言わずと知れた食の都、香港。グルメ目的で香港を旅行するという人も多いのではないでしょうか。もちろん現地でも存分に楽しめますが、香港人が使う秘密の調味料を手に入れれば、日本でも”あの味”を再現できるかも? そこで、自宅用にはもちろん、お土産にも最適な香港で買うべきオススメ調味料とそのレシピを香港迷(=広東語で香港ファン)の一人、イラストレーターの小野寺光子さんに教えてもらいました。小野寺さんは、ご自宅で本格的な中国料理を作ることでも有名で、ガイドブックなどでも調味料の紹介をするほど。ぜひ、お土産選びの参考にしてみてください。

小野寺さんがオススメしてくれた調味料はこの3つ!

くせになる味! そのまま食べてもイケる、腐乳

まず教えていただいたのは、「廖孖記-LIU MA KEE-」「腐乳」。スーパーでも買えるところがあるようですが、目指すは九龍(カオルーン)の佐敦(ジョーダン)にある本店です。

平日午前中でも行列ができていて、その人気ぶりがよくわかる。一度に大量買いする人も

こちらは腐乳の専門店で、100年超の歴史を誇る老舗。腐乳とは豆腐に麹をつけ、じっくり塩漬け発酵させたもの。発酵食品なので独特の匂いがあり、「中国のブルーチーズ」と呼ばれることも。香港人にとっては家庭になくてはならない調味料のひとつで、外国人でも病みつきになる人が多いそうです。

ちなみに廖孖記の腐乳は全て無添加で手作りというのも注目ポイント。気になるそのお味ですが、塩漬けされているため塩気が強いものの、そのままいただいてもお酒に合いそう。香港ではあっさりした野菜の炒めものにかけたりしているようです。アレンジが豊富なのがうれしいですね。

ラベルがちょっとずれているところも、手作り感があってむしろうれしいかも

このお店では2種類の腐乳がありますが、唐辛子入りの「辣椒腐乳」が特に人気とのこと。すでに何人かお客さんが並んでいるものの、すぐに対応してもらえ、筆者が日本人と分かると、「日本に持って帰る?」と聞いてくれました。「はい」と答えると、すぐにグルグルっとフタの周りをテープで何重にも巻いてくれ、さらにはクッション代わりの段ボールを巻いてくれる梱包サービスも。こんなに混んでいるのに、非常に丁寧で親切です。

店員さんは手慣れた手つきで、商品を包んでくれた

ただ、やはり機械で密閉されたものではないため、持ち帰るときは念のためビニール袋に入れたほうがいいかもしれません。なにしろ発酵食品なので、万が一液漏れでもしたら目も当てられませんから。

スーパーで気軽に、でも本格的。安いのもうれしい調味料をゲット!

次に教えてもらったのは、スーパーマーケットでも購入可能で、気軽に手に入れることができる調味料です。香港では、それほど大きくはないスーパーマーケットでも、調味料は棚のかなりのスペースを占めています。あまりにもたくさんあるのでどれを選べばいいか迷うところですが、それもまた楽しいひととき。パッケージの写真やイラストから、あるいは漢字のタイトルからもなんとなく想像ができるものもあります。

香港のストリートフードの味を再現できる調味料!?

ずらりと並んだ調味料の棚から、小野寺さんが選ぶのは利川食品(Lee Chun Food)の「椰汁咖哩醬」。”Coconut Juice Curry”と英語で書いてあるとおり、ココナッツミルク入りのカレーペーストです。原材料をみると唐辛子、カレースパイス、ココナッツクリーム、ニンニク、とおいしそうな名前ばかりが並んでいます。この調味料と材料を煮込むだけ、と使い方が簡単なのもいいですね。ちなみに、味はちょっとだけピリ辛ですが、かなりマイルド。日本のカレーとはまた違ったテイストです。

「椰汁咖哩醬」。香港ストリートフードの定番・フィッシュボールを完全再現できる味

利川椰汁咖哩醬について小野寺さんは「香港の人たちもカレー味は大好き。産地に近いこともあり、香りの良いスパイスやペーストもよく見かけます。中でもこの利川椰汁咖哩醬は、味の調整ができているので、このまま鍋に入れて具と一緒に煮れば、即一品できあがる便利な調味料です」と絶賛。この調味料を使ったオススメレシピは「咖哩魚蛋」です。

