老後に備えて早いうちにお金を準備しておこうと考える若手ビジネスパーソンも多いだろう。しかし、銀行にお金を預けていてもなかなか増えないし、投資を始めたくてもどうすればいいかわからない。そもそも仕事が忙しくて投資の勉強をする時間もないという人は、将来お金を使いたい日という目標に向かって資産を形成していく「ターゲット・デート・ファンド」を検討してみてはどうだろうか。

今回マイナビニュース編集部では、フィデリティ投信確定拠出年金部 シニアスペシャリストの高田慎太郎さんに「ターゲット・デート・ファンド」の仕組みや魅力についてお話をうかがった。

ミレニアル世代を中心に米国では広く普及

――ターゲット・デート・ファンド(以下、TDF)とは、どのような特徴を持った金融商品なのでしょうか?

フィデリティ投信確定拠出年金部 シニアスペシャリストの高田慎太郎さん

TDFとは、資金が必要となる目標期日=ゴールに向けて運用していく投資信託(ファンド)のことです。運用をスタートした当初はその運用目的や年齢に見合った最低限のリスクを取って、高いリターンが見込める株式中心の運用を行い、ゴールが近づくにつれて徐々に安定運用に切り替えていく長期の資産形成に適した運用手法になります。長期であればあるほど、投資のリターンを得られる可能性が広がるため、20代・30代の若い方々におすすめの投資法と言えます。

また、投資期間(加入者の年齢)に応じて株式や債券といった投資対象の選択や資産の配分を自動的に切り替えていくことから、“究極のおまかせファンド”と呼ばれることもあるんですよ。

――つまりTDFで運用すると、投資判断などの手間が省けるわけですね。

はい。運用を一任できるので忙しい人に向いているファンドといえますね。例えば入社したばかりのビジネスパーソンの方は、本業のスキルアップやキャリアアップのために学ぶことがたくさんあります。仕事関係のみならず、日頃の疲れを癒したり、気分をリフレッシュするためのプライベートの時間も欠かせないでしょう。

そんな投資にかける時間がないという人にTDFがおすすめです。TDFは投資先の分散を図りつつ、加入者の年齢などを踏まえて運用してくれるので、投資に関する知識がない投資初心者にも打ってつけのファンドといえます。

  • 加入者の年齢(投資期間)に応じたアセット・アロケーションの例

――多忙な人や投資に不慣れな人には非常に頼もしいファンドですね。誕生したのはいつ頃ですか?

TDFは、1990年代中盤に米国で誕生しました。日本では、確定拠出年金(以下、DC)制度が導入された2001年頃よりTDFが提供されるようになりました。

日本のTDFは拡大の途上にありますが、米国や英国ではすでに広く普及しており、投資を行う上での主流の選択肢の1つになっています。例えば2016年の米国のデータでは、DC制度に加入している方の43.2%がDC資産のすべてをTDFに投資しています(図表1)。とくに1980年代から2000年代前半に生まれた「ミレニアル世代」は64.4%と、非常に高くなっていますね。

  • TDFに100%資産配分している米国DC制度加入者比率の推移(図表1)

米国などでTDFが広がった大きな理由は、運用を“おまかせ”できるからです。日本の投資家やDC加入者も同じようなニーズを抱えており、フィデリティ退職・投資教育研究所が実施した「勤労者3万人アンケート(2014年4月公表)」によると、若年層(25~34歳)のDC制度加入者にDC制度で改善すべき点という質問に対して、「自分の代わりに資産運用をしてくれる仕組み」と答えた人が30.1%にも達しています。運用を一任したいニーズが強いことから、いずれ日本でも米国や英国のようにTDFの時代が到来するでしょう。

  • DC制度で改善すべきと考えられる点

長期投資に適したTDFとDCの相性はぴったり

――いまお話があったDCとはどのような制度なのでしょうか?

