ティントリの[テック・チューズデー]では、Tintri VMstoreの新しい性能や興味深い活用方法などに焦点を当てた、ゲストブロガーの記事を隔週で掲載します。

企業などで組織的に保存しているデータのコピーには、莫大な費用が掛かりますし、その管理も大変です。コピーしたデータの分量は、当然、オリジナルデータの分量を超えていくからです。異なるレポーティングや開発作業のために、同じデータを複数のデータ倉庫で保管するということは、結果的に全く同様の、あるいは、ほぼ同じデータのコピーの、それぞれに必要となるような開発環境も増えていってしまいます。ストレージの保有にとって、資金面でも運用費の面からも、このデータの重複は全くの無駄になります。また、データの運用管理の観点からも、非効率といえるでしょう。

仮想マシンレベルで管理が行われている状況では、このデータコピーの問題は、ボリュームとLUNの方法によってスタックする際に、運用上、さらなる困難を引き起こします。仮想マシンのクローニングとは、より多くのデータの重複を可能にすることではありますが、これを自動的に行うとなると、問題をさらに加速させてしまいます。従来のストレージと仮想マシンがあれば、仮想マシンをいくらでもクローニングできるということが原則なのですが、そうした環境下においては、増やされた追加の仮想マシンへの対応を考えると、各仮想マシンにどれだけ充分なスペースがあるのか、また、プロビジョニングされたLUNは十分にあるのか、といった点がネックになってきます。

効果的な作業の自動化と仮想マシンのクローニングには、仮想マシン向けの運用や理解に適したストレージが必要になります。ティントリは仮想環境を念頭に、成長し、その確たる地位を築いてきた唯一のストレージカンパニーですので、ティントリの力を借りれば、クローニングやスナップショット、レプリケーションが、仮想マシンごとにストレージレベルで実行できます。

各仮想マシンでのクローニングの性能は、ストレージレベルに合わせた形でその機能が発揮され、VDIデスクトップのために可能となった連携クローンのような機能を実現させています。つまり、一つのマスターコピーに対して、コピーによって新しくつくられた仮想マシンのために、差分データが書き込まれるということなのです。この機能を実際に使うために、特に追加のソフトウェアやプラグインは必要なく、クローニングの性能がティントリ製品に保存されたすべての仮想マシンに拡張されます。これは、開発/テストのシナリオに使われる仮想マシンのコピーが、スペースやスピードの観点からも、非常に効率よく実現されるということなのです。

仮想マシンにクローニングしたり、仮想マシン自身をクローニングしたりする方法では、データをリフレッシュするだけ、という主要な問題を解決しません。この問題は、開発環境が確立されてカスタマイズされると、大変重要になってきます。その時点で、単にデータをリフレッシュするための開発環境を自動的に再構築することは、厄介な作業ですし、その維持もまた困難です。さて、インストールされたカスタム アプリを、どのように維持しますか? システム構成の運用についてはどうでしょう?

ティントリでは、SyncVMと呼ばれる新しい機能により、すでにこの問題を解決しています。SyncVMによって可能になった2つの機能は、『タイムトラベル』とも呼ばれているスナップショット、そして、データリフレッシュ機能です。ここで、これらのソリューションを説明するために、データのリフレッシュと、どのように仮想環境下でデータリフレッシュを自動化するかについてに焦点を当てます。これは、運用システムの構築とチューニングのすべてがそのままに保たれ、データディスクだけの仮想化されたコピーが作成されるということです。

SyncVMの能力を活用する方法には、次に示すようなTintri UIを通じた手動アクセスと、スクリプティング/vROによるワークフローを通じて自動化する方法があります。

ティントリの UI

1.Tintri UIを利用するには、データを同期させたい仮想マシンを選択して、Refresh virtual disksをクリックします。

2.データを同期させたい仮想マシンを選びます。

3.データを取りたいスナップショットをピックアップします。

4.最後にディスクのマッピングを行います。

ディスクをマッピングするこの最後のステップで、2台の仮想マシンのマッチングに際して、ディスクのレイアウトが予測されていないことが分かるでしょう。というのも、データをリフレッシュする際に、ディスクをどのようにマッチさせるかの選択肢が与えられているのです。また、アプリケーションがインストールされた運用システムディスクなので、ゼロ対ゼロのSCSIが選ばれていない点にも注目してください。

同期が始まったら、同期されている各仮想マシンに安全なスナップショットが作成されます。データが同期される前の状態に戻すこともできます。

その際、この2台の仮想マシンの電源が落とされ、そのディスクは、プロダクション仮想マシンのディスクを指した矢印に差し替えられ、その後、再起動します。この作業は数分で終わるでしょう。このアプローチ方法によれば、作業進行中にデータセットの大きさの違いでは、そのスピードに影響を与えません。データセットの大小にかかわらず、スピードも、効率も、すべて同じままなのです。

自動化オプション

以上のすべての機能は、スクリプトを通じて自動化できます。これらのスクリプトの例は、ティントリのギットハブページに掲載しています。

vROを活用すると、予定していた時間にプロセスを自動化したり、開発者がvRAやvCenter Web GUIを通じてアクセスしたりする、アドホックプロセスにすることもできます。ニック・コルヤー氏が、ティントリ製品を使ったvROの活用に関して、とても参考になる記事を書いています。興味のある方は、彼のウェブサイト(systemsgame.com)で確認してみてください。

Author

ティントリジャパン 技術本部長
村山雅彦

パートナー各社への支援とエンドユーザーへの製品・ソリューション紹介などプリセールスSE業務を担当。

※本コラムは、ティントリジャパンに掲載されたブログ記事より転載したものです。

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