総務省「平成27年版 情報通信白書」より

インターネットに接続するデバイスは、年々その数を増している。総務省の情報通信白書(平成27年版)では、スマートフォンやタブレットといった端末の他に、IoTのセンサーが加わることで、2020年には2015年の約2.2倍になると予測されており、当然、データのトラフィック量も爆発的に増えることになる。このような状況を受け、サービス最適化やサーバ負荷軽減の役割を果たすADC(Application Delivery Controller)は世界的に需要を伸ばし、仮想アプライアンスの利用も進んできている。

2016年4月、ADCやSSL-VPNの分野で世界5,000社以上、国内約2,000社の導入実績を持つアレイ・ネットワークス(以下、アレイ)のCEO、Michael Zhao氏が来日した。今回は、世界のADC事情に精通したZhao氏に、日本市場の現状や今後、日本における同社のビジネス展開などについて話を聞いた。

仮想ADC需要の高まりにあわせ、サービス・プロバイダと連携

「ADCの世界市場をみると、もはや単純なロードバランサは消滅しつつあり、ハードウェアとして提供されているADCへの需要も目減りしてきています。伸びが顕著なのは仮想ADCです」と、Zhao氏は現状を語る。

中でも大きな伸びが期待されているのは、MSP(Managed Service Provider)が生み出す市場だという。近年、パブリック・クラウド・サービスのプロバイダが、オプション・メニューとして仮想ADCを扱うようになり、この市場は着実に拡大している。

アレイでは既に同社の仮想ADC「vAPV」を、AWS、VMWare、Azureなどの仮想環境に対応させ、マーケットプレイスでの提供をスタートしているが、2015年秋からは1ヶ月・1年単位でのライセンス提供を開始した。期間を限定してADCを利用したいという市場ニーズに丁寧に対応していくことで、サービス・プロバイダと連携をより一層深めると同時に、エンド・ユーザの満足度を高めていこうという、同社の方針の表れだ。

Interop2015でのアレイのブース。ハードウェア型から仮想アプライアンスまで、そのラインナップは幅広い

Interop 2015にて同社が展示したマルチテナント型アプライアンス「AVX」シリーズも、サービス・プロバイダ向けの製品だ。従来のハードウェア型アプライアンスの場合、サービスの利用ユーザが増えれば、その分装置を増やして対応しなければならず、設置スペースもコストも必要となる。仮想アプライアンスにすればこれらの課題は解消するものの、それぞれの仮想マシンの性能保証が難しくなる。こうしたジレンマの解決を、同社の顧客である大手サービス・プロバイダから求められて誕生したのが「AVX」シリーズなのである。

「AVX」は1台のハードで最大32の仮想環境インスタンスに対応しつつ、「AVX」本体のリソースをそれぞれの仮想マシン専用に割り当てることで、個別の性能保証までも行えるのが大きな特長だ。同社の高い発想力と技術力、そしてニーズへの対応力が結実したソリューションと言えるだろう。

日本のクラウド化はスローだが、他国の事例を活かすチャンスを生んでいる

ビジネスや製品開発に対する真摯なアプローチと、ADCの世界的な需要増が相まって、アレイのグローバルでの業績は前年比プラス30%と好調だ。世界に遅れ、ようやくクラウド導入が進み始めた現在の日本市場を、Zhao氏はどう見ているのだろうか。

アレイ・ネットワークス プレジデント&CEO Michael Zhao氏

「世界的に見ると、新しいテクノロジーへ真っ先に移行しようとするのがアメリカ、やや遅れてヨーロッパがついてくる、という印象です。中国やインドは移行というより新規導入なので、動きも大きく見えます。一方で、日本には保守的な印象があります。特に大企業は、これまでのシステムや人材に大きな投資をしているので、それを全部捨てて、パブリック・クラウドのような新しいものへ動くというのは、難しいのでしょう。とは言っても、日本におけるアレイの業績は、前年比でプラス18%も伸びています。日本市場も確実に変化してきているということです」

日本企業がクラウド化を進める中で、あるいはサービス・プロバイダがクラウド化をサポートしていく中で、ADCの存在価値はますます大きなものとして認識されるようになっていくだろう。アレイの製品力・ニーズ対応力については前述の通りだが、日本市場においての同社の優位性(ユーザ側から言い換えれば、同社ソリューションの導入メリット)は、どこにあるのだろうか。

「ひとつはアメリカ、中国、インドで当社がつくった豊富なクラウドサービスの事例を、日本で役立てられることでしょう。これまでの成功例やそのノウハウ、技術はすべて蓄積していますので、日本で応用していただくことができます。 もうひとつは、日本には当社の優れたパートナー企業が存在しているということです。日本のパートナーによるサポート・サービスは、高いユーザ満足度を得ています。また、パートナーを経由して上がってきたニーズには、当社としても積極的に対応しています。 そしてもちろん、製品です。一度、当社製品を体験されたユーザ様からは、性能、品質、操作性などに高い評価をいただいており、これが高い継続率・リピート率につながっています」(Zhao氏)

SDN、NFV…次世代をも見据えた技術開発にも、積極的に取り組む

また同社では、仮想化ネットワークをさらに進化させる技術として注目されているSDN(Software-Defined Networking)やNFV(Network Function Virtualization)にも積極的に取り組んでいる。OPNFV(Open Platform for NFV)プロジェクトの創設メンバーとして、現在は某大手企業のラボに組み上げたNFV環境で、開発中の同社製品と他社製品とのサービスチェイニングの検証をしている最中だという。移り変わりが早いIT社会の中で、次世代技術に積極的に取り組む姿勢は、同社の将来性・安定性を担保するものと言えるだろう。

これまでサービス・プロバイダでは裏方として動く場面が多かったアレイではあるが、常時SSL化やIoTの時代を見据えて、データトラフィック量の伸びと共に、その存在感も一層高まっていくこととなりそうである。

(マイナビニュース広告企画:提供 アレイ・ネットワークス株式会社)