データはデジタル変革の生命線

近年、企業においては、データの重要性が見直され、デジタルテクノロジーとデータに基づいて業務やビジネスそのものを改善する「デジタルトランスフォーメーション」への取り組みが進むなど、ビジネス全体におけるデータの有効活用がますます重要となっている。データを分析・活用し、先見性を持ってビジネスを変革することが求められているのだ。

こうしたビッグデータやモバイルなどの利用拡大により、扱う情報量が爆発的に増え、新たな変革期を迎えている企業ITシステムだが、過去25年を振り返ると、中心となる技術が時代とともに移り変わってきたことがよくわかる。1990年代後半から2000年にかけては、コストの削減やベンダーに縛られないITの実現を目指し、それまで主流であったメインフレームから、汎用サーバーを用いた"クラサバ"型のシステムへ移行することが大きなテーマだった。その後、インターネットの普及、仮想化やクラウドといった技術革新を受け、2010年頃には「ビジネスに貢献するIT」を目標とした、アプリケーションやソフトウェアの見直しによる企業システムの最適化が重要な課題とされてきた。そして現在の、「データにもとづく変革」である。つまり、ITの進化を支えるベースがハードウェア技術からソフトウェアへ、さらにデータへと変遷してきたといえる。

米ネットアップ シニア ヴァイスプレジデント CMO ジーン・イングリッシュ氏

そうした25年の変革を創立から見続けてきたのが、米ネットアップだ。同社は1992年に創業し、翌年にNASの販売を開始。その後、1台でSANとNASの双方に対応するユニファイドストレージの開発などを経て、現在はオンプレミスとクラウド環境間で柔軟かつ容易なデータ管理を実現する、「データファブリックアーキテクチャ(以下、データファブリック)」の提供を行っている。創業時から一貫しているのは、簡単かつスムーズなデータの利用と、シンプルで安全なデータ管理を実現するというコンセプトだ。

同社でシニア ヴァイスプレジデント/チーフマーケティングオフィサー(CMO)を務めるジーン・イングリッシュ氏は「デジタルトランスフォーメーションによって、世界が急速な変化を遂げている。それは2/3にのぼるCEOがデジタルトランスフォーメーションを企業の戦略の中心に据えていることにも表れている」と指摘する。

「現在、企業は業務のデジタルトランスフォーメーションによってビジネス全体の改善に取り組み、様々な価値を生み出しています。たとえば、モバイルやソーシャルの活用による新しい顧客との接点の創出や、イノベーションによる事業展開、コスト削減を含めた経営全体の最適化などです。そうした変革の生命線となるのが、データです。そのデータは、常に分散していて、ダイナミックに動き、多様性を持っているので、管理と活用方法がデータを活かしたビジネス推進において重要なポイントとなるのです」(イングリッシュ氏)

つまり、データがさまざまなシステムや遠隔地に分散されても失われることなく、ユーザー環境に適応してデータを自在に移すことが可能で、データの種類によらず統合的な価値を生み出すことができる──デジタルトランスフォーメーションが加速するこれからの時代においては、こうした効果的・効率的なデータ管理の実現が不可欠なのだ。

ユーザーがデータで世界を変える手助けを

そうしたデジタルトランスフォーメーション時代において、ネットアップは「データの権威(Data Authority)」であると自負しているとイングリッシュ氏は強調する。データを効果的に活用するには、ハイブリッドクラウド環境を構築し、さらにそれを効率的に運用することがカギとなる。そうしたなかで同社こそがハイブリッドクラウドの力、そしてデータの力を最大限に引き出すソリューションやサービスを提供する唯一の企業であると語った。

「ネットアップは創立以来、データの管理に関するビジネスに注力し、ノウハウを蓄積してきました。パートナー各社との協力関係も深めています。またお客様の声をもとにした製品やサービスを提供し、データを安全・柔軟・快適に扱うシステムを構築してきた豊富な経験を持っています。そうした実績があるからこそ、私たちはデータの権威として、ユーザーの皆様が"データによって世界を変える"ことを手助けできるのです」(イングリッシュ氏)

データを必要なときに柔軟に利用できるよう管理し、ビジネスの変革につなげることは、企業の発展に向けて取り組むべきミッションのひとつとなってきている。実際、ネットアップは「どのようにデータを活用すればよいのか」「データをどこに置いて、どのように運用すればよいのか」といった質問を顧客から頻繁に受けるという。

