ビジネスの現場では伝票や資料などの印刷に、モノクロレーザープリンター/複合機がよく利用されている。実際に使っているという方もいれば、導入/買い替えを検討している方も多いだろう。

もし業務で使うモノクロレーザー機を探しているなら、ブラザーの「JUSTIO」シリーズをおすすめしたい。なかでも2016年5月に発表されたばかりの新モデルは、ビジネスの効率を大幅に上げてくれるスペックを持っている。

新モデル一覧

・約2円/枚の低ランニングコストを実現
・約60万枚(または約30万枚)の印刷が可能な高い耐久性
・毎分約50枚(または毎分約40枚)の超高速プリント
・オプションを利用した高い拡張性
・クラウドやスマートデバイスとの連携機能を搭載
・各種セキュリティ技術への対応で高い安全性を実現

今回は新モデルの特徴を紹介するとともに、5種類の新モデルのうち「HL-L5200DW」を試用した実機レビューをお届けする。

1枚約2円の低ランニングコスト 

まずは、新モデルの特徴について、従来機と比較しながら紹介する。はじめに注目したい点はランニングコストの安さ。5機種の新モデルは、すべて1枚あたり約2円(大容量トナー利用時)の印刷コストを実現している。同じ「JUSTIO」シリーズのコンパクトモデルは1枚あたり約3円なので、約1円コストが安くなっている。

約3円が約2円になったと聞いても、ピンとこない方がいるかもしれない。だが印刷コストを従来の33%削減できると表現を変えれば、いかに大きなアドバンテージであるかおわかりいただけるはずだ。1年間に5万枚印刷するなら年間5万円、10万枚印刷するなら年間10万円の印刷コストを削減できることになる。

約60万枚印刷可能な高い耐久性 

いくらランニングコストが安くても、すぐに故障したり、早々に機器としての寿命が尽きたりしてしまうのは困りもの。だがそこは安心していただきたい。新モデルでは累計で約60万枚あるいは約30万枚のプリントに耐える頑丈さを持ちあわせているのだ。コンパクトモデルが約5万枚であったことを考えると、耐久性が飛躍的に向上している。

6000系の「白モデル」は、累計約60万枚の高耐久性を実現

5000系の「黒モデル」の耐久性は累計30万枚

カタログ上では、本体の寿命が5年間とされている。実際にはもっと長く稼働するものと思われるが、仮に5年間利用するとして累計約60万枚のプリント上限に達するには、ひと月あたり約1万枚印刷することになる。累計約30万枚なら、ひと月あたり約5,000枚だ。耐久性については十分だと言っていいだろう。

毎分約50枚の超高速プリント

モノクロのレーザープリンター/複合機を選ぶ理由のひとつに、印刷スピードの早さが挙げられる。カラーレーザー機やインクジェット機では毎分約20枚程度だが、モノクロレーザー機なら毎分約30~35枚の印刷が可能だ。

顧客に伝票を渡すような場面では、印刷速度が重要なカギとなるケースも多い。だが新モデルでは5000系の黒モデルで毎分約40枚、6000系の白モデルで毎分約50枚のプリント速度を実現している。ビジネス向け小型機としては、充分なスピードだ。たとえば資料を一度に200枚印刷する場合、毎分約50枚なら4分で終わるが、毎分約30枚なら6分半以上かかることになる。1回あたりの差は2分程度だとしても、急ぎの時には1秒でも早くプリントしたいので、スピード面でも優れているといえるだろう。

オプションを利用した高い拡張性

さらに、新モデルには、増設用の給紙トレイや排紙用のメールボックスなど、さまざまなオプションが用意されている(※)。給紙トレイは同時に最大3段まで増設可能で、給紙枚数を大きく引き上げることが可能だ。

※HL-L6400DWにおいてLT-5505使用時

たとえば「MFC-L6900DW」/「HL-L6400DW」用のオプションとして用意されている増設給紙トレイ「TT-4000」を増設すると、本体の570枚(標準トレイ520枚+多目的トレイ50枚)に加え、さらに2,080枚(520枚トレイ×4)の合計2,650枚もの給紙が可能となる。もちろん小規模な給紙トレイも用意されており、モデルによって250/520枚の給紙が可能だ。またメールボックス「MX-4000」を装着すると一度に最大1.050枚(本体250枚+普及200枚×4トレイ)の排紙が可能となるほか、印刷した用紙をトレイごとに振り分けることもできる。

増設用の給紙トレイ「TT-4000」

メールボックス「MX-4000」

このように、「JUSTIO」シリーズの新モデルではオプションを追加することで給排紙のスペックを目的のレベルにまで引き上げることができる。複数のオプションを組み合わせることで、さまざまなニーズに対して柔軟に対応できる点が魅力だ。

クラウドやスマートデバイスに対応

ビジネス向けインクジェット複合機では、受信したファクスを各種クラウドウェブサービスに転送する「ファクスクラウド転送」や、スマートフォン/タブレットからの印刷やスキャンに対応している。今回の新モデルではこれらの機能に対応し、モノクロレーザー機でもクラウドへのファクス転送やスマートデバイスからの印刷/スキャンが可能になった。

高いセキュリティ機能に対応

ビジネス目的で出力する書類のなかには、機密性の高いものもある。情報の漏洩を防ぐためにも、強固なセキュリティ環境が必要だ。新モデルを含む「JUSTIO」シリーズでは、パスワード入力によって印刷を実行する「セキュリティ印刷」やIPフィルター、SSL通信などに対応。Active DirectoryやLDAPといった技術にも対応しているほか、NFCによる認証やファクスの誤送信を防ぐ「番号2度入力機能」なども利用できる。日々のビジネスを安心してこなすことが可能だ。

以上のように、5種類の「JUSTIO」シリーズ新モデルは機能面で大きな進化を遂げている。業務で使うモノクロレーザープリンター/複合機を検討する際に、ブラザー製品を視野に入れていなかった方もいるかもしれないが、十分ビジネスで通用する性能と価値を持っていることをおわかりいただけのではないだろうか。

なお5種類の新モデルについての主なスペックは、下記の表のとおり。新規の導入や買い替えの候補選びの際に活用していただきたい。

新モデルの主な仕様

MFC-L6900DW MFC-L5755DW HL-L6400DW HL-L5200DW HL-L5100DN
モノクロプリント速度/分 約50枚 約40枚 約50枚 約40枚 約40枚
機能 ファクス・スキャン・コピー・プリント ファクス・スキャン・コピー・プリント プリント プリント プリント
通信機能 有線/無線 有線/無線 有線/無線 有線/無線 有線
ADF 80枚 50枚 - - -
給紙枚数(標準/多目的トレイ) 520枚/50枚 250枚/50枚 520枚/50枚 250枚/50枚 250枚/50枚
ランニングコスト(モノクロ) 約2円/枚 約2円/枚 約2円/枚 約2円/枚 約2円/枚
印刷部分の寿命 約60万枚または5年間 約30万枚または5年間 約60万枚または5年間 約30万枚または5年間 約30万枚または5年間

さて前置きが長くなってしまったが、次のページからは新モデルのひとつ「HL-L5200DW」を実際に試用してみたレビューを紹介する。