鮮やかさとナチュラルさを融合して「SNS映えする」一枚を

―― では、「メイクアップアート」機能について教えてください。

左がノーマル状態。それぞれ「メイクアップビビッド」(中)、「メイクアップHDR」(右)をかけている。入社前は自撮り経験がなかった山田さん。「最初は慣れませんでしたが、このカメラで自撮りをするうちに面白さがわかってきました」

山田氏:SNSでは色鮮やかな写真が好まれる傾向があり、皆さんもスマホなどで彩度を上げる加工をした経験があるかと思います。しかし、そうすると顔や肌の彩度まで上がってしまい、黄色くなったり赤くなったりしたことはないでしょうか?

FR100Lでは、カシオが長年培ってきた画像処理技術を生かし、写真を撮影したときに自動で肌は美肌にしつつ、肌以外の部分や背景のみ鮮やかに仕上がるようにしました。それが、メイクアップアート機能です。

―― なるほど。

山田氏:これには2種類のモードがあり、1つは「メイクアップビビッド」です。カシオ独自の画像処理技術を用い、自然な美肌とフィルターをかけた時の背景の鮮やかさを一枚の写真の中で一緒に実現しました。2つ目の「メイクアップHDR」は、ビビッドにさらにエッジ感を加えてアート効果を強める機能です。カシオのHDRアート機能を元に、顔の陰影が出過ぎないよう調整しています。

―― 色調整の際に想定された撮影シーンや環境はありますか?

山田氏:まず青空が映えるかどうかです。Instagramでは、リゾートやアウトドアなど青空を含む画像が多数投稿されているので、大事な要素だと思います。 背景の彩度を上げすぎて肌が浮かないよう、双方が同じ画面の中でなじむよう注意しながら「SNS映え」を狙いました。

―― ちなみに、男性と女性では自撮りの捉え方は違うと感じられますか?

山田氏:そうですね。男性の自撮りは、例えば、友達と旅行した時に撮る「思い出を残す物」ですね。一方、女性の自撮りはSNS映えが大事で、自分がどう目立つかに振っている印象があります。そこが今回のポイントでもあるんですよ。

「ネオンサイン」をイメージした新たな女性向けUIデザイン

―― 今回はUI(ユーザーインタフェース)も女性向けにデザインされたそうですね。

Pinterest、ファッション誌や広告も参考にしたというネオンアート風UIデザイン

菅原氏:はい。今回のFR100Lのデザインにあたり、ターゲットである若い女性に向け、シンプルなデザインながらも、いまどきの感覚を取り入れたオシャレで新しいUIを目指しました。アイコンデザインはネオンサインテーマを採用し、ボタンそのものが画面の中で光って見えるような演出を加えました。ベースとなったFR100では、本体カラー・UIともにアウトドアユースに向けたワクワクできるアクティブ感を表現しています。その基本構造を活かしつつ、今回のターゲット層に向けてデザイン性とユーザビリティを高めるにはどうしたら良いのか、変更ポイントを自分なりに見極めました。開発部門と交渉して協力を頂き、実現に結び付けています。このような、ユーザーの立場にたったものづくりをカシオとして大事にしていきたいと思います。

―― デザインの参考にされたものはありますか?

菅原氏:情報はPinterestなどを参考にしています。リゾート系女子や台湾女子というターゲットには「わかりやすいおしゃれさ」が必要でしたので、その要素に合う素材を探す中でネオンというキーワードに辿り着いた感じです。

カシオ計算機 デザインセンター コミュニケーションデザイン部 菅原若菜氏

―― アイコンデザインは機能面も重要なのでリニューアルは大変だったのでは?

菅原氏:そうですね。商品企画部からの情報を元に複数の候補をつくり、内部で調整をしていきました。カメラのUIでは、撮影関連は赤系、再生は緑系という業界基準があるため、色相はその流れに沿い、ピンクとエメラルドグリーンをあてています。アイコンの色がネオン管のようにきれいに光って見えることで、ユーザーに喜んでもらえれば嬉しいです。

説得の難しさと新しいデザインのやりがい

―― 制作に関して大変だったこと、ご苦労されたことは?

山田氏:前例のない機能だけにやはり社内で賛否両論があり、どうすれば機能の良さを理解してもらえるのか、伝え方がとても難しかったです。Photoshopなどでの想定効果ではうまく理解が得られなかったのですが、やっぱり自分で動いてデモ機を使って撮影し、作例を提示することでかなり納得してもらいやすくなった気がします。

菅原氏:私はすごく楽しくできました。カシオの商品では男性向けやユニセックスのデザインが多い中、今回のように女性向け商品を担当できる機会は貴重なんです。その中で、美脚ガイドの開発時に、商品企画部の説明通りに実機で写真を撮っていても、画像では脚長の効果がなかなか出ず、「社内でもこの効果を伝えるのが難しいのに、ユーザーにどう伝えればいいのか」と長い時間話し合ったのは思い出深いです。

苦労して作りあげたFR100Lの「美脚ガイド」で自撮りに挑戦する山田さんと菅原さん。2人のコンビネーションが、この商品の完成に繋がったのだろう

―― 社会がモノづくりより「コトづくり」を重視する傾向になりつつありますが、どうお考えですか。

山田氏:先ほどお話した「SNS映えする写真」はまさにその切り口なんです。今回の流れでFRシリーズをさらに女性向けに進化させたいとの思いが開発陣にありますので、商品企画部としてもさらによい企画提案したいですね。16mmの超広角レンズと分離形状を生かした自撮りのよさをうまく伝えられたらと思います。

菅原氏:やっぱり体験が最も重要ですからね。常にFRシリーズで「何ができるか」と考えている、商品企画部や関連部署の皆さんと、ユーザーの心に響くようなアイデアを一緒に形にしていきたいです。

―― FR100Lをどんな方にどんな風に使ってほしいですか?

山田氏:やはり、女性やSNSを積極的に利用されている方など、たくさんの人に使ってほしいです。今回の企画はいうなればユーザーさん発信のアイデアなので、FR100Lを生かした面白い撮り方もぜひ発掘してみてほしいです。

菅原氏:今はカメラ単体で購入される方が減ってきていますが、スマホで撮れないような、色んなアングルで、美しく印象的な写真が撮れるカメラです。ぜひいろいろなシーンで活用し、オリジナルの自撮りを楽しんでもらいたいです。

―― ありがとうございました。

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