2018年度第2四半期の昨年度比49%の成長を誇るアマゾン ウェブ サービス(以下AWS)。多くのプレイヤーが混在するクラウド市場でも大きな存在感を示し、2018年度の目標額は200億ドル以上の業績予測を掲げるトップクラスのクラウドベンダーである。世界に18箇所のリージョン(地理的に離れた領域)と55のアベイラビリティゾーン(データセンター群)を展開し、日本では東京リージョンを2011年に開設し、金融機関などコンプライアンス要件に応えるための大阪ローカルリージョンを2017年に開設した。

その結果、AWSを利用するアクティブカスタマーはグローバルで数百万、国内でも10万にも及ぶ。2006年7月の開始以来、数万社のパートナーエコシステムとユーザーコミュニティに支えられ拡大したAWSは、累計66回の値下げを実現してきた(2018年7月現在)。その理由としてアマゾン ウェブ サービス ジャパン(以下、AWSJ)は、利益を顧客に還元するというAmazonの企業理念に基づいたものだと説明する。

コンピューティングやストレージなど125以上のサービスを数えるAWSは、各国の意見を米国シアトル本社に吸い上げて改善や拡張を重ねている。機能改善数も年を追うごとに増加し、2008年は24件だった機能改善数は昨年2017年では1,430件に達した。一般的な稼働日で換算すれば改善回数は1日当たり7~10件におよび、AWSは顧客から頂いた要望を元に必要な機能を実装・実現してきたという。

AWSのグローバルインフラストラクチャーを語る上でアベイラビリティゾーン(以下AZ )の存在は大きい。同一リージョン内にあるAZは低遅延のリンクで接続し、独立した電源やネットワークを備えることで互いが障害の影響を受けないよう設計されたデータセンターのセットである。このAZにシステムを配置することで、高可用性や高信頼性のシステム構築を可能としてきた。今回は先般来、注目を集めている「Windowsワークロード」とAWSの関係について、同社ソリューション営業本部 本部長 吉田淳氏に話を伺った。

Windowsワークロードを支えるAWS

AWSといえば、Linuxに代表されるオープンソース系ソフトウェアを利用するイメージを持つ人もいると思うが、実態は異なる。吉田氏は、「既に多くのお客様が、AWS 上でWindowsベースのシステムを稼働しているが、特に最近はいわゆる企業内にあるWindowsベースの情報系、業務系、そして基幹システムの移行に関する相談を受けることが飛躍的に増えている」という。

多くの企業はこれまでオンプレミスサーバーで社内の認証基盤や業務アプリケーションの運用を行っていたが、クラウドシフトの波に伴い、Active Directory(以下AD)サーバーや.NETベースで開発したアプリケーション、そしてSQL Serverベースの業務システムなど、Windows系システムの移行に関する相談が増加している。

  • アマゾン ウェブ サービス ジャパン ソリューション営業本部 本部長 吉田淳氏

    アマゾン ウェブ サービス ジャパン ソリューション営業本部 本部長 吉田淳氏

そもそもAWSが提供する仮想サーバーのAmazon Elastic Compute Cloud (以下、Amazon EC2)内のAmazon Machine Image(AMI)がWindows Serverをサポートしたのは2008年10月までさかのぼる。Exchange ServerやSharePoint Serverなど多岐にわたるMicrosoft製品に対応し、10年におよぶWindowsワークロードをAWS上で実現してきた。現在では用途に応じてプロセッサー数やメモリー容量が異なる89のインスタンスタイプ、22のインスタンスファミリーを用意し、顧客のクラウドシフトを実現している。

この背景には顧客が持つAWSへの期待が大きい。「初期コストおよびトータルコストの削減、サーバー導入やサイジングからの解放、企業の優先度や新たなサービス展開に対するスピード・俊敏性、最先端のテクノロジーやサービスの利用、信頼性が高く、安定稼働できるプラットフォーム、高度なセキュリティ、グローバル展開の容易性」など、AWSが持つクラウドのメリットが市場に浸透しているからだろうと吉田氏は語る。

  • 10年に渡るWindows 対応インスタンスへの連携の歴史 - 高い親和性と実績

    10年に渡るWindows 対応の歴史 - 高い親和性と実績

前述のとおりAWSJやパートナー経由で寄せられる相談には、Windowsにまつわる既存資産の有効活用なども含まれる。吉田氏は具体的な内容として、「最近特に期待されているのがオンプレのSAPシステムのクラウド移行。SAPの稼働という観点では、高い性能、安定運用が必要条件となるが、弊社は既に数千のSAPを移行した実績を持つ」と説明し、Windowsワークロードの実績をアピールした。

