スマートデバイスの普及は、企業にビジネスのスピード感や利便性をもたらす一方、IT資産としての管理の難しさ、紛失や悪用によるセキュリティリスクなどのマイナス面をももたらしている。こうした課題に対し、インヴェンティットとディー・オー・エスはひとつの提案をしている。インヴェンティットが開発・提供するMDM(Mobile Device Management)ソリューション「MobiConnect(モビコネクト)」と、ディー・オー・エスのIT資産管理ソフト「SS1(System Support best1)」を連携させるという方法だ。

「MobiConnect」は、MDMに求められる「遠隔操作制御」「設定管理」「利用情報収集」といった機能に加え、端末内のMDMプロファイルをユーザーに削除させない仕組みが施され、管理側が意図しない端末利用への予防措置がとられているのも大きな特長だ。「MobiConnect」で吸い上げた端末のインベントリ情報を「SS1」に取り込めば、資産としての管理が容易になると同時に、端末に対して「MobiConnect」の高度なセキュリティ機能を役立てることができるようになる。パートナーシップを結んでいるディー・オー・エス、インヴェンティット両社に、今回の連携の経緯や今後の展開などを聞いた。

■対談参加者(左から)
・ディー・オー・エス
パートナー営業推進部 パートナー営業推進課 課長 滝本 和樹氏
営業企画部 営業企画課 係長 篠原 敬氏
営業統轄本部 統括部長 川淵 憲一氏

・インヴェンティット
執行役員 セールス&マーケティング部長 藤田 耕一氏
ホールプロダクト部 部長 山田 智裕氏

自社開発MDMから「MobiConnect」へシフトした理由とは?

──まずIT資産管理ソフト「SS1」の特長と、MDM「MobiConnect」との連携を検討されるに至った経緯について教えてください

ディー・オー・エス 篠原 敬氏

ディー・オー・エス篠原氏:「SS1」は企業内にあるハードウェアのスペック情報や、インストールされているソフトウェアといったインベントリ情報に加え、買取・リースなど機器の調達情報を一元管理できるのが特長です。現在、業種や企業規模を問わず、約1,100社に導入いただいています。「モバイルデバイスの管理も行えるようにしたい」というニーズが増え始めたのは、デバイス紛失に伴うリスクが高まってきた2010~11年頃でした。2012年からは当社でもMDMツール(SS1 Mobile Manager Cloud)を開発して「SS1」ユーザー様に提供しています。

ディー・オー・エス滝本氏:ただ開発に大きなリソースを割かれてしまうのが問題となってきました。MDMを開発するには、管理対象となるデバイスの進化についていかなければなりません。そのスピードの速さに対応していく技術力と、検証用に用意すべき端末の多さ(コスト)を考えると、MDMを専門に開発している企業とパートナーになる方がいいという考えに至りました。「餅は餅屋」ということですね。

ディー・オー・エス 滝本 和樹氏

「MobiConnect」選定の理由は、技術力と対応力

ディー・オー・エス滝本氏:選定にあたっては、まずMDMを開発している数社に電話で問い合わせをしてみました。中でも一番対応が良かったのがインヴェンティットさんでした。当社の「SS1」と連携させたいという提案にも、「一緒にやっていきましょう」という前向きな姿勢を見せていただきました。

ディー・オー・エス川淵氏:技術面でも他社製品と比較検討しましたが、「MobiConnect」は機能の幅が広く、紛失・盗難対策や、当社のMDMでは実現できていないアプリの配信機能など、市場のニーズを上手く反映させた製品になっているのが魅力です。デバイスのOSが更新された時の対応スピードがはやいこと、ユーザーに対して訴求力のある価格も選定のポイントでした。

ディー・オー・エス滝本氏:他社は料金プランを一つに絞らないといけないケースが多いのですが、「MobiConnect」の場合、「特権ユーザー向けにはこのプラン」「営業部向けにはこのプラン」といったプランの併用が可能でした。その柔軟性も要因となりインヴェンティットさんをパートナーに選びました。