それに応えるのが、ネットアップの「データファブリック」というビジョンである。これを実現することでオンプレミスシステムやプライベートクラウド、パブリッククラウドといった異なる要素・技術から成り立つ環境においても、一貫したデータ管理とデータモビリティを実現できるようになる。つまり柔軟なデータ活用や連携が可能となり、ビジネスの加速が実現できるのだ。

「データファブリック」により、一貫したデータ管理とデータモビリティが実現できる

イングリッシュ氏は、企業がビジネス変革のためにデータ活用を進めるには、データ保護、データ管理における効率性の追求、先進技術との連携、そしてオープン性の4点を考慮することが必要だと説明する。

「データ管理においては、データが作成されてから削除あるいはアーカイブされるまでのライフサイクル全体を把握しなければなりません。そのうえで、自社の予算に応じたリソース管理の方法を追求する必要があります。クラウドなどの先進技術への対応を前提とした将来性の担保も重要です。また特定のベンダーや要件にとらわれずに技術の導入や連携ができるよう、オープン性にも注目すべきです。それらを可能にするのが、ネットアップの『データファブリック』なのです。従来からネットアップの製品やソリューションを利用しているインフラ担当者はもちろん、CIOなどITシステム全般を司る方、そして実際にデータを活用してビジネスを創造、展開していく新しいユーザー部門の方にとっても、『データファブリック』は大きなメリットがあります」(イングリッシュ氏)

また、データの管理に加えてフラッシュ領域でもリーディングカンパニーである同社は、既存インフラの最新化にも貢献する。クラウドアーキテクトやDevOpsユーザーを対象に、Next-Generation Data Center(次世代型データセンター)の推進に取り組んでいくという

As a Service/APIによりデータのさらなる統合管理を実現

企業のビジネス改善に寄与する「データファブリック」を具現化するのが、データ管理のためのポートフォリオ戦略だ。同社の特長は、クラウドサービス、ソフトウェア、ハードウェアという3つの提供モデルを用意しつつ、顧客のニーズに合わせて、統合されたデータ管理環境を提供するという点にある。

さらにネットアップは、このポートフォリオに加えてAs a Serviceによる新しいサービス提供を開始している。またそれらを共通化することで、APIとしても提供するという。これにより、同社のストレージと、他社のストレージやさまざまなSaaS、PaaSが持つデータを、ひとつ上位のレイヤーで管理。多彩なパートナーとの連携を通してエコシステムを広げることで、「データファブリック プラットフォーム」として進化させていくことを考えている。こうした同社のサービス以外の環境にあるデータとの連携、およびそれらの一括した管理の実現を目指しているのだという。

ネットアップのストレージポートフォリオ。これに加えて「As a Service」や「API」という新しい領域のサービス提供も行う

同社は「ハイブリッドクラウド時代におけるデータの権威」として、オンプレミスやクラウドのストレージとAWS Simple Storage Service(S3)のデータを同期するハイブリッドデータ管理ソフトウェアサービスである「Cloud Sync」や、容易なクラウドバックアップを可能とする「AltaVault」も提供している。また、オンプレミスとクラウドストレージのデータ自動階層化を実現する「FabricPool」や、Office 365といったパブリッククラウドサービス上のデータ保護を自主的に行えるようになる「Cloud Control for SaaS」なども発表している。

偏在するデータやそれを取り巻く技術への対応が必須となるハイブリッド環境では、「データをいかに運用し管理するか」が大きな命題となる。ネットアップの「データファブリック プラットフォーム」は、それに対する最適な解といえるだろう。

4つの機能の提供をはじめとして、ネットアップは「データファブリック プラットフォーム」の実現にむけて取り組んでいる

「データファブリック」によりデジタルトランスフォーメーションの実現を今後も支援

最近では、金融業界における革新的なサービス提供の潮流となっているFintechを筆頭に、デジタルテクノロジーによって、新たなビジネスモデルや市場を創出するデジタルトランスフォーメーションへの取り組みが多くの業界で進んでいる。市場が急速に変化するなか、企業が競争力を高めていくためには、他社より一歩先を行くための先見性を持つ必要がある。そのために重要となるのがあらゆるデータを柔軟に活用、管理できる環境を整えることだ。そうしたニーズを実現するのが、ネットアップの「データファブリック」である。自社のビジネス変革や改善を行う担当者は、同アーキテクチャの根幹をなす「データの容易な利用と、シンプルで安全な管理を可能とする」というコンセプトにならい、業務に取り組んでみてはいかがだろうか。

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