オンプレミスからのWindowsワークロードの移行は難しくない

既存のオンプレミス環境をAmazon EC2に移行する方法として、AWSはVMware vSphere ESXiやMicrosoft Hyper-V上の仮想マシンをAmazon EC2に移行させる「VM Import/Export」を用意する。さらに、無償の「Server Migration Service」を利用するとサーバーの自動増分レプリケーションおよびAWSのコンソールを活用して移行することができる。また、SQL ServerやOracle Database、MySQLなど各種データベースの移行を支援する「Database Migration Service」もある。この他にもパートナー製ツールやソリューションも利用可能となっており、様々な方法で安心してAWSに移行することができる。

  • オンプレからAWSに移行するためサービス

    オンプレからAWSに移行するためサービス

企業のオンプレミス環境をクラウドへ移行する際に、従来システムをできる限りそのまま移し替えるリフト&シフトでは、ADサーバーの存在は無視できない。Microsoft製品の多くはADによる認証基盤を必要とするからだ。「AWSではAmazon EC2というインスタンス上にADを構築することも可能だが、フルマネージドなADサービスも提供している」(吉田氏)

「AWS Directory Service for Microsoft Active Directory」はAWS上に実際にADサーバーが新規に構築されるため、既存環境に影響を与えず管理の負荷を下げながら、アプリケーションやユーザー認証をAWS上で実施するということも可能。もちろんオンプレミスのADと連携するなど、顧客の要望に応じたいくつかのオプションが選択可能だ。

企業のクラウドシフトにおけるシステム移行時の障壁となるのが、大容量データの移行である。場合によっては数十TBから数PBのデータ移行を伴うプロジェクトも珍しくない。AWSはこのような案件に対応するため、データセットを物理的に移行する「AWS Snowball」を用意してきた。「Snowballを介せばインターネットを経由せず、顧客のデータセンターから安全にデータを収集し、短期間にAWSへ移行することが可能」(吉田氏)

クラウドサービスを利用する場合、自社ですべてを管理・監視ができないと考える方もいるが、AWSは性能監視を行う「Amazon CloudWatch」や追跡管理・操作履歴ログ取得を可能にする「AWS CloudTrail」などの運用管理の仕組みを豊富に用意しているため、システム管理者の負担においても、オンプレミス環境よりも軽減される。加えて、Windows Serverに対する更新プログラム配布の自動化や、運用管理製品との連携も可能だ。運用ツールを別途購入したくないという顧客の声にもAWSは万全の備えを用意している。

Windowsシステム移行の先にあるもの -125を超えるサービスと連携し、クラウドネイティブを加速する-

クラウドシフトによる効果は、単にオンプレミスをクラウドに置き換えるものだけではない。たとえば、一旦システムやアプリケーションをそのままAWSへ移行した後に、収集したデータを、データウェアハウス『Amazon RedShift』を活用してビッグデータ分析を行うことができるようになる。また、マシンラーニングやIoTなどの、AWSが持つアプリケーションサービスを移行したシステムとデータを連携して利用できるようになる。企業は、自社のシステムをクラウドネイティブにすることを可能とし、クラウドジャーニーの次のフェーズへ推し進めるようになる。

  • 顧客のリクエストを実現する、AWSの125 を超えるサービス郡

    顧客のリクエストを実現する、AWSの125を超えるサービス郡

またAWSの導入を検討する際に対応するSIerも、前述のとおり巨大なエコシステムを既に構築している。

「現在、530を超えるAPN(AWSパートナーネットワーク)パートナーに協力頂き、中でもMicrosoft技術を得意とするパートナーに対しては、サービスデリバリープログラム-Amazon EC2 for Windows Sever-という領域特化型の認定制度をリリース」しています」(吉田氏)

このプログラムは米国のローンチから数カ月経った程度だが、日本でも多数のパートナーが取得しているという。その背景にはWindows ServerやSQL ServerのEnd of Support(サポート終了)を控えた顧客の要望が大きい。Windows Server 2008/R2は2020年1月14日、SQL Server 2008は2019年7月9日でサポート終了することから、Windowsワークロードのクラウドシフトに対する注目度が高まっているのだろう。

12年の月日はAWSを「1つの世界」にまで押し上げた。その背景には、豊富な導入事例とユーザー企業同士の交流が盛んなコミュニティの存在がある。導入事例は、ユーザー企業は勿論のことパートナーに多くのノウハウを蓄積してきた。また、コミュニティが自ら主導し、参加企業が積極的に自らの成功体験や課題・問題解決を共有する場を全国各地で開催するなど、クラウド初心者からプロフェッショナルまで、AWSを導入する際に必要な情報を得る場所は国内のいたるところに存在している。AWSの躍進はこれからも続く。

~Seminar information~

半日で学ぶ、Windows環境のクラウド移行時に知っておくべき7つのポイント
~Windows Server移行にAWSを選択する理由~

・日 程:2018年10月12日(金) 13:30~
・会 場:東京都新宿区新宿4-1-6 JR新宿ミライナタワー12F マイナビルーム
・参加費:無料 (要事前申し込み)
・主 催:株式会社マイナビ マイナビニュースセミナー運営事務局
・協 賛: アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社

参加申し込みはこちら

[PR]提供: アマゾン ウェブ サービス ジャパン