インヴェンティット山田氏:お客様が選びやすく、また販売店の方が売りやすいようにプロダクトを組み上げていくのが、当社製品の特長だと言えます。

提携をMDM導入の新たな切り口に

──「MobiConnect」を提供するインヴェンティット側では、今回のパートナーシップについて、どうお考えでしょうか

インヴェンティット 山田 智裕氏

インヴェンティット山田氏: (ディー・オー・エスがMDMのパートナーを探していた背景と同様に)我々もIT資産管理については既存ベンダーさんに追いつくことは難しいでしょう。IT資産管理とMDMの統合という市場ニーズに対して、協調していきたいですね。

インヴェンティット藤田氏:両社のリソースや得意分野を活かして、IT資産管理とセキュリティ、双方の市場に訴求できたらと思っています。

──両社は2016年に開催された「第6回 情報セキュリティ EXPO【秋】」に、IT資産管理とMDMの連携をうたって共同出展されたそうですが、来場者の反応はいかがでしたか

ディー・オー・エス篠原氏:引き合いは多いですね。EXPOでは興味本位で見に来られた方よりも「今利用しているキャリアのMDMと比べてどういう特長があるのか」という踏み込んだ質問が多くなってきた印象を受けました。

インヴェンティット藤田氏:中小規模の企業でもMDMへの認識は深まってきていますね。また我々が単独でMDMを紹介するのではなく、共同出展で「IT資産管理とMDM」という新たな切り口を設けたことで、お客様が足を止めてくださるきっかけになりました。

ディー・オー・エス川淵氏:IT資産管理をしようとすると、結局MDMにも着手せざるを得なくなりますからね。我々としても今後はもっと積極的にMDMの展開に注力したいと考えています。

IT資産管理、MDM市場の今後はどうなる

インヴェンティット山田氏:IT資産管理というと中堅や大手企業でのニーズが高いのでしょうが、企業規模がどんなに小さくても、情報があるところには必ずセキュリティへのニーズがあります。IT資産管理のニーズとMDMのニーズ、それぞれの市場を互いにカバーできるのではないかと思っています。

ディー・オー・エス 川淵 憲一氏

ディー・オー・エス川淵氏:実は最近、中小企業でもIT資産管理のニーズは高まっているんです。保有するパソコンの台数が少なくても、IT資産管理ソフトのログ管理機能(SS1ではオプションで提供)をセキュリティ対策として利用したいというお客様が多くなっています。

ディー・オー・エス篠原氏:IT資産管理ソフトの導入にあたって、「パソコン管理が楽になるから」では稟議が通らなくても、「セキュリティ対策」という理由がつけば通りやすいということもあるようです(笑)

ディー・オー・エス川淵氏:インヴェンティットさんの場合、関西の学校へのMDM導入事例が多いという話を伺いましたが、当社のIT資産管理ソフトは病院への導入事例が増えてきています。病院内で利用されるタブレットの数も増えてきているので、既に当社の「SS1」を導入いただいているところにも、安心してお勧めできるMDMとして「MobiConnect」を提案していきたいと考えています。

ニーズを見据えた両社の連携強化を

── 最後に、パートナーシップを結んだことで展望されている「将来」についてお聞かせください。

インヴェンティット 藤田 耕一氏

インヴェンティット山田氏:Windowsのモバイルやタブレットにも、薄くて軽いものが増えてきました。ディー・オー・エスさんではWindows OSの端末についても「MobiConnect」でのセキュリティ対策を提案されていくということなので、今後、お客様から上がってくるニーズについて両社で意見交換し、「MobiConnect」に様々な要素を採り入れていければと思っています。

インヴェンティット藤田氏:MDM導入のきっかけは紛失対策をはじめとするセキュリティ面に関するものが多いですが、日々使い続けてもらうと、お客様とは次第にモバイルの運用面の話が多くなってきます。インベントリ情報はもちろん、稼働状況を知りたいという企業が増えている傾向にあるように思います。そういう我々の手の届かない部分のニーズを、今後は一緒に掘り起こしていきたいですね。ニーズによっては「IT資産管理とMDMの連携」に止まらず、一つのソリューションとして統合させることも当社としては視野に入れています。

ディー・オー・エス滝本氏:先日、「SS1」で取得したPCの操作ログを分析して、内部情報の漏洩防止に役立てるという内容のセミナーを行ったところ、とても大きな反響がありました。それと同様に、MDMのログからもいろいろなことが見えてくるのではないかと思います。ログ活用にも一緒に取り組めれば、面白いソリューションがつくれるのではないかと考えています。

(マイナビニュース広告企画:提供 インヴェンティット)

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