咖哩魚蛋(香港式・カレー味の揚げフィッシュボール)

【材料】

揚げボール(市販のおでん用でOK) 300gくらい
 ※魚のすり身に片栗粉を加え、丸めて揚げればさらに本格的
利川椰汁咖哩醬 1/4瓶ほど(お好みに合わせて調整してください)
チキンスープ 1カップ
醤油 大さじ1
お好みで赤唐辛子 1本

竹串にさせば、香港の街かど気分! 「咖哩魚蛋」は鶏肉で作ってもおいしそう

    【作り方】
  1. 揚げボールをサッと茹でて余分な油をとる。水分を切っておく。
  2. 鍋にチキンスープと利川 椰汁咖哩醬、醤油を加えて全体をよく混ぜ、火にかける。そこに(1)の揚げボールを入れて煮る。沸騰したら、スープの表面がフツフツ揺れる程度の弱火にして10分ほど煮る。辛いのが好きならば、唐辛子も1本加える。
  3. 竹串に刺して、召し上がれ!

小野寺さんによると、咖哩魚蛋は香港名物の街頭小食(ストリートフード)とのこと。注文すると、「はいっ」と、竹串に刺さったプリプリの魚のすり身だんごにカレー味のタレを滴らせて差し出されるそうです。さらに辛い味が好きな人はチリソースなどで調整するのもオススメだとか。

下味にも、隠し味にも使える! 食通な香港人にも人気の調味料

もうひとつ、「さすが香港、あなどれない!」と思わずうなってしまうのが、史雲生(Swanson’s)の「調味雞汁」。こちらは簡単に言えばチキンストックで、とにかくチキンの旨味が濃厚に凝縮されています。香港製ではありませんが、食通ぞろいの香港人が納得した味といえば、いかにおいしいか想像に難くありません。

このままお湯でといて、豆腐や卵を入れただけでもかなりおいしいチキンスープができます。むしろ鶏肉本体がなくても大丈夫なのでは、と思わせられるほどにしっかりとチキン味が楽しめます。香港にいったらぜひ買いたい調味料のひとつです。

チキンストックはいろいろなメーカーからも発売されているが、史雲生の「調味雞汁」が小野寺さんイチオシとのこと

小野寺さんよると「調味雞汁は濃縮版のトロリとした液体状チキンストックなので、下味にも隠し味にもそのまますぐ使えるところがなんとも便利です」とのこと。この調味料を使ったオススメレシピは「香煎蜜糖雞翼」です。

香煎蜜糖雞翼(鶏手羽のはちみつ焼き)

【材料】

手羽中(半割りにしたもの) 20個
はちみつ 大さじ1
史雲生調味雞汁 大さじ1
醤油 小さじ1/2
胡椒 少々
炒め油

はちみつも入ってテリテリなところが食欲をそそる、「香煎蜜糖雞翼」

    【作り方】
  1. 手羽中は、ペーパーで押さえるようにして水分をしっかりととる。
  2. ボウルに手羽中を入れ、史雲生 調味雞汁と醤油、胡椒少々をふりかけてよく揉み込み、15分ほど置いておく。
  3. フライパンに油を熱し、手羽中の皮目を下にして、中火で炒める。
  4. こんがりとキツネ色になっていたら裏返して少し火を弱め、はちみつを回しかける。全体にはちみつをなじませたら蓋をして中まで火を通し、両面おいしそうな焼き色になったらできあがり!

いかがでしたでしょうか。もちろん、自分流にアレンジしてもいいですが、やっぱり香港テイストで楽しめば、旅の楽しさを思い出せますし、お土産であれば香港旅行の楽しさをシェアできるはずです。ぜひお試しください。

小野寺 光子

イラストレーター。旅先で見た街並みや暮らしをユーモラスで繊細なタッチで描く。『香港路地的裏グルメ』(世界文化社刊)、『香港トラムでぶらり女子旅』(ダイヤモンドビッグ社)他、旅関連の挿画や著作の出版物多数。

(マイナビニュース広告企画:提供 香港政府観光局)

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