackとファーウェイのソリューションをテーマにしたセミナー、『実践!Azure Stackハイブリッドクラウドセミナー〜HCIは当たり前!その先にあるハイブリッドなクラウド基盤とその使い方〜』が2018年11月15日(木)、虎ノ門ヒルズ16F JBS本社セミナールームにて開催される。

今回登場した3名はもちろん、各領域のエキスパートが登壇し、Azure Stackの運用をはじめとするハイブリッドクラウド活用のポイントや先進事例など、最新のITインフラ市場の動向を紹介する予定だ。

詳細、申込はこちらから。

[PR]提供: 華為技術日本、日本ビジネスシステムズ