僕の父は照れ屋というのか自己開示が下手というのか、子どもの前であまり喋らないし笑わない人だった。

たしかキャッチボールをしたこともあるし、遊園地に連れて行ってもらったこともある。でも、僕は父が心底楽しそうにしている様子をほとんど見たことがない気がする。父は理系の研究職で、ひとつ発言するのに100は思考するような人だったから、子どもを相手に話すのがそもそも苦手だったのかもしれない。

そんな父がある夜、「愛してるぞぉ~」と大きな寝言を何度も言っていた。普段の父からはおよそ考えがたい声量だった。

当時小学5年生の僕は、二段ベッドの上で(気持ち悪いな)と思いながらそれを聞いていた。何度目かの「愛してるぞぉ~」の後に、僕の名前を呼ぶ声が続いた。僕はドキリとして、戸惑いにも似た感情を持ったのをよく覚えている。

父に愛されていないと思っていたわけではないけれど、寝言で僕のことを「愛してる」と言うほど、父のなかで自分の存在が大きいとは思わなかったのだ。それは不思議な感覚だった。

父もまた僕と同じように、縮められそうで縮まらない距離を感じていたのかもしれない。あの寝言を思い出すたび、僕は今もあの時とほとんど同じ感情を反芻してしまう。

子どもとうまく話せない?

僕の父がどう考えていたかはともかくとして、自分の子どもとのコミュニケーションに悩む人は多いらしい。

マイナビニュースが子どものいる父親・母親300人にとったアンケートでは、約7割もの人が「子どもとのコミュニケーションの取り方に悩んだことがある」と回答している。

「学校でのことを、うまく聞けないことがよくありました。あまり話したがらない時期がありました」(46歳・男性)
「学校や友だちのことなど、聞いたことにしか答えないし、答えたとしても内容がよく伝わってこないことに悩んでいました」(42歳・女性)

会話が少ない、うまくいかないというのは僕にも覚えがある。親に友人同士の関係をイチから説明するのが面倒だったのだと思う。

「男の子の場合、思春期など自分が経験していない成長過程なので、どう対応したらいいか悩んだ」(40歳・女性)
「娘だったので父親としてどの程度接したらよいのかわからず悩んだ」(49歳・男性)

異性の子どもに対して接し方がわからないという意見。こちらも深刻だ。同年代の異性が考えていることさえわからないのに、子どもほど年が離れてしまうと、より難しくなるのかもしれない。

なんでもいいから接点を増やそう

一方で、コミュニケーション不足を解消するために何らかの策を講じている人もいた。

「ちょっとした話でも少しでもいいから聞いてあげるようにした」(44歳・男性)
「とりあえず、聞く。分からなくても、質問しないで一通り聞いてみる。子どもも話せば気がすむので、とりあえず聞く事にした」(49歳・女性)

「少しでもいいから聞いてあげる」「質問しないで一通り聞いてみる」というのは、子どもからするとかなり嬉しいような気がする。少なくとも僕だったら嬉しかったと思う。

考えてみれば、僕が父との間に感じていた距離も、この辺に原因があるのかもしれない。父と話す時間そのものが少なかったから、なんとなく父には"話すべきでないこと"があるような気がしていた。クラスの人間関係や、放課後によく遊ぶ場所や、昼休みに流行っている遊びも、いつも母ばかりが知っていたように思う。

クレーンゲームの思い出

でも、僕は一度だけ、父が本当に楽しそうに笑う姿を見たことがある。

  • 「タイトーオンラインクレーン」動画より

中2の頃だったと思う。盆の休みに母の実家に帰省したとき、暇を持て余した僕と父は、祖母の車を借りて近所のショッピングモールに出かけた。大型スーパーと、ホームセンターと、ゲームセンターが併設された、田舎によくあるタイプの施設だ。

ホームセンターで買い物を済ませた後、父は「寄っていこう」とゲームセンターを指差した。

僕は少し意外に思ったけれど、「ああ」とか「うん」とか生返事で父についていき、ゲームセンターに入った。父は1,000円札を100円玉に両替し、小銭入れに仕舞うとぶらぶらと歩きだした。僕は無言で父に続いた。電子音が鳴る店内で、ひとつのクレーンゲームの筐体が目に留まった。

「スピーカーだ」

僕は思わず声に出した。当時(もう10年以上前だ)、僕はミニポータブルプレーヤーで音楽を聴いていた。そのクレーンゲームの景品は、そのプレーヤーを立てるスタンド付きのスピーカーで、当時僕は喉から手が出るほど欲しかった。

僕が小走りで筐体に近寄ると、父は「やるんか」と言って100円玉を2枚入れてくれた。ピロピロ鳴る電子音を聞きながら、僕は全神経を集中してスピーカーの箱を狙った。

面白いくらい取れなかった。父は黙って100円玉を5枚投入すると、「ちょっとやらせて」と僕の前に割って入った。

そのとき僕は、瞳孔を全開にしてスピーカーを狙う父の横顔を見た。

  • 「タイトーオンラインクレーン」動画より

父の腕前は僕とどっこいどっこいで、3回挑戦しても箱は微動だにしなかったが、僕が「ねえ、あの上の突起にひっかけるんだよ」と言うと「よし、もう1回だけやるか」と100円玉をまた入れた。僕は、父の表情がなんだか新鮮で、スピーカーの箱と父の顔を交互に見ていた。

クレーンのアームは箱の上部についた突起をかすめた。僕も父も、ほとんど同時に「あぁ~」と失点したサッカーチームのサポーターみたいな声を出した。

父は財布を出しながら、珍しく大きな声で「おい、もう取るまでやるぞ!」と僕に言った。

  • 「タイトーオンラインクレーン」動画より

同年代の友人のように笑う父は、あの時聞いた寝言と同じ声をしていた。

家で"本物"を遊べる「タイトーオンラインクレーン」

こんな話を僕が思い出したのは、今回の企画を受けるにあたり、この動画を見せてもらったからだ。

僕はいい映画などを見ると割とすぐ泣く方なのだが、この動画を見てやっぱり泣いてしまった。3分くらいの長さなので、人目が気にならない場所でぜひ見てほしい(泣いちゃうから)。

動画で紹介されている「タイトーオンラインクレーン」は、パソコンやスマホ、タブレットで遊べるクレーンゲーム。ゲームセンターまで足をのばさなくても、本物と同じ緊張感でクレーンゲームを楽しめるのだ。

  • 人気の景品を300種類以上も用意

  • 時間内なら何度でもクレーンを動かせるタイプで、初心者に優しい

  • 365日24時間いつでもプレイ可能なので、夜間や朝にできるのも嬉しいポイントだ

  • 獲得した景品は、無料で自宅まで配送される。大きなぬいぐるみを獲得したときも安心

遊び方も非常に簡単。お気に入りの景品を探してクレーンゲームをスタートし、前後左右にクレーンを動かす。そして、狙いを定めて"CATCH"ボタンをタップするだけでできるのだ。ぜひとも子どもと遊んでほしいと思う。

景品を落とせようが、落とせまいが、一緒に遊ぶ時間がかけがえのないものなのだ。

子どもの人生にとって、親と一緒に遊べる時間はとても短い。けれど、一緒に遊んだ思い出は大人になっても残り続ける。子どもとのコミュニケーションに迷っているお父さん、お母さん、いかがでしょうか。

[PR]提供:タイトー