カシオ計算機は、1965年に世界初のメモリー付電卓を生み出してから50年以上、「見やすく、使いやすく、正確無比」な電卓を追求してきた。その同社がフラッグシップモデルとして位置づけているのが「S100」だ。

液晶の表示部を囲むディスプレイウィンドウには映り込みを低減する両面ARコートを施し、キーにはスムーズで安定したタッチ感を実現するV字ギアリンクなどを採用。重厚感のある切削アルミニウムボディに、外周部分にはダイヤカット加工を行い、使いやすさはもちろんのこと、素材や仕上げすべてにこだわりが詰まった逸品。

そんな「S100」は、実際のショップではどのように捉えられているのだろうか。代官山 蔦屋書店 文具コーナーの宮田芳宏さんにお話を伺ってみた。

  • 代官山 蔦谷書店 文具売場担当 宮田芳宏さん。手に持っているのは、カシオのフラグシップ電卓「S100」

    代官山 蔦屋書店 文具売場担当 宮田芳宏さん。手に持っているのは、カシオのフラッグシップ電卓「S100」

プレミアエイジに向けた新たな生活や文化を提案する空間

―― まず、代官山 蔦屋書店のお客様層を教えてください。

代官山 蔦屋書店は、コンセプトが「経済的にも時間的にも余裕のあるプレミアエイジ」向けのお店ということや代官山という立地もあり、お客様の年齢層は高めですね。落ち着いた環境の中でゆったりと趣味を楽しめる空間を目指しています。店内の各コーナーにはそのジャンルの知識と経験が豊富な「コンシェルジュ」が常駐しており、お客様のニーズを踏まえて商品の説明やご提案を行っています。

―― 確かに売場のディスプレイも、 通常の書店とは異なり、“魅せるディスプレイ”をされているなと感じたのですが、どのようなことを意識していますか。

当店では、本という“もの”を販売することよりも「ライフスタイル提案」を重視しています。ですから、 純粋に「いいもの」だけを集めるだけではなく、その背景にある物語も大切にしています。

妥協のない商品を妥協のない目で選ぶ

―― なるほど。「いいもの」を選ぶ基準として、具体的にどのような部分を重視されているのでしょうか。

基準が難しいのですが、私自身は、「製品企画に妥協がないもの」「作り手の想いが息づいたもの」だと思います。

S100もそうです。例えばS100はアルミ切削の表面ボディとアルミプレスの裏面ボディのつなぎ目が滑らかになるよう仕上げに相当こだわったと伺っています。世の多くの製品は、技術や価格との兼ね合いでそこで妥協しますし、せざるをえません。

それら困難に負けずに作り手が理想に近づけようと突き詰めたものが「いいもの」になるのではと、私は考えています。開発の過程で起こる苦労や試行錯誤、それらを乗り越えるといったひとつのストーリーをもっている製品は、必然的に「いいもの」になる気がします。

宮田芳宏さん

一方で、売場側でも“妥協しないこと”を意識しています。毎日のように新製品が発売されています。だからこそ「これは、代官山 蔦屋書店として自信をもっておすすめできるのか」と全員で突き詰めることが重要です。売れそうだからではなく、お客様におすすめすべきかどうか、お客様にとって価値があるのかどうかを吟味します。

売場にある商品にはひとつずつ理由がありますし。全体として見た時に高品質で、コンセプトがしっかりとした製品を提供することが私たちのこだわりです。

―― 製品の背景やストーリーも含めて、しっかり吟味されるのですね。

価格の安い高いで判断をするのではなく、作り手のストーリーがあるもの、プラスアルファの理由があるかを見定めて、取り扱うようにしています。

―― つまり「S100」は、そうした皆さんの厳しい審美眼にかなったというわけですね。

まさにそうです。当店では2016年2月からお取り扱いをしていますが、最初から「いいものがほしい」、「他では手に入らないものが欲しい」というお客様の期待に応えられるだろうという確信がありまして、期待値の高い商品でしたね。

電卓の進化を牽引し続けてきたメーカーとしての自負

―― 実際に手にされた時の印象はいかがでした?

  • S100

    カシオ計算機の「S100」

まず「シンプルにかっこいい」と思いましたが、市場想定価格が30,000円という価格に驚かされました。この価格なら普通はわかりやすいギミックなどを入れると思うのですが、見た目は普通の電卓でしょう。

でも実際に手に取ってみると、長年電卓の進化を牽引してきたメーカーだという自負と、一旦原点に戻って奇をてらわずに電卓を突き詰めようとの想いが込められていることに気づいたんです。

電卓は誰もが使ったことがあり、機能だけみればスマートフォンでも簡単に計算はできます。そんな時代に原点に戻って、「操作性、視認性、デザイン性を究極まで追求した電卓を作ろう」なんて、相当な気概がないと難しいと思います。

斬新な形やデザインでなく作り続けてきた電卓と変わらないカシオさんが続けてきた当たり前のことを当たり前に積み重ねる。妥協を一切しないものづくりの中で一番を追求した結果が「S100」だったんだろうなと。

