プレゼンテーションに苦手意識があったり、失敗した経験があったり、あるいは初心者だから不安を感じるといった人は多い。人前に立って何かをアピールするのは確かに難しく考えてしまいがちだが、一方でそんな不安をまったく感じさせず、見る人を引き込むプレゼンテーションをする人もたくさんいる。一体何が違うのか、日本ではトップクラスのプレゼンの達人、エバンジェリストの西脇資哲氏にインタビューする機会があったので紹介しよう。

また、西脇氏の実際のプレゼンや西脇氏が作成したPowerPointも紹介していきたい。

西脇資哲
エバンジェリスト
Microsoftのエバンジェリストであり、様々な会場で製品やサービスの魅力を人々に広げるための活動をしているプレゼンの達人。セミナーで人々にプレゼンの極意を伝授するのはもちろん、ラジオ番組でメインパーソナリティーを務めたり、ドローン関連企業のプロデュースをしたりするなど、ジャンルを問わず幅広い活動を続けている。

プレゼン時にやってしまいがちな失敗とは

――プレゼンテーションで失敗したり、不安を感じたりする人が多いのですが、どんなところに問題があるのでしょう?

西脇氏:「個別には様々なケースがありますが、総じて言えるのは『準備不足』ですね。昔のプレゼンは上手に、丁寧に、分かりやすく間違えないように話すのがテーマでしたが、現在のプレゼンは、かっこよくてスタイリッシュ、ドラマチックな演出や美しい映像も使える。

ですから、魅力的なプレゼンテーションをするには、映像を流すタイミングやポージング、スライドの見せ方など、色々なところに準備や練習が必要なんです。これができないとタイミングがずれたり、不慣れゆえに単純なミスをしてしまったりする。準備が足りなければ失敗も多くなるのは仕方ないところですね。

例えばタイムワークにしても、私はすごく気にしながらプレゼンしています。それは、準備をしっかりやっているから、時間配分をどうすればよいか理解できているからです。

慣れない、失敗する、これから始めるという人でも十分な準備をすれば魅力的なプレゼンテーションができるはずですよ」

魅力的なスライドとは

――魅力的なプレゼンテーションをするためのスライドの作り方ってあるのですか?

西脇氏:「プレゼンテーションでは、1枚のスライドをいかに上手く作るか、それが組み合わさったときに全体のシナリオが説明できているのかという二つの要素が必要です。スライドはプレゼンの材料のひとつでしかないので、あくまでも補助としての役割が大きいですが、だからこそ工夫が必要です。特に最近のPowerPointでは、画像や動画、アニメーションなどが簡単に使えるようになっていますから、文字の読み上げにこだわらず、スライドにも表現力を持たせるほうがよいですね。

緻密なスライドを作るよりも、エッセンスだけを表現している“上手い”スライドを重ねて、ストーリー性を持たせたプレゼンテーションで相手に思いを届けることにこだわったほうがよいものが生まれるはずです」

スライドだけじゃなく気をつけるべきポイント

――スライドを作る事以外に気を付けたほうが良い点はありますか?

西脇氏:「人間の指、腕、肩、顔の角度、目つき、表情といったすべてを含めてプレゼンテーションすべきです。昔は来場者も資料をみながら聞いていましたが、今はプレゼンターを見ていることが多くなっています。

資料作りの腕を磨くのではなく、いかにプレゼンテーションを操っているか、あるいは会場を上手に操っているか、そこが重要ですね」

プレゼンをさらに加速させるためのデバイス

――プレゼンテーションをする上で必要なデバイスはありますか?

西脇氏:「私は基本的にパソコンの画面をみながらプレゼンテーションをしないんです。お客さんをみながら進めているので、PowerPointの操作は手元でやる必要があります。スライドを送るデバイスやレーザーポインターは、たくさんの商品があるので自分もそれらを使ってきましたが、実はレーザーポインターに変わるデバイスをずっと探していたんです。

最近のプレゼンテーションではお客様の目線を引き寄せることが大事なんです。そのためには自分が見せたいところを指し示すだけでは不足で、今説明している部分をクローズアップしたかったんです。そんなことを可能にするデバイスを何年も探していたんです。

そんなときに、ロジクールから『Spotlight』が出てきました。待ち焦がれていたデバイスがついに登場って感じです。

これはスライドで注目して欲しいところをクローズアップでき、なおかつ周囲をグレーアウトできる。見せたいところだけをそれこそスポットライトを当てるように大きくできるので、理想に近いことが実現できました。プレゼンを『Spotlight』がさらなる高みへ連れて行ってくれるっていう感じですかね」

  • スタイリッシュなデザインのSpotlight。西脇氏愛用の濃いグレーの「スレート」(写真左)のほか、「ゴールド」(写真右)、「レッド」が用意されている

――プレゼンテーションでステップアップを目指しているビジネスマンに一言お願いします。

西脇氏:「しっかり準備をすればプレゼンテーションは成功します。成功を繰り返すと自信がつきますし、ステージの上での立ち振る舞いに余裕も生まれます。お客様の目線をくぎ付けにできるような魅力あるプレゼンテーションができるようにがんばってください」

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次ページでは、そんな「Spotlight」について詳しく解説していくとともに、西脇氏に実際に「Spotlight」をプレゼンしていただいたので、その様子を動画でお届けしたい。

また、西脇氏が作成したPowerPointのスライドもダウンロードできるので、そちらも合わせてチェックしてほしい。