130回を超える香港渡航経験をもとに、今や無駄なくフルフルで満喫するのが得意だと自負する香港迷(=広東語で香港ファン)の福井由美子さん。前回の記事では「週末香港」を楽しむ『コツ』をうかがい、今回は福井さんオススメの「週末香港」を最大限楽しむ『プラン編』をお送りします。

香港グルメについて熱く語る福井由美子さん

空港についてから早速無駄なく行動! 朝食は2度楽しむ!?

――福井さんは金曜の深夜便で香港に向かうことが多いとのことですが、早朝の到着だと行くところもなく困ってしまうのではないですか?

そうですね。季節によりますが、大体朝の4時半から5時くらいには香港に着きます。その時間だとエアポートエクスプレス(AEL)の始発もまだなので、そのまま空港にいます。小一時間くらいネックピローに頭を預けてベンチで寝ていると、6時には空港内の飲食店がオープンするので、そこで”1回目”の朝ごはんを食べます。

――えっ!? 朝食が”1回目”って、何回も食べるのですか?

そう1回目(笑)。やっぱり香港といえば“食”が醍醐味だから、早朝着ならでは、朝食は「軽めに2回」がセオリーです。まず、空港内で1回目の朝食。オススメなのは、ターミナル1にある、私の中での香港四大ワンタンメン屋の一つ「何洪記(ホーホンキー)」か、その隣にある、オーダーを受けてから手打ちしてくれる麺屋「翡翠拉麵小籠包(クリスタルジェイド)」です。この2軒は街中にもあっていつも行列ができていますが、空港内の店舗だと、それぞれ6時、6時半の開店と同時に入店できるので、順番待ちをすることもなくおいしい朝ごはんを食べられます。

何洪記のワンタン麺

翡翠拉麵小籠包の担々麺

――空港でお腹を満たした後は何をしますか?

街に出る前に、空港内のエアポートエクスプレス駅で「オクトパスカード」、コンビニで「TEMPOティッシュ」を購入するといいですよ。オクトパスカードというのは日本の交通系電子マネーのようなもので、いちいち切符を買うより移動が断然楽ですし、コンビニなどでも利用できます。TEMPOティッシュは、香港ではどこにでも売っている紙ナプキンぐらいの厚みのティッシュです。紙ナプキンの用意がないお店も多いので、これがあれば、テーブルが汚れていたときでもサッと拭くことができるので便利です。

オクトパスカード

TEMPOティッシュ

――街に出たらいよいよ”2回目”の朝食ですか?

そうです! 私は、空港からのAELに乗車して、終点の香港駅に着いたら、駅直結ビル内の「添好運點心專門店(ティムホーワン)」で2回目の朝食に、点心を食べます。ミシュランの星を獲得したこともあり、9時の開店と同時にあっという間に行列ができるお店ですが、空港でゆっくりしてから向かったら、ちょうどいい時間に到着できるので並ぶ時間も少なくて済みます。

添好運點心專門店ではチャーシューメロンパンが人気

無駄なく香港を満喫するためのコツとは?

――その後はどんなスケジュールですか?

朝食を食べた後は、ホテルへ行き荷物を預かってもらいます。ちなみに、私は香港島に泊まることが多いのですが、香港はコンパクトな街ですし、公共交通機関が発達しているので、どこのエリアに泊まっても同じように楽しめますよ!

私の場合は、とにかくそのとき泊まったエリアを徹底的に歩き回って探索します。香港は狭い都市なので、香港観光の真の楽しさは、この“エリア探索”にこそあると思うんですよね。例えば、上環(ションワン)というエリアは、路地裏にガイドブックにはでていないおしゃれなカフェがむちゃくちゃたくさんあるのが魅力。いい感じのカフェを見つけるたびに気持ちがアガります。

こんな感じで、ひとつのエリアを徹底的に探索することと、1日目と2日目は異なるエリアを攻めることを意識してプランニングするのがオススメです。コンパクトな街とはいえ、効率よく動いてロスを少なくしたほうが、より多くの時間を探索に充てられますからね。

――なるほど。それでは、ホテルで荷物を預けたあとは?

ショッピングできる店の多くは、11時~正午くらいのオープンなので、午前中は観光をして過ごすといいと思います。天気がよければ、香港島側にある「ビクトリア・ピーク」から街を見渡すのはどうでしょう。夜景で有名な場所ですが、明るい日中の景色も見事です。「今からこの街をまわるのか! 」ってテンションがあがりますしね! しかも夜に比べて空いているのもポイントです。

ビクトリア・ピークからは香港の街が一望できる

ここまできたら、次のお楽しみはお昼ご飯です(笑)。

――ちなみにお昼はどんなお店によく行きますか?

私のイチオシは「茶餐廳(チャーチャンテン)」の中でも人気が高く支店も多い「翠華餐廳(チョイワーチャンテン)」です。「茶餐廳」とは、日本でいうファミレスのようなお店のことで、中でも翠華餐廳は、化学調味料無添加だし、味も抜群! おすすめメニューは、ココナッツペーストをたっぷり使っているカレーです。翠華餐廳だけでなく、香港には、インドやベトナム、タイのカレーなどもたくさんありますが、どれも本場の味がして、まさにカレーパラダイス! 色々な国のものを食べ比べてみるのも楽しいですよ。

福井さんオススメの翠華餐廳のカレー

翠華餐廳のミルクティー。カップがかわいい!

翠華餐廳の魅力はまだまだあって、お店ごとに内装が違っているのも楽しいですし、ミルクティーを出すカップもすごくかわいくて、毎回写真を撮ってしまうんですよね。ぜひ香港に行ったら一度は立ち寄ってほしいお店です。香港国際空港出発階にもあるので、香港旅行の最後の最後、出国直前に行くこともできます。

ちなみに、”茶餐廳”自体は街中どこにでもあるので、いつでも気軽に立ち寄れますよ。   

――食事の合間にはどんなことをしていますか?

