いまやあらゆる生活、業務に半導体は欠かせない存在となった。半導体製造装置の売上高は昨年、過去最高額を記録し、半導体製造装置向けセラミックス事業を展開するフェローテックセラミックスは躍進を続けている。この競争分野において、同社はどういった事業優位性を発揮し、どんな教育をおこない、どのような人材を求めているのか。成長を続ける同社を紹介する。

  • フォトジェニックなマシナブルセラミックス

高性能な半導体製造装置に欠かせないマシナブルセラミックス

AI・ビッグデータ・IoT・自動運転といったテクノロジーの進化が、あらゆる情報処理装置の発展と普及を後押ししている。巨大なデータセンターから手のひらサイズのスマートフォンまで、情報処理を担う半導体デバイスの需要は右肩上がりだ。調査機関による資料等によれば、昨年の半導体製造装置の世界販売額は前年を大幅に上まわり、過去最高を記録した。

半導体の製造プロセスにおいて、今や欠かせない素材となっているのがセラミックスだ。半導体製造装置用部品のリーディングカンパニーであるフェローテックの子会社、フェローテックセラミックスは「マシナブルセラミックス」の分野で世界トップクラスを誇る。

通常のセラミックスは固く・安定しているという特徴を持つが、それゆえに加工しづらいという欠点を持っている。しかし、マシナブルセラミックスは、まるで金属材料のように、超硬工具で溝を入れたり穴を開けたりすることができる。たとえば板に直径40μmの穴を高精度に数万個開ける、ということも可能だ。こうした製品は半導体の検査部品に用いられる。髪の毛よりも細い穴からプローブ(針)を入れて、半導体の電気回路の動作を判定するのだ。この極小のテスターによって、品質が保証された半導体が社会に供給されていくのである。

マシナブルセラミックス製品は、フェローテックセラミックスの石川工場で材料から生産されている。石川県は17世紀、加賀藩によって九谷焼が発展した歴史を持つが、マシナブルセラミックスはこの九谷焼の陶石に工業材料を混ぜ合わせることで開発された。世界の半導体産業を支える素材は、地域文化と工業技術が掛け合わさることで生まれたのだ。

  • マシナブルセラミックス

    マシナブルセラミックス製品

さらにフェローテックセラミックスは、「ファインセラミックス」を兵庫県の工場で手がけている。高強度・高純度で耐熱性に優れたファインセラミックスは、ウェーハ製造・処理・検査など多岐にわたる工程に用いられている。

  • ファインセラミックス

    ファインセラミックス製品

マシナブルセラミックス・ファインセラミックスはともに、国内外の半導体製造装置関連メーカー企業から、高いニーズを集めているキーマテリアルだ。フェローテックのセラミックス事業の2017年度売上見込みは約81億円であり、前期比で約30%の伸びを見せている。

しかし、半導体業界全体が成長しているからといって、製品が選ばれ続けるとは限らない。常により良く、より低価格であることが求められている。フェローテックセラミックスは、2017年、研究開発機能を集約させた開発センターを石川県に新設した。ここで量産化できるようになったのが、新たな半導体検査部品である。従来は極小の丸い穴を開けていたが、最先端の半導体検査プロセスに要求される四角い穴を、レーザー加工によって高精度に開けることに成功した。

  • フェローテックセラミックス 石川工場
  • フェローテックセラミックス 石川研究センター
  • (左)フェローテックセラミックス石川工場(右)同石川開発センター

「自らを育てる」ための教育システム

新たな半導体検査部品の量産技術を生み出した開発センターで働くのは、20歳台~30歳台の若い社員が中心である。フェローテックセラミックスは毎年新卒採用を実施しているが、若い社員でも世界基準のものづくりを担うことができるのは、同社が11年かけて培ってきた人材育成の成果でもある。

