今後登場予定のNASもずらり

会場にはこれから投入予定のNAS製品も数多く展示されていた。定番モデルのアップグレード製品から、メモリが増設可能な製品、Intel CPU採用製品、デスクトップ向けオールフラッシュNASといった次のトレンドが伺えるラインナップとなっていた。

個人向けjシリーズの最新モデル。4ベイを備えた「DS416j」の後継となる。CPUに64bit ARMベースの2コアCPUを採用。さらにシステムメモリを1GBにするなどスペックが強化されている

ビジネス向け8ベイNASの新モデル「DS1817」。1.7GHzのクアッドコアプロセッサを搭載する。メモリは標準で4GBだが、8GBまで増設可能だ。2基の10Gbitポートを備える

SMB向けの2ベイNASの新モデル「DS718+」。ApolloLake世代のIntel Celeron J3455を搭載。4K解像度でのH.264/H.265の動画変換に対応する。オンボードで2GBのメモリを備えるが、内部のSO-DIMMスロットで6GBまで増設できる

同じくSMB向けの4ベイNASの新モデル「DS918+」。こちらもApolloLake世代のIntel Celeron J3455を搭載。内部のM.2スロットにM.2 NVMe / SATA SSDを装着可能で、これをキャッシュとして使うことができるという

Synology初となる6ベイNAS「DS3018xs」。2コアのIntel Pentiumを搭載。ECCに対応したDDR4 8GBを標準搭載し、最大32GBまで増設できる。オプションとして高速のネットワークコントローラ、もしくはキャッシュ用のSSDを装着可能

こちらもSynologyとして初めての製品で、オールフラッシュに対応するNAS「FS1018」。12基の2.5インチSSDを搭載でき、画像編集や動画編集といったクリエイティブ作業をはじめとする、より高速なデータ転送が必要な用途向けの製品となる

強力なバックアップ機能も健在

Synology製NASといえば、OS「DSM」とDSM向けのアプリケーションによって、強力なバックアップ機能が備わっている。「DSM」の最新バージョンは"6.1"だが、その前バージョンである"6.0"からPCとNASの同期サービス「Cloud Station」が進化した。

「Cloud Station Backup」では、ローカルのPCやMacに保存したデータをNAS側にバックアップする。初回以外は増分バックアップに対応し、最大32までの履歴を保持できる。同社が"Intelliversioning"と呼ぶバージョン管理技術により、ディスク容量を節約して、バックアップできるという。さらに「Cloud Sync」では、NASに保存したファイルをDropboxやGoogle Drive、OneDriveといったパブリッククラウドとも同期させることが可能だ。

バックアップするディレクトリやファイルを指定

タイミングで同期やバックアップをしたかも分かりやすく表示される

DSM 6.1では、Btrfs対応機種を拡大。さらに対応機種では、最短で5分ごとにディスクイメージのスナップショットを取得するパッケージ「Snapshot Replication」を利用できる。タイミングやどのくらいのバージョンを保持するかなど、細かく設定できるため、あやまって「ファイルを消してしまった」という場合でも、容易にデータを元に戻せる。

ディスクイメージのスナップショットを取得するパッケージ「Snapshot Replication」

また、ベータプログラムとしてNAS上で仮想マシンを設定・動作させることができる「Virtual Machine Manager」も提供している。Virtual Machine Managerでもスナップショットが取得でき、仮想マシンのクローン作成や復元に対応する。

Virtual Machine Manager

ビデオ監視ソリューションも進化 - POSとの連携も

Synologyは、NASと連携するビデオ監視ソリューション「Surveillance Station」を提供しているが、最新バージョン"8.1"ではPOSとの連携に対応する。COMPUTEX TAIPEI 2017では、決済関連のデバイスやソフトウェアの展示が豊富だった。特にPOS関連のソリューションは数多く見られ、今後大きなトレンドとなることは間違いない。

ブースでは、ビデオレコーダー「NVR1218」とビデオデコーダー「VS960HD」によるソリューションのデモを披露していた。

ビデオレコーダー「NVR1218」

720p/10fpsの動画を最大96チャンネルで表示可能な「VS960HD」

ダミーの動画もあるが96チャンネルでの表示でも

会場内のWebカメラとも連携

POSとの連携のデモ。レジで清算するときに顧客の映像も合わせて撮影し、オーバーレイで購入した物品情報を表示。どんな人が商品を買っているか分析することができるというソリューション

今まで築いてきた"NASメーカー"というイメージから、ネットワークやストレージ製品などさらなる発展に踏み出した、Synology。今後もその動向に期待したい。

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