ブランド店やスーパーでショッピングをしながら、その日に周ると決めたエリアの隅々まで探索しています。探索の途中には、コンビニやカフェでジュースを購入することもあります。香港って生ジュースがそこかしこに売っているんです。基本的には砂糖も入っていなくて、100%フレッシュで身体にもいいから、歩き疲れた身体にエネルギーチャージするのにもってこい。その中でも私のオススメは、なんといってもスイカジュース。みずみずしくて喉の渇きをサッと癒してくれるので、夕飯に中国料理を食べるときも必ずスイカジュースを頼みます。一人でもピッチャーで頼んでしまうくらい大好き(笑)。

――午後にショッピングや探索を楽しんだ後はやっぱり夕食ですよね?

そうですね! ゆっくりと腰を据えて楽しむ夕食は、やっぱり中国料理。中国料理の一流料理人が世界中から香港に集結しているといっても過言じゃないくらいハイレベルな料理を楽しめます。もちろん、一流と名高いお店だけじゃなくて、どローカルな店もレベルが高い! 

だから例えば、1日目の夜は、地元の人でにぎわうお店に足を運んでみて、2日目の夜は、出発前から狙いをつけておいた高級店で食事をしてみるのもいいかもしれません。ちなみに、人気のレストランは予約しないとまず入れないので、出発前にオンライン予約しておきましょう。予約した時間に遅刻すると容赦なくキャンセルされることも多いので要注意です。

――特にオススメのお店とかありますか?

湾仔(ワンチャイ)にある「留園雅叙(リュウエンパビリオン)」がイチオシです。9~11月の上海ガニシーズンにはぜひ。高級食材の上海ガニですが、日本で食べるより格段に安いので、滞在中に5杯も食べれば(笑)、旅行費の元が取れちゃうかもなんて思います。 もっとカジュアルな店だと、絶品スペアリブ丼(排骨菜飯)が楽しめる「美味厨(デリシャスキッチン)」もオススメですね。「銅鑼湾(コーズウェイベイ)」と「 尖沙咀(チムサアチョイ)」にあります。

留園雅叙の上海カニみそ麺

美味厨のスペアリブ丼

――夕食後はどのようにして過ごすのがいいでしょうか?

香港は22時過ぎまで開いている店も多いので、夕食後は腹ごなしにショッピングを楽しむのがいいでしょう。もしお酒を嗜みたいなら、バーに行くのもいいと思います。私はお酒を飲まないのですが、お酒好きな友人によると、香港は夜景がキレイなバーも多く、そうしたバーは少し料金が高いことから、騒がしい客が少ないそうです。海外に来て落ち着いた大人な雰囲気の中、お酒を楽しめるっていいですよね。

2日目も朝からアクティブに楽しめる!

――1日目から盛りだくさんでしたね! 2日目はどんなことをしますか?

福井さんお気に入りのヨーグルト

朝起きたらまずは、前日のショッピング中にスーパーで買っておいたヨーグルトを食べます。香港のスーパーには日本では売っていない海外ブランドの絶品ヨーグルトが多いから、食べ比べるのが本当に楽しいんですよ。ちなみにホテルは、朝食なしのプランで十分です。街中のローカルなお粥屋さんや麺の店、在住外国人でにぎわうおしゃれなカフェなど、おいしい朝食場所には困りません。香港ならではの朝ごはん体験をぜひ。    

朝食の後は、前日に探索したエリアとはまた別のエリアに向かい、観光やグルメ、ショッピングを楽しみます。香港に行ったら一度は経験してほしいのが「ハイティー」です。いわゆるアフタヌーンティー。高級ホテルのラウンジのゆったりした雰囲気もすてきです。でも、なにせ量が多いので、お昼は軽めにしておくのがいいですね。

ハイティーにはイギリス式(左)・香港式(右)があり、異なった雰囲気が楽しめる

――お話を聞いていると、週末だけでも十分楽しめそうな気がしてきました!

利苑酒家のチャーシュー

そうなんです! あとは最終日の締めとして、香港駅直結のIFCモール内にある「利苑酒家(リーガーデン)」という中国料理レストランで夕飯を食べれば、余すことなく香港を楽しめちゃいます。人気店なので事前に夜8時くらいに予約をとっておき、少し早めに香港駅に向かいインタウン・チェックイン(※『コツ編』にて詳細を紹介)を済ませたら、ゆっくり食事を楽しんで11時くらいに空港行きのAELに乗れば完璧です。

――到着から出国まで本当に香港を満喫できそうですね。たくさんのお話ありがとうございました!


福井さん直伝の、「週末香港」を快適に過ごすための『コツ』&無駄なく楽しむための『プラン』はいかがでしたか? 『プラン編』で紹介されたお店をすべて制覇して、香港迷への仲間入りを果たすもよし、はたまた、自分だけのお気に入りの一店を見つけるもよし! 福井さんのアドバイスを参考にしながら、自分なりの「週末香港」を楽しんでみてくださいね。

福井由美子

ファッション誌編集部を経て集英社コミュニケーションデザイン室 室長。ひとり旅を“ひとりっぷ®”と命名、女性のひとり旅を応援中の編集者。海外ひとりっぷ®歴20年以上、回数300回以上、うち100回以上が香港。ひとりっぷ®の達人として、トークショーやイベントなどでも活躍中。座右の銘は「旅は人生の貯金」、合言葉は「思い立ったがHave a nice ひとりっぷ®!」。

ブログ: 今日も世界のどこかでひとりっぷ®

インスタグラム:SPURGRAM

※「ひとりっぷ®」は(株)集英社の登録商標です。

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