DCとは自分で準備する私的年金の1つで、「企業型」と「個人型」がありますが、「企業型」と「個人型」では、掛け金の支払い元がそれぞれ異なります。「企業型」は、基本的には会社が掛け金を拠出して従業員の方が運用しますが、「個人型」は、掛け金も運用も個人となります。ご自身で選んだ金融商品の運用成果によって、将来受け取れる年金額が変動します。

また、DCの最大の魅力は、3つの税制優遇措置があることです。まずは「掛け金」。運用商品を購入する際に出した掛け金の全額が所得税と住民税の控除対象(企業型のマッチング拠出部分およびiDeCoの場合)になります。もう1つは運用益。通常の運用で得た利益には20.315%の税金が課税されますが、DCの運用による利益は非課税になります。そして最後が受け取り時です。受け取る方法として一時金を選択すれば「退職所得控除」、年金を選択すれば「公的年金等控除」が適用され、それぞれ税制優遇が受けられます。

――TDFとDCの相性はどうですか?

DCは原則として60歳まで運用資産を引き出すことはできません。基本的に運用期間が長期にわたることから、長期投資に適したTDFとの相性はいいでしょう。60歳まで引き出せないということは、投資期間終了まで着実に資産を運用してくれることにもなります。一見すると不都合かもしれませんが、漠然と将来の年金への不安を抱える若い方にとって豊かな老後の資産形成を目指すうえではありがたい最適な仕組みといえますね。

最低限のリスクで最大限のリターンを確保する運用

――フィデリティ投信のTDFには「ベーシック」と「アクティブ」の2つのタイプがあり、それぞれ目標期日の異なる2060、2050、2040、2030の計8ファンドを提供しています。ファンドの強みはどこでしょうか?

第1に「時間を味方につけた運用」です。日本で提供されているTDFにおいては、リターンとリスクの高い株式の比率を必要以上に抑える傾向が見受けられますが、当社ではゴールまでの時間が長く残された若い時は株式比率を多くして資産を積極的に増やし、次第に安全資産と呼ばれる債券などを中心とした安定運用へとシフトしていきます。つまり時間を有効に活用することで最低限のリスクで最大限のリターンを確保する運用を目指しています。

例えば、退職後のお金のことを考えるとすれば、私と同じような20代30代の方々は2050年や2060年頃に退職予定となっているので、先ほどのDCを運用される中で、TDF「ベーシック」の2050や2060を検討されることをおすすめします。

フィデリティ投信のTDFは、ファンドを運用する際に、投資家の方やDC加入者が負担しなければならない手数料が業界最低水準であることもポイントです。当社のTDFの1つである「ベーシック」では、日経平均やTOPIX(東証株価指数)といった指標と同じ値動きを目指すインデックスファンドやETF(上場投資信託)を投資対象にすることで、業界最低水準の手数料を実現しています。

最後が「海外での実績」です。“フィデリティ”という社名を聞いたことがない人も多いかも知れませんが、実は米国で創業した世界有数の運用会社です。TDFのパイオニア的な運用会社の一角でもあり、20年超にもおよぶTDFの運用ノウハウを有しています。

当社のTDFは8本ありますので、それだけ個々のニーズに合ったファンドを選択できます。「ベーシック」より手数料は高くなりますが、当社の優位性であるリサーチ力が発揮される「アクティブ」に投資する手もあるでしょう。お勤めしている会社が企業型DCを導入している場合、取り扱い金融商品の中に当社のTDFがあればぜひご検討ください。

――最後に投資に関するアドバイスをお願いします。

まずは投資の一歩を踏み出すことが大切です。その一歩目としてTDFはぴったりです。自分のお金を使って投資すれば、自然と株式市場や経済の動きにも目を向けるようになるため、新社会人も含めた若手のビジネスパーソンにとっては仕事の面でもプラスにもなるでしょう。

若手のビジネスパーソンは、仕事にプライベートに何かと忙しいので、お勤めの会社にDCがあるものの、何を選ぶのかわからないときには、“究極のおまかせファンド”であるTDFを選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。

■プロフィール
高田慎太郎さん
フィデリティ投信
確定拠出年金部 シニアスペシャリスト
公益社団法人日本証券アナリスト協会 検定会員補

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