毎日の通勤に上司の小言、取引先とのあれやこれやとストレスが溜まりがちな現代社会。
積み重なるストレスのせいか、なんだか胃が痛かったり重かったりすることはないだろうか。そんな人に知ってほしい病気が「機能性ディスペプシア」だ。2013年に保険病名として承認された比較的新しい胃の病気で、今までは慢性胃炎と診断されるケースもあったという。一体、どのような病気なのだろうか?原因と対応策について紹介する。

ストレスを感じる社会人に質問! 胃の調子はどうですか?

もしかして…と普段からストレスを感じる人にとっては、この胃の痛みや重さの原因が機能性ディスペプシアなのか気になるところだろう。
心当たりのある人は、まずは機能性ディスペプシアかどうかをぜひセルフチェックしてみてほしい。

機能性ディスペプシア チェックリスト

▼症状編
□ 食後いつまでも食べ物が胃の中にあるような“もたれ感”が続いている
□ 食事を始めてすぐに食べ物で胃がいっぱいになる感じがする
□ みぞおちが痛む
□ みぞおちに焼ける感じがある
□ 普通の量の食事でも食べきれない
□ 健康診断では特に異常がないといわれた

▼生活編
□ ストレスを感じている
□ 不規則な生活になりがちだ
□ タバコを吸っている
□ 脂っこいものばかりたべている
□ 運動をほとんどしていない

※監修:春間賢先生(川崎医科大学総合医療センター 特任教授)

いかがだっただろうか。このチェックリストで1個以上当てはまってしまった人は機能性ディスペプシアに注意してほしい。とはいえ、具体的にどのような病気なのだろうか。

見えない胃の病気「機能性ディスペプシア」

「機能性ディスペプシア(FD:Functional Dyspepsia)」の大きな特徴は、胃もたれやみぞおちの痛みなどの不快な胃の症状があるにもかかわらず、内視鏡などで見ても、胃の粘膜などに特に異常がない“見えない胃の病気”であることだ。日本では2013年に初めて機能性ディスペプシアが正式な診療名として認められたが、これまでは神経性胃炎やストレス性胃炎、胃下垂などと診断されていた。
現在、日本においては健康診断を受診している人の11~17%、胃の症状を感じて医療機関を受診した人の45~53%に機能性ディスペプシアの患者がいると考えられている。それほど多くの人が悩む病気といえる。

症状には大きく2つに分けられる。
ひとつは食後の胃もたれ感、早期満腹感がある「食後愁訴症候群(PDS:postprandial distress syndrome)」、もうひとつは、みぞおちの痛みや灼熱感がある「心窩部痛症候群(EPS:epigastric pain syndrome)」だ。言わば、前者は“胃の運動不足”、後者は“胃の知覚過敏”といった具合だ。

どちらのタイプも原因のひとつにストレスが挙げられる。ストレスにより自律神経のバランスが崩れてしまうことで、これらの症状が引き起こされてしまうという。働き方の変化やSNSの普及、超高齢化社会など、現代社会のストレスも多様化しており、その影響が機能性ディスペプシアという形で出ているのかもしれない。

これまでは、目視できる症状がなくストレスからくる胃の痛みと軽く捉えられていたが、病気として認められたことで今後は治療が進むことが期待されている。機能性ディスペプシアは放置すると、痛みから仕事や勉強などに集中できずに生活の質(QOL:Quality of Life)が低下する恐れがある。また十分な食事がとれずに栄養不足に陥ったり、精神的にも辛くなったりと負の連鎖が続いてしまい、心の健康にまで影響がおよんでしまうことも少なくないという。

機能性ディスペプシアの対処法は…?

ストレス性の胃の不快感が、心の健康にまで影響するかもしれないという機能性ディスペプシア。具体的にどのように対処すべきなのだろうか。
対処方法として、ここでは 「生活習慣の改善」「薬物治療」の方法を紹介する。また近年の研究で機能性ディスペプシアの改善効果があると報告された 「乳酸菌」を紹介する。

まずは、胃の働きに関する自律神経の乱れを整えるための、 生活習慣の改善
「十分な睡眠をとる」「腹八分目にする」「よく噛んで食べる」「禁煙」「その人に合った適度な運動をする」「規則正しい生活をする」といったことを心がけ、自律神経が正常に働くような生活をおくることが重要だ。症状がつらいときには市販の胃薬などを服用することも構わないが、生活改善や市販薬を1~2週間続けても症状が良くならない場合は、消化器内科のある医療機関を受診すると良いだろう。

そして、 薬物治療。医療機関での治療では個々の症状によって対応は変わるが、胃もたれや早期満腹などの症状がある「食後愁訴症候群」ではアコチアミドなど胃の運動機能を改善する薬が処方される。みぞおちの痛みが強い「心窩部痛症候群」のケースでは、H2ブロッカーなど胃酸の分泌を抑える薬が使われる。心理的要因が強い場合は、抗不安薬を使用することもある。
ただ、原因が完全に解明されていないため、症状に合わせた薬を試してもあまり効果が見られない場合もある。そういった時は薬を変えながら合う治療薬を見つけていかなければならないが、それがストレスの原因になるケースもあるという。

生活習慣の改善や薬物治療を対処法としてあげたが、近年の研究で、機能性ディスペプシア症状に対して軽減効果があったと報告された乳酸菌がある。それが、 Lactobacillus gasseri OLL2716(以下、乳酸菌OLL2716 株)」 だ。

この乳酸菌の最大の特徴は、 酸に強く、生きて胃の粘膜に長時間留まり活発に活動すること。 この働きによって、胃潰瘍などの原因とされているピロリ菌の働きを抑制することがわかっているが、最新の研究により機能性ディスペプシアの改善効果も期待できることがわかってきた。

この乳酸菌OLL2716株が入ったヨーグルトを、ピロリ菌を保有していない機能性ディスペプシアの症状がある人に食べてもらったところ、4週、8週、12週と期間が長くなればなるほど症状が無くなったと感じている人が多くなったという調査結果がある。プラセボヨーグルトを食べていた群と比較すると、およそ約2倍もの差が出ている。

試験食品摂取12週後のPDSおよびEPS様の症状の除去率 (出典:Digestion 2017;96:92-102)

[評価方法]
試験食品摂取開始前にPDSタイプであった人を対象にPDS症状の除去率を解析した。
試験食品摂取開始前にEPS様タイプであった人を対象に EPS様症状の除去率を解析した。
群間比較はFisherの正確確率検定により実施し、p<0.05を有意とした(* p<0.05 (両側)、N.S. 有意差なし)。

胃が健康であれば、食事を美味しく楽しむことができ、健やかに人生をおくることができる。しかし、そう望んでいてもストレスで胃の不快感が続いてしまう人は機能性ディスペプシアの可能性があるかもしれない。生活習慣を見直したり、病院に通ったりしていく一方で、近年の研究で明らかになってきた乳酸菌OLL2716 株を食習慣に取り入れることも対処法のひとつとしてチェックしてみてほしい。

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