現代の魔術師をはじめ数々の異名を持ち、若い世代を中心に絶大な支持を得ている落合陽一氏。研究者であることはもちろん、メディアアーティストでもあり、経営者でもある彼は日常的にコンピューターを手足のように操る日本屈指の使い手でもある。そんな落合陽一氏に、20代の若者にどんなパソコンがオススメか聞いてみたので紹介しよう。

落合陽一氏。研究者でありながら、メディアアーティストや経営者など、多才に活躍している。公式プロフィールはこちら

■落合氏の原点は小学生からすでに始まっていた……?

――本日はよろしくお願いします。ではさっそくですが、落合さんはいつ頃からパソコンを使っていたんでしょうか?

8歳の頃、CGがとてもやりたくてMicrosoft Windows 95マシンを買ってもらいました。当時はパソコン高かったですね。数十万円はしたと思います。メモリも16MBか32MBぐらいしか積めず……今考えると非力なマシンでしたが、当時の感覚でスムーズに動くソフトウェアがあって、それをつかってCGを書くのが楽しかったです。

――8歳のときですか。その当時からすでに、今やっている研究や活動につながるものを感じますね。

今思うと確かに当時から、そんなことを考えていたのかも知れません。当時やっていたCGは、オーディオやビジュアルをひとつの画面を見ながら楽しむものだったのですが、それを空間で見たり感じたりできるよう音や光を3次元化したり、そうしたコンピューターによって多様性を実現するといった部分などに興味があるんです。

――現在、様々なITデバイスが出ていますが、普段はどんなものを使っていますか?

研究用のものはHPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)向けのGPU製品が乗ったものになるので別ですが、研究の議論などプライベートでは、スマートフォンもタブレットもノートPCも使ってますよ。ほとんどの場合、全部持ち歩いてます。ノートPCはプログラムやプレゼンテーション資料の作成の時に使用して、あとはスマートフォンかタブレットがメインです。チャットツールや論文添削などは、それで問題ないので。

――20代の若者たちはパソコン離れが進んでいるなんて話も聞きますが、実際はどうなんですかね?

少なくとも私の周りはそんなことないですね。私が教えている学生やラボ(研究所)のみんなはパソコンが無いと単位が取れなかったり、仕事ができないのでそもそもやっていけません。ですから、普段接している若い世代はみんなパソコンを使いこなしています。遊びやプライベートならスマートフォンだけでも大丈夫でしょうけど、やはり仕事となるとパソコンは必須だと思います。プログラムを書いたり、画像や映像を作ったりする上でスマホのような内側の秘匿されたインタフェースだけだとやりづらいですから。

画面のサイズを考えてみても、スマートフォンが5~7インチ、ノートPCで一般的なものは13~15インチあります。さらに解像度も違うわけですから、一度に表示できる情報量が全然変わってきます。演算処理の能力だって、GPUを考えると桁が違うのでやはりパソコンでないと仕事にはならないですよね。

――やはり、使用目的に応じてパソコンとモバイルデバイスの使い分けが肝心ですね。パソコンを買うときどんなところに気を付けてますか?

後からパーツを簡単に付け替えたりできないノートPCを購入する時は、最初からHDDではなくSSDなど、スペックのより高いものを選ぶかどうかは、重要だと思います。特にオンボードは後々のことを考え、最初から高いのを買いますね。それによって使い勝手も変わってくるので。やはり、OSやソフトウェアの起動がHDDと比べて圧倒的に速いので一度使ってしまうと離れられないですからね。

他にも私のところのラボでは、負荷の高い処理にはGPUも使います。ですから、そういう用途では、より高性能なグラフィックスボードが使えるデスクトップPCが必要になってきます。

――落合さんは、どんなタイミングでパソコンを購入されますか?

大体は今使っているマシンのストレージが一杯になると、データをクラウドにバックアップして次のマシンを購入します。パソコンが壊れてしまうと仕事にならないので、半年に一回ぐらいは買い替える感じです。あとは、メモリとかグラフィックの関係でエラーが起きたり、"壊れる前兆"のときですかね。

――かなりの頻度ですね!

メインマシンが壊れるリスクを考えるとそうなりますね。壊れなくても、前に使っていたマシンを残しておけば、それがバックアップマシンとしても使えますし。万が一、今使っているものが壊れても、データ移行をするだけで、すぐに仕事ができる環境を復活させられるので継続性も上がります。パソコンが壊れると、ほんとうに仕事にならないので。