Create!Webフローの導入効果を証明する豊富な導入事例

Create!Webフローによって生まれた具体的な効果を、導入事例をもとに紹介しよう。飲料の製造・販売の大手、アサヒ飲料では、業務のスピードアップ、売上の拡大、コストダウンを目的に2007年よりCreate!Webフローを利用。「電子稟議システム」を構築した。起案、回覧、承認、決裁、稟議文書の保存管理まで、年間10,000件にもおよぶ稟議書関連のワークフローを電子化したことで、まず稟議時間が短縮した。また稟議書を回覧・保存するために費やされていた労働時間(年4,000時間)とコスト(約800万円)の削減にも成功しているという。

そのほか、北里大学を中核にした生命科学系の教育・研究・医療機関である北里研究所や、手芸用品をはじめとした生活雑貨等の販売を行い、全国に460以上の店舗を展開する藤久などでもCreate!Webフローは活用され、ドキュメントワークフローの効率化に寄与している。

新バージョンの開発テーマは「人間中心設計」

幾度かのバージョンアップで操作性、機能性を高めてきたCreate!Webフローだが、今回リリースされたver.5で一番目をひくのは、そのビジュアルだ。

「これまでは製品そのもののクオリティを高めることを目的に、内部構造を改善することがほとんどでした。しかし今回のリニューアルに際しては『人間中心設計』をテーマに掲げ、ユーザービリティに焦点を当ててインターフェースを大幅に修正しました」と、小久保氏は説明する。

一例として図4をご覧いただきたい。左がver.4、右がver.5で、どちらも申請フォームを選択するための画面だ。

「大きな企業になると申請書が100種類以上あり、それが一画面に並んでしまうと目的のものを探すだけで大変です。そこで関連書類ごとにフォルダ分けしたり、キーワードでの絞り込みができるよう、検索窓を用意しました」

  • 図4 ver.4(左)をもととして、ver.5(右)はより使いやすさを向上するための工夫が施されている ※クリックで拡大

またver.4では、申請フォーム入力後に「申請する」ボタンを押すと、一旦、添付ファイルやコメントなどを追記する「詳細設定」画面に遷移し、そこにある「確定する」ボタンで申請が完了する仕様になっていたが、ver.5ではこれらが申請フォーム画面にまとめられ、「申請する」ボタンのワンクリックですむようになっている。こうした変更は画面変遷を減らすことで、ユーザーが感じる煩わしさを少しでも軽減するためだと、小久保氏は説明する。

「販売パートナーから要望を受けた部分については、今回のバージョンアップで修正を加えています。また外部機関にヒューリスティック評価(※)を依頼し、そこで挙がってきた課題についても改善しました。改善案に従って、ボタンに表示する呼称を変えた部分もあります」

(※)専門の評価者が実際に製品を使用し、ユーザービリティの観点から問題がある部分の指摘、改善策の提案などを行うこと

新機能により、紙での処理時に簡単に行えた作業を再現

もちろん機能面でも「人間中心設計」のテーマに沿った改善が行われている。そのひとつが「ページ追加/削除機能」だ。承認が必要な書類の中には、明細表などの別紙を添付しなければならないものもある。紙の書類であれば別紙が何枚あっても、その都度必要な枚数を用意すればすむことだが、ワークフローシステムによっては、複数回に分けて申請しなければならないものも多いという。ver.4では明細行が不足しないよう、あらかじめページを多めに用意しておくという対処方法をとっていたが、今回のリニューアルでは「ページ追加/削除」ボタンを搭載し、問題を解決した。申請フォームに記入している最中に入力欄が足りなくなったら、このボタンを押すことで1ページずつ追加することが可能となった。また一歩、紙と同じ使い勝手に近づいたといえる。

  • 図5 追加ボタンを押すことで、適宜ページを増やすことができる ※クリックで拡大

またフォームへの画像挿入もできるようになった。従来、画像は添付ファイルという形式をとらざるを得なかったが「フォーム上に画像を貼り付けられるようにして欲しい」という要望を受けたため、改善を行ったのだという。

  • 図6 添付扱いだった画像も、ドキュメント内へ挿入可能になった ※クリックで拡大

関連する申請案件、たとえば「出張申請とその精算書」、あるいは「稟議書と発注指示書」などを関連づけられるようになったことも、特筆すべき改善点だろう。申請者が紙の書類をホチキスやクリップでまとめるのと同じように、関連案件のデータを紐付けて提出することができるようになったことで、担当者が承認・決裁の妥当性を判断するのに役立つ機能である。