同社は2007年より「基本条件整備」「生産効率化」「人材育成」「安全衛生」「環境」を活動の柱にしたC-TPM活動に取り組んでいる。これは12の職場単位で、グループに分け、それぞれが個別に職場の改善活動の年間計画を策定し、数値目標を決めて実践しており、毎年1回、工場全社員の前で成果を発表する仕組みだ。

「報告会では『よく考えたなあ』と感心することばかりです」と、フェローテックセラミックス 石川製造部 部長 谷藤望 氏は言う。

  • フェローテックセラミックス  石川製造部 部長 谷藤望 氏

    フェローテックセラミックス 石川製造部
    部長 谷藤望 氏

「たとえば、高温で溶解した熱い原料を出炉させて鋳型に入れる、という工程があるのですが、半年の教育期間を経てもうまくできない新人がいました。この職場では、その人の作業をビデオ撮影して、先輩の教えとどう違うのか本人に考えさせることを始めたのです。このように、本人だけの責任にするのではなく、教育方法そのものを見直して改良していきます」

「また、他のグループでは、機械操作の習得が遅れる新人が現れました。従来の指導計画では『機械の段取り』『工具セッティング』『プログラム作成』と指導項目を区分していたのですが、大まかすぎて具体的にどの工程の習得にどれだけ時間がかっているのか、明確になりません。そこで、段取りを『プログラム入出力』『座標原点セット』『接着セッティング』、工具セッティングを『機械への設置』『工具触れ測定』など、できるだけ細分化したうえで、どの項目をいつ優先して教えるのか、より細かい指導計画を作り直したのです。これによって、個々人の得手不得手に合わせた教育をおこなうことができるようになりました」(谷藤 氏)

「自分たちで自分たちを育てる」ことが、フェローテックセラミックスの人材育成のコンセプトになっている。製造には当然、材料を熟知する必要があるが、金属や他のセラミックスと違ってマシナブルセラミックスは社外に教師がいない。「自分たち自身で技術を継承し、また技術を高めていく必要があるのだ。また、同社には社内教育はもちろん、語学など外部講習を援助する制度も整っており、学びを支援し、アイデアを活かす文化がある」と谷藤氏は言う。

  • 後輩の指導にあたる様子

社会の変化に即応できる「好奇心」を大事に

フェローテックセラミックスは「人材育成」以外に環境にも注力している。環境省が策定したエコアクション21に基づいて「エネルギー削減」「CO2削減」「産業廃棄物削減」「総排水量削減」などを数値目標化・実践し、活動レポートを環境省のWebサイトにて公開している。

【関連リンク】フェローテックセラミックス「環境活動レポート」

環境への取組は多種多様だ。打ち合わせ用資料のペーパーレス化、原料容器のゴミ箱としての再活用、食堂で発生した生ゴミの堆肥化などはもちろんのこと、焼成炉や圧縮エアー機器のメンテナンスを徹底することで、無駄な電力消費を抑えることにも成功している。環境活動は国内だけに留まらない。国内外の取引先に対して梱包材・緩衝材の使い捨てを減らすため、再利用化を依頼している。エアキャップやウレタンシートを再利用することで、廃棄物を削減しているのだ。

ESG(環境・社会・企業統治)の概念が提唱されて以来、企業は優れた製品・サービスを提供するだけでなく、持続可能な社会づくりにどう貢献していくのか、という視点からも評価されるようになった。人を育て、グリーンな商品を提供する。こうした基盤を作りながら成長を続ける同社において、今後は「好奇心」のある人材を獲得していきたいと、フェローテックセラミックス 管理部 部長 池永寛 氏は語る。

  • フェローテックセラミックス  管理部  部長 池永寛 氏

    フェローテックセラミックス 管理部
    部長 池永寛 氏

「半導体分野は時代による変化が大きく、自分たちも常に変わっていかなければなりません。従来の方法に留まるのではなく、新たなことにチャレンジできる『好奇心』が旺盛な人を求めていきたいと思います」(池永 氏)

  • フェローテックセラミックス石川工場の皆さん

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株式会社フェローテックホールディングス


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事業説明動画(2017)

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