―― デザイン的にも工夫があるそうですね。

上田氏「ええ。キーボードは毎日使う部分なので、まっすぐ押せるバーティカルスクロール機構を採用し、打ちやすさを追求しました。モードキーも幅広に変えて押しやすくしています。ざっと並べただけではわからない小さな部分も改善しているんですよね。キーボードは電子辞書のアイデンティティなので、こだわり続ける部分でもあります」

大島氏「あとはインタフェースのデザインや表示速度には特に注意しています。高機能にしたり液晶を美しくすると動作がもっさりしがちなのでね」

上田氏「もう一つ、今シリーズからホームキーを設けました。シニア層の『最初の画面がどこかわからない』というご意見がきっかけです。そのホーム画面から検索もでき、各設定やお気に入りを置いて、自分仕様の画面をつくれるようにもしました」

大島氏「意識したのはスマートデバイスです。フリック操作も今は普通になってきていますから、その流れに逆らうことはないだろうと。バランスを考えつつ、守る物と変えていく物をきちんと選別していくのが大事だと思っています」

―― 確かに、やりすぎるとスマホになってしまいますもんね。

QRコードでスマホと連携

大島氏「それでいうと、QRコードでスマホとつながる機能が特徴的だと思います。辞書の検索履歴を転送することで、他の学生は何を調べているか、間違いやすい単語は何か、などを確認できるんです。

また、元予備校講師による英単語に紐付いた授業動画を900種ほど用意しまして、動画のある単語は検索履歴に表示されます。学校内では単語をひき、帰りの電車では検索履歴をもとにスマホで復習するというイメージです」

上田氏「スマホの利点を活用して電子辞書の広がりを出せるのではということで、Yシリーズからは電子辞書として初のスマホ連携を取り入れました」

幅広い人々にとって、かけがえのないツールになってほしい

―― この20年を振り返っていかがですか。今後の目標も教えてください。

大島氏「やはり、大きな失敗がバネになっているなと感じます。失敗したときほど、返ってくる幅が大きいなと。現在は、高校生にとってなくてはならないツールの地位を獲得できました。それをより早い時代(小中学生)からお使いただける、例えば6・3・3で12年使えるようなツールに育てたいと考えています」

上田氏「そうですね。子どもからお年寄りまで幅広い層に使っていただけたら嬉しいです。お客さまにより便利に使っていただけるよう、ご意見やご要望をうかがいながら、目立たない細部まで常に進化させていきたいですね」

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社会と未来の動きを見越し、ユーザーが喜んでくれる物を確固たる軸と信念のもとにつくり続ける。すでに欠かせない存在であるのに、今後の進化も楽しみな存在。小学校の低学年から大学生、第二外国語を含めて中国語やドイツ語などを学ぶ人、シニア、医学など、幅広いラインアップで様々な人の学びに役立つことを目指すEX-wordには、カシオのものづくりに対する柔らかな心遣いと強い想いが凝縮されているのである。

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