安全・安心な利用環境の整備と多様化するお客様ニーズへの対応

大久保:昨年12月に創立50周年を迎えられたと伺っています。これまでの半世紀、リーディングカンパニーの1角としてクレジット業界をけん引してこられたわけですが、このような環境のなか、今後の貴社の取り組みについてお聞かせください。

日本クレジット協会

久保:まず取り組むべきことは、改正割賦販売法への対応を通じた安全・安心なクレジットカード利用環境整備に尽きると思います。当社は数多くの加盟店様と取引させていただいており、改正法の主旨をまっとうする責任も大変大きいものと認識しています。しかしながら、当社だけではなく、加盟店様のご協力無しには実現できないのが今回の法改正となっています。社員ひとりひとりが正しく法令を理解し、活かしてくことで、当社自身の情報セキュリティ対策の高度化に加え、加盟店様の信頼を得る絶好の機会にもつながってくるものと考えています。当社ではこれまで以上に積極的に加盟店の皆様とコミュニケーションを図り、一体となって安全・安心なクレジットカード利用環境の整備を進めていく所存です。

 また、創立50周年を機に、経営ビジョンとして「tothe NEXT SURPRISE」を掲げました。これは、お客さまに寄り添い、常に先進的な取り組みを通じて、皆さまに「心地よい瞬間」をお届けする、そんな企業でありたいとの思いを表現したものです。すべてのお客様に対して誠実なパートナーであり続けるため、多様化するニーズをしっかりとくみ取り、業界の先陣を切って新たなことに取り組むことを通じて、決済をはじめとする当社サービスにより驚きと感動を感じていただくこと、それによって消費そのものに対する喜び・楽しみを再び取り戻すことができればと願っています。

 経営ビジョンを具現化するものとして、SMBCグループのキャッシュレス決済戦略を5月に発表しました。これは当社だけではなく、SMBCグループ各社の強みを活かし、事業者・利用者双方のお客様目線でサービスのレベルアップを図るとともに、日本のキャッシュレス決済進展の阻害要因の解決を目指すものです。まず、事業者向けについては、利用者の多様な決済ニーズを低コスト、かつワンストップで提供できる次世代決済プラットフォームの構築を目指すものです。また、この次世代決済プラットフォームでは、決済データを集約し、マーケティングにも活用できる機能も検討中です。利用者向けでは、利便性とセキュリティ、お得さを兼ね備えた、新たなモバイルサービスを提供してまいります。1つのモバイル端末で、クレジット、電子マネー、QR決済等、複数の決済手段、店頭インターフェースの使い分けを可能とし、複数の決済手段を持つ不便がなくなります。また、利用者自身が利用限度を柔軟に設定できる機能に加え、SMBCグループ各社共通のポイントを導入することで、これまでにない、新しいキャッシュレス決済体験を提供していく予定です。