―― とはいえ、対策は必要ですよね。一部ではすでにスタートしているとのことですし、学校としても何らかの外部試験を受けるよう指導していますか?

岩谷先生 :「英検は夏・秋・冬と、年に3回検定の機会があるので、これは受けるように、生徒には強くすすめています。特に秋の第2回検定については、本校では中1から高2までは全員受験です。第1回も第3回も受ける生徒が多いですね。生徒は皆、意欲的に受けています。

英検は、各学年の目標となる級があるので、それをひとつずつ合格していくというステップが踏みやすいこと。それと、受験の機会が年に3回しかないので、受験機会を確保するためにもできるだけ受けるよう促しています。

あとはGTEC。これも重要な検定になると思います。本校では、来年度から、中3から高2までの3学年で年に1回受験させることが決まりました」

―― かつて、英検をウン十年前に受けた、という親御さんも(筆者も含め)多いと思いますが、やはり検定内容は変わってきているものですか?

岩谷先生 :「かなり変わってきていますね。ライティングが導入されたので、3級以上は完全に4技能になりました。何しろ、すでに私大が4技能以外は受け付けなくなっていますから。

以前の英検は、1次試験はリーディングとリスニング、2次試験は面接(スピーキング)でした。実際に英文を書くライティングは、準一級以上のみだったんです。しかしその後、2級で導入されて、続いて準2級、3級でも導入されました。そんなわけで、英検も3級以上は完全に4技能型になったのです」

―― そういえば、一部私大ではすでに英検の点数の提出を求めるところもある、というお話がありましたね。

岩谷先生 :「推薦入試やAO入試では、出願条件の中に英語の試験が挙げられていることが非常に多いんです。その資格をクリアしないと、出願すら認められません。

たとえば、英検準一級を持っている生徒しか出せない推薦とか、英検2級を持っていないと出せないとか」

―― 同じ学校でも、推薦のレベルがあるということですか!?

岩谷先生 :「あります。学部によっても基準が違いますし、推薦の枠によって級が違ったりもします」

―― まさに、大学入学共通テストを先取りしている形ですね。

岩谷先生 :「私大は世の中の動向を見て、早めに動きますから。英語の試験は数年前からすでに4技能になっていますし、高校としても、できるだけ検定試験を受けるよう生徒にすすめているのです」