コスト削減、機器・設備管理の負担軽減、スピーディなスケールイン/アウト、大規模データ利用などクラウド活用によって企業には多くのメリットがもたらされる。しかしそれまで利用していた基盤からクラウドへ移行するには、手間暇のかかる準備が必要だ。データの移行計画はもちろんだが、業務プロセスの見直しも重要となる。クラウドでできること、できないことを確認したり、クラウドならではのサービスをいかに利用するかなどを検討したりしながら、円滑な業務と、効果的で安全なデータ活用を両立できるプロセスを組み立てなければならない。

アビームコンサルティング (以下、アビーム)は、こうしたクラウド移行にまつわる大がかりな準備から、運用開始後のサポート・保守まで、すべてをワンストップで請け負うサービス「ABeam Cloud® (アビームクラウド)」を提供している。その詳細や特長について、アビームの執行役員である小野沢 正樹氏に聞いた。

様々な業種・業界を知り尽くしたアビームならではのサービス

まずABeam Cloud®の構成を紹介しておこう。ABeam Cloud®は主に3つのパートに分かれている。一つ目は「業務アプリケーション」だ。ERPやアナリティクス、IoTなどを実現するアプリケーション群が揃っている。二つ目は「クラウドサービス」。複数のクラウド事業者と提携することで、顧客の業務に最適な基盤を選定するだけでなく、バックアップやセキュリティ対策までを包括する。そして三つ目は「運用・保守サービス」。通常パブリッククラウドを利用する場合、顧客自身に任されている運用・保守も、アビームがアウトソーシングで対応する。

なかでもアビームならではの強みが活かされているのが、業務アプリケーションだ。“アビームコンサルティング”という社名の通り、同社はそもそもコンサルティングを手掛ける企業だ。製造、流通、社会インフラ、金融、公共など、あらゆる業種・業界で、企業の課題解決や戦略立案を支援しており、それぞれのビジネスに精通している。業界特有の業務プロセスや課題について、豊富なナレッジを持っているということだ。様々な業界向けに、同社が数々のプロジェクト参加で蓄積した経験・ナレッジを、標準業務モデル「Industry Framework®」(社内資料)としてまとめあげている。

ABeam Cloud®は、この「Industry Framework®」をベースに作成したERPテンプレートをSaaSとして提供するため、ユーザー企業は一からシステムやアプリケーションを開発することなく、短納期・低コストで、業界標準の業務システム(ERP)をクラウド上に起ち上げることができる。また、ERPの標準機能では対応できない企業特有のプロセスや個別の要望にも、テンプレートに追加された開発済のアドオンプログラムで対応が可能だ。

「ABeam Cloud®は、我々がこれまで様々なお客様と接するなかで蓄積したナレッジをベースにした"ビジネス・イノベーション・プラットフォーム"です」と、小野沢氏は言う。

アビームコンサルティング
執行役員  プリンシパル
プロセス&テクノロジー
ビジネスユニット
ITMSセクター 小野沢 正樹 氏

テンプレートは現在、製造業界以外に、公共機関・商社・不動産・鉄道の5業界にあわせたものが用意されている。どれも代表的なERPパッケージ製品に対応しているが(企業オリジナルプログラムを使用している場合は、アビームがインテグレートを行う)、現在最も利用されているのがSAPとの組み合わせだという。

「グローバルスタンダードとなっているSAPに対応していることで、お客様が海外進出される際にも問題なくご利用いただけます」(小野沢氏)

ABeam Cloud®にはERPテンプレート以外にも、昨今急成長しているサブスクリプション型ビジネスを支えるアプリケーションや、キャッシュマネジメント、需給管理などに役立つ数々のソリューション、テンプレートが用意されており、迅速・低コスト・円滑なクラウド移行と、効率的な業務遂行に貢献する。

スムースなクラウド活用へ - ABeam Cloud®採用の効果

ABeam Cloud®を採用している企業では、どのような効果が上がっているのだろうか。ある企業は、不動産管理にオンプレミスの個別システムを利用していたが、ハードウェアのコスト削減や、経理システム・不動産管理システム間の連携にかかっていた負荷の軽減などを目的に、ABeam Cloud®を利用してクラウドへの移行を図った。アビームのサポートのもと、不動産業に特化したテンプレート「アビーム不動産管理ソリューション(ACRES:ABeam Cloud RE Solution)」を採用しプロジェクトを進めることで、維持管理コスト削減とシームレスなシステム連携を実現したという。

また小売り・サービスなどを幅広く手がける某企業では、SAPだけでなく、ECサイトをはじめとするすべてのシステムをクラウドに移行した。ほかのベンダーからは「SAPの移行はできるが、移行に伴う業務面での影響を判断するのは難しい」と言われたというが、ABeam Cloud®を利用し、業務への影響を予測・抑えながら、半年で移行を完了させた。アビームが持つSAPに関するナレッジと、コンサルティング業で培ってきた小売業界についてのノウハウが活かされた事例だ。全システムのクラウド化により、この企業は業務の効率化やデータ処理のスピードアップに成功している。

変革が求められる今、企業のチャレンジを支える

アビームの実力は、インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)から「IIJ Partner of the Year 2016」で「IIJ GIOアワード」を受賞したことでも証明されている。これはABeam Cloud ®の基盤としてIIJ のクラウドプラットフォームGIOを採用し、成果を上げたことに対して贈られた賞だ。ABeam Cloud®がプライベート/パブリックなどの基盤を問わず、顧客の課題解決とクラウド運用支援に貢献できることを示した一例といえるだろう。ABeam Cloud®の今後について、小野沢氏はこう語る。

「業種に特化したテンプレートや、対応できるERPパッケージのバリエーションは、さらに増強していく予定です。また現在、クラウド時代にあわせたセキュリティの強化にも取り組んでいるところです。―― 競争が激しさを増すなかで、既存のビジネスを変革させることも必要となるでしょう。わたしたちはお客様のそうした新しいチャレンジを、ABeam Cloud®というサービスを通して、今後も積極的に支援してまいります。将来的にはABeam Cloud®のユーザー様同士が互いのデータを連携させて、新たなイノベーションを生み出していただけるような、大きなプラットフォームに育てていければと考えています」

[PR]提供:インターネットイニシアティブ