2016年7月、アプリ開発のリプレックス社をM&Aしたカシオ計算機。さかのぼると、2015年3月に、カシオのデジタルカメラ「EXILIM」(エクシリム)の画像整理やシェア用アプリとしてリプレックス「Scene」と連携、2016年3月には画像シェア機能「ワンタイムシェア」を共同開発している。

この辺りの背景について、カシオ計算機 QV事業部 柳和典氏、リプレックス 代表取締役社長 大中邦彦氏、リプレックス 取締役 チーフエンジニア 岡崎光隆氏のお三方に話をうかがった。

左から、リプレックスの岡崎光隆氏、リプレックスの大中邦彦氏、カシオ計算機の柳和典氏

「カメラで撮ってスマホで見る」ための連携

―― はじめに、リプレックス社について簡単にご紹介ください。

大中氏「2006年に設立後、オンライン年賀状の『ウェブポ』などを手がけてきたアプリ制作会社です。『Scene』をきっかけにカシオさんのM&Aをお受けし、このたび新たなスタートを切ることになりました」

―― 「Scene」とはどのようなアプリなのですか?

岡崎氏「スマートフォン用の画像閲覧アプリで、写真の閲覧や整理、共有などが快適に行えます。特徴は操作性の良さと共有の簡単さです。

日付表示があるので写真を探しやすく、アルバム整理もドラッグ&ドロップで行える使いやすい仕組みです。アルバムをメール経由で、または共有URLによるQRコードなどを使って、手軽に共有できます」

大中氏「以前からカシオさんは、Wi-FiやBluetoothを使ったEXILIMとスマートフォンの連携に取り組まれていました。EXILIMで撮った写真をスマートフォンに転送するための『EXILIM Connect』というアプリを公開するときと同時に、より便利に使うために SceneにEXILIM Connectと連携できる機能を追加しました」

2015年以降に発売されたEXILIMシリーズの主要機種は、スマートフォンアプリのEXILIM Connectと連携する。さらにスマートフォン上で、EXILIM ConnectとSceneが連携してアルバム共有などの便利な機能を提供(Scene単独でも利用可能)。Scene上では写真に日付表示がされたりして、検索も簡単。2016年9月時点の対応OSは、iOS 8.1以降、Android 4.0以上

柳氏「想定したユーザー体験は、スマートフォンはカバンに入れっぱなしで写真はEXILIMで撮り、あとから移動中などにスマートフォンを取り出すと、Sceneのアルバムに整理された写真が見られる……というものです。

EXILIMの液晶モニターよりも、スマートフォンの液晶画面のほうが大きくて綺麗だし、SNSにもすぐアップできますからね。SceneをEXILIMに連携すれば、両方をもっと幅広い場面で使っていただけて、SceneのユーザーさんにEXILIMを知ってもらえると思ったんです」

―― (マイナビニュース編集部) EXILIMのレビューを通して、SceneとEXILIMの連携を実際に試しましたが、確かに便利ですね。EXILIMで撮った写真が自動でスマートフォンに転送されて、さらに自動でSceneのアルバムに整理されちゃうんですから。

Scene上でQRコードを表示し、それを別のスマートフォン撮影するだけで、アルバムをシェアできる

岡崎氏「旅行前に専用アルバムを作っておけば、旅行中に撮影した写真が随時アルバムに整理され、帰宅後すぐに共有できます。

結婚式やパーティーなら、QRコードでシェアする『アルバムシェア機能』が便利です。会場の受け付けでQRコードを示して、来場者のスマートフォンで撮影してもらいます。来場者のスマートフォンにSceneがインストールされていれば、QRコードでアルバム共有した全員がスマートフォンで撮った写真が、自動で1つのアルバムに集まります。

Sceneをインストールしていなくても、スマートフォンのQRコードリーダーがあれば、みんなが写真を追加していくアルバムを、Webブラウザで見られます」