裏を返せば、まさに当店で扱う意味のある製品です。当店のコンセプトにも合っており、自信をもってご紹介できるのです。

―― 製品の背景まで含め、正しく価値を理解して届けようというお気持ちを感じます。

そうですね。実用品としてだけ見るなら、この値段は高価に感じる方も多いでしょう。電卓は完全な実用品として生まれて、個人宅から企業まで計算ツールとして利用されてきました。

なのに、あえて一般向けの電卓として出たことが“面白いな”と。万年筆などと同じで、「持つ悦び」を感じられるアイテムだと思います。もちろん、計算機としての使いやすさにもこだわっていますしね。

実際に打ってみると、通常の電卓ではキーの端を押すと斜めにキーが落ちるのですが、S100は垂直に下がり、心地よいタッチ感があります。背面には大きなストッパーがあり、安心感と安定感があります。

  • 蔦屋書店正面
  • 心地よいタッチの秘密は、「V字ギアリンク(左)」と「エラストマー樹脂製ストッパー(右)」。操作時のスムーズで安定のあるタッチ感を実現する

もうひとつ、僕はカメラも好きなので驚いたのですが、液晶を覆うディスプレイウィンドウに両面ARコート(※)をかけてどの角度でも見えるようにしてるんですよね。見やすく便利だけどすごい技術を使いすぎじゃないですかと(笑)。

原点に戻る話とも関連しますが、電卓は「電子式卓上計算機」の略ですよね。「S100」は、色々な要素を足すのではなく、普通の電卓を原点に戻って一番良いものを、奇をてらわずに突き詰めたんじゃないでしょうか。私たちは、お客様にまずは座って打っていただくことをおすすめしています。そしてお客様の手が止まった時に、操作性やデザイン性のご説明をするようにしています。

そう思うと、やはりふらっと見にきて買う製品ではないですよね。 皆さん「普通の電卓と何が違うんですか?」と仰いますが、「機能は一般の電卓と同じですが、実際に使っていただくとよさがわかるんです」とだけお伝えし、じっくり試していただきます。机に置き、触ってみないと分からない特別感を実感していただきたいのです。

※液晶には、業界初の両面ARコート・ディスプレイウインドウ&FSTN液晶を採用。2017年、カシオ計算機調べ。

―― そこはやっぱり、代官山 蔦屋書店さんならではのこだわりを感じますね。

商品を買ってもらえるとありがたいですし、私たちもそのために接客をしています。でも、無理におすすめしても、「S100」に関しては満足してもらえているのかと逆に心配になります。やっぱり、ものにこだわりがある人、生活にこだわりがある人に製品のよさを納得したうえで、ご購入いただきたいですね。

―― 最近は海外のお客様が訪れることも多いそうですが、そういった方から見て、この商品の反応はいかがでしょうか?

海外のお客様が、この商品をご購入されるケースは多いですね。山形カシオで熟練した技術者が作っている日本製への信頼感、いわゆる精緻なものづくりや正確無比なイメージと、実際の製品が合致している点が大きいのだと思います。

私たちも単なるお土産ではなく、いいものと出会ったと喜んで帰っていただきたいと思っています。「ただ日本製だから」「ただ日本で買ったから」ではなく、「S100」のように世界に通用する商品を持ち帰ってもらえると嬉しいですね。

「S100」という唯一無二のジャンル

―― ディスプレイなど「S100」を扱う上で何か工夫されていることはありますか。

単体で訴求力や確固たる世界観があるので、ディスプレイも2台だけ配置するシンプルな形です。むしろそのほうが説得力を感じてもらえると思います。

  • S100

    実際のディスプレイの様子。ショーケースに鎮座する「S100」は、何処となく高貴さを放っている

―― お客様に新しい価値を提案して、発見してもらうことにつながるわけですね。

はい。ちなみに当店は、珍しい商品や素晴らしい商品を身近に感じてもらいたいという想いから、ガラス壁一面にペンをディスプレイにしています。万年筆をウィンドーショッピング感覚で見てもらい、コンシェルジュにお声がけいただければ座ってお試しいただけるという仕組みです。

一般的にはショーケースの前で立って話す接客が基本ですから、この取り組みは珍しいと思うのですが、電卓こそ、この仕組みが適した商品だと思っています。机に置き、座ってゆっくり試していただくことで魅力に気づいていただきやすくなるわけですから。

―― 熱い想いをお伺いできてうれしいです。

実は、私は万年筆や文房具が好きでこの仕事に就いたのですが、文房具の中でも嗜好品的な要素があるものに惹かれるんです。「S100」も、実用面で見れば安価ですぐ手に入るものがたくさんある時代に、いい意味で“バカ”をやっていますよね。

機能と見た目のバランスを保ちながら、当たり前のことを当たり前に追求する。奇をてらわないって、本当にすごいことだと思います。

―― 本日はありがとうございました。

  • 「S100」について詳しく知りたい